Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg
AIより人間-12兆円年金運用者は「ブラックボックス」を懸念
Kati Pohjanpalo-
将来を見越した分析の再現、AIの能力では不十分-バタネン氏
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手数料払う顧客に投資判断の考え方を説明する必要-イルマリネン
情報技術(IT)先進国の大手機関投資家の一部は、ロボットが生身の資産運用担当者に取って代わることを望んでいない。
合わせて912億ユーロ(約12兆円)相当の年金資産を運用するフィンランドのイルマリネンとバルマは、人工知能(AI)の現在の能力では生身の人間に可能な複雑で将来を見越した分析を再現できないと考えている。投資ソリューションとしてAIを受け入れることを妨げる重要な障害として、いわゆる「ブラックボックス」の問題を挙げた。
バルマ・ミューチュアル・ペンション・インシュアランスのクロスアセット・アロケーション責任者カリ・バタネン氏はヘルシンキでのインタビューで、情報が入り結果が出てくるが、その間に何が起きているか誰も分からないモデルについて「人間の精神は長期的に我慢できない」と指摘し、「人間は元来、状況をコントロールしている感覚を必要としている」と語った。
AIが陥りかねないある種のパターンも問題視するバタネン氏は、AI技術の活用が「実現した過去にモデルを傾斜させ、行き過ぎた最適化につながる」と主張。「ブラックボックスでは何が起きたか見えない。それが問題だと思う」と述べた。
イルマリネン・ミューチュアル・ペンション・インシュアランスの株式投資責任者のアンニカ・エクマン氏も、顧客から手数料を徴収する資産運用会社は投資判断の背後にある考え方を説明できなければならないとし、ブラックボックスの活用はそれを不可能にするとの見方を示した。
原題:$112 Billion Nordic Funds Reject Black Box Mysteries Behind AI(抜粋)
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