JR日豊線の牧駅で、駅員に見守られながら列車に乗り込む人たち=15日午後3時、大分市牧 JR九州はあす17日、ダイヤ改正を実施する。運行列車を九州全体で1日当たり117本減らし、3011本とする過去最大規模の減便に踏み切る。大分県内は日豊、久大、豊肥の3線で普通と特急計38本を廃止。日豊線の牧駅(大分市)は無人となり、県内初の遠隔案内システム「スマートサポートステーション(SSS)」を導入する。 県内は日豊線と久大線で各15本、豊肥線の8本が廃止される。利用の少ない日中の便が中心。 同社は「高速道の延伸で他輸送機関との競争が激化し、厳しい状況が続くと予想される。利用状況を踏まえ、現状ではベストなダイヤにした」と説明。運行区間の変更も実施する。 大幅減便を巡っては、沿線自治体などから「利便性が低下する」「通勤・通学や通院などに支障が出る」などと再考を求める声が相次いだものの、大きな見直しはなかった。 同社は大分市内の高城、鶴崎など計8駅で無人化を計画している。当初はダイヤ改正に合わせて一斉に踏み切る予定だったが、障害者や高齢者らから不満の声が続出し、7駅は先送りした。 牧駅は「一番、乗降人員が少ない」(兵藤公顕大分支社長)との理由で、17日から無人にする。代わりに、監視カメラやインターホンで利用客の安全確保などを図るSSSを設置。暫定的に今月末まで案内係の職員を置く。 SSSは既に無人の滝尾、幸崎の両駅にも導入する。 牧駅には15日、監視カメラ3台や乗り越し用の精算機などが取り付けられていた。ホームで列車を待っていた帰宅途中の男子高校生(16)は「人がいなくなると治安が悪くなるのではないか」と不安そうに話した。 JR廃止38本正式決定 利用者に嘆きと憤り 大分市内、牧駅除く7駅は無人化先送り 廃止される便の一覧表