【シリコンバレー=佐藤浩実】英フィナンシャル・タイムズは15日、米クアルコム創業者の息子で3月上旬まで会長を務めていたポール・ジェイコブス氏が同社の買収を検討していると報じた。ソフトバンクグループが資金の出し手候補として浮上しているもよう。3人の関係者が、ジェイコブス氏が取締役会に買収の計画を伝えたことを明かしたという。
クアルコムはブロードコムから敵対的買収を仕掛けられていた。ただ米政府機関の対米外国投資委員会(CFIUS)による勧告に基づきトランプ米大統領が買収を禁じる命令を出したことで、ブロードコムは買収を断念した。ジェイコブス氏は長期での開発投資を重視する企業文化を守るため買収を検討しているとみられる。
ソフトバンクグループはサウジアラビアなどと10兆円規模のファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立している。ジェイコブス氏は個人的にソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と親しい。クアルコムはビジョンファンドの出資者でもある。