連合:春闘でのベースアップは0.77%-昨年水準を大幅に上回る

  • 定期昇給とベアを含めた月給の平均賃上げ率は2.16%
  • 「非常に価値のある回答を引き出していただいた」-神津連合会長

今春闘で基本給の水準を底上げするベースアップ(ベア)は0.77%(前年は0.48%)となった。定期昇給とベアを含めた月給の平均賃上げ率は2.16%(同1.98%)。連合が16日、加盟組合の同日午前10時時点の第1回回答集計結果を発表した。

  安倍晋三首相は昨年10月の経済財政諮問会議で、今年の春闘で3%の賃上げを実現するよう企業に求めた。経団連の榊原定征会長も1月の会見で、「3%の賃金引き上げという社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討を期待したい」と述べた。厚生労働省によると、主要企業の春闘では2%台の賃上げが4年続いており、2017年は前年比0.03ポイント低下し2.11%だった。

  連合の神津里季生会長は16日の記者会見で、「今後の展開にどうつなげうるかという意味で、非常に価値のある回答を引き出していただいた」と語った。

  政府は賃上げにより消費が喚起され、企業業績の改善につながる経済の好循環に期待を寄せる。18年度税制改正では、賃上げなどに積極的な企業への軽減税措置も講じた。法人企業統計によると昨年10-12月期の経常利益は過去2番目の高水準で推移しており、1月の有効求人倍率は44年ぶりの高水準を記録、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は0.9%まで上昇した。

  2%の物価安定目標へは距離があるものの、黒田東彦日銀総裁は9日の定例会見で、「賃金上昇圧力は着実に高まっている」と指摘。その上で、「労使において好循環に向けた取り組みが広がっていくことを強く期待している」と述べた。

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