私は、アニメが好きだから綺麗でいたい
2018年03月16日
堂々としている人だ。話していても、ランウェイで歩く姿のようにまっすぐ。淀みがない。
取材前、ヘアメイクさんに「すごくサバサバしている人ですよ」と聞いて、『CanCam』の看板モデルだった可愛らしさと結びつかず、不思議に思った。でも会ってみたらなるほど。山本美月のイメージは180度変わった。
モデルを経て、現在は女優として活躍中。公開中の映画『去年の冬、きみと別れ』さらに加え、主演ドラマ『真夜中のスーパーカー』(3月28日、BSプレミアム)『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(4月19日、フジテレビ系)が控える。
そんな彼女に聞きたかったのがアニメとファッションについて。「モデルよりオタクをやっている方が長いですね、確実に」と語るように、トップモデルでありながら、大のアニメファンという異色の人物だからだ。
(取材:BuzzFeed Japan 徳重辰典)
2007年、高校1年の時に地元の福岡でスカウトされた後、女性ファッション誌が合同で主催する「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリに輝き、『CanCam』専属モデルとしてデビューした。
高校時代は絵画部や演劇部に所属。「自分を表現することが好きなので、モデルの仕事は楽しかった」というが、いきなり人気ファッション誌の専属モデル。当初はポージングがうまくできず、ロケバスで泣いたこともあった。
さらにファッション自体にも苦しめられたという。
「『CanCam』に入るまでオシャレに興味がなかったんです。中学、高校と自分で洋服を買うという習慣がなくて、親が可愛いと言った服を着るような感じ。自分がどんなオシャレが好きか分からなかった。だからモデルの私服紹介のページはすごく困りました。頑張って展示会に行ったり、なんとか女の子らしい可愛い服を着て、大学に通ったり。茶髪にするのも抵抗感がありました」
「結果、その頃着ていた服は自分の身の丈には合っていなかったことがわかりました。でも、雑誌だけでなく、色々なお仕事を経験させていただき、スタイリストの黒崎彩さんやいろんな素敵な人と出会って、いろんな洋服を着せてもらっているうちに、自分の好きなファッションが分かってきた。そこからはオシャレが好きになりました。20歳をすぎたころだと思います」
自分の好きなファッションが分かり始めた2012年は、山本にとってターニングポイントと言える年だった。この年の8月、映画デビュー作となる『桐島、部活やめるってよ』が公開された。
もともと芸能界入りを決めたのは、女優になりたいとの思いがあったから。「桐島」ではワークショップ形式のオーディションを経て、1か月のリハーサル。本番の撮影では1か月間、高知に泊まり込み、同世代のキャストに刺激を受けた。
演じたのは桐島の彼女であり、学校一の人気をもつ飯田梨紗。吉田大八監督からは撮影中、もっと可愛く、もっと可愛くと何度も要求され、山本自身も梨紗になりきった。
「あれが最初で、スポンジ状態だったので、全部吸収しました。周りのみんなも、私より役者の先輩なので、特に芝居に対する姿勢、こんなに真面目にちゃんと取り組むのかと、みんなのおかげで学べたと思います」
映画は大ヒットし、日本アカデミー賞で3冠に輝いた。山本や橋本愛、松岡茉優、神木隆之介、東出昌大など現在まで活躍する役者を輩出し、伝説的な映画となっている。
「桐島」に出演したことはモデルの仕事にも好影響を与えた。当時『CanCam』での出番も少なくなり、周りのモデルに置いていかれた気分も感じていたが、映画が大ヒットすると、認知も上がり、どんどんと呼ばれるようになった。
もう一つの大きな変化はオタクであることを公言できるようになったことだ。
今でこそアニメ好きとして知られているが、2012年『CanCam』での声優の福原香織と共演した紙面企画で初めてオタクであることを明かした。反響は大きく、翌月号では好きな漫画やアニメのほか、『フレッシュプリキュア!』や『魔法少女まどかマギカ』のコスプレ写真を掲載した特集記事が掲載された。
「その前まではアニメを好きなことを言っちゃだめだった。だから取材で趣味を聞かれたとき、何を言ったら分からなかったです。だからオタクなことを公開して、気が楽になりました」
以後、『CanCam』では山本の趣味を活かした特集が何度も組まれ、昨年7月に発売された卒業号でも『少女革命ウテナ』のコスプレや中野まんだらけでの撮影でも、らしさを見せた。
8年間の専属モデル期間中、表紙を飾ったのは37回。ファッション、趣味と自分らしさを出せたことが成功に繋がっていった。
幼い頃からのアニメ好き。中学時代、周りの友人はアイドルにハマっていたが「私は全く。アイドルにハマったことがない」と、アニメキャラにハマった。
結婚したいと初めて思ったのは『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックで「雑誌とかも全部切り抜きして、ファイリングしていました」。テレビ番組で漫画原作者の荒川弘からイラスト色紙をプレゼントされた時には「死ねる」と号泣したことがあった。
「私、本当にでも、あんなに泣くとは思わなくて、何か吹っ切れたと思っていたんですよ。終わった恋だと思っていたら、終わっていなかったんです。だからもう好きじゃなく、神としてランク付けしました。今も不動の神です」
好きなアニメのことを語ると自然と熱がこもる。
現在もアニメ好きは変わらずで「去年一番良かったのはメイドインアビス」と最新アニメも楽しむ。時間があるとつい見すぎてしまうため、撮影の最中は体力温存のために我慢することもあるそうだ。
アニメにも強いこだわりがある。例えば魔法少女ものや女性ものアニメで好きになるのは主人公キャラ。サイドのキャラを好きなアニメファンが多い中では、珍しいが「『私は主人公をやりたい』と言える自分でありたいです」との思いからだという。
作品だけでなく、脚本家や制作スタジオもチェックする。好きな制作会社はTRIGGER。『天元突破グレンラガン』をきっかけに知り、以後のアニメをずっと追っている。「ちゃんと線が、絵が動いている」のが良いという。
好きな漫画家は志村貴子、市川春子。中学生の頃にはオリジナル漫画を描いており、現在もイラストが趣味。Instagramにはアニメのイラストを投稿するが、本人が描いたと思われないことがよくあるそうだ。
最近元気をもらったアニメを聞くと、出てきたタイトルは『アイカツ!』だった。トップスターを目指す少女たちのアイドル活動を描いた作品で、短時間で180話を見たという。
「『アイカツ!』って、悪いことを考える人が1人もいない。敵がいないんですよ。邪悪な心に支配されて、悪役に変わるような作品もあるじゃないですか。それも好きなんですが、『アイカツ!』はそれがない。みんないい人なんですよ」
「ひたむきな主人公の星宮いちごちゃんを見て、私って何て悪い子なんだろうって思います。いちごちゃんみたいに芸能活動を頑張れていたら、すごいファンの人も集まるだろうし(笑)。もう素晴らしいなあと思って。癒されます」
いちごへの「あふれ出す愛をどうしたらいいのか分からなくなって」しまい、マネージャーと一緒に劇中のダンスを踊る「アイカツごっこ」もしているという。アニメ愛は本物だ。
自分が漫画やアニメから影響を受けるように、役者としても、影響を与えられるようになりたいと思っている。
「元気じゃなくても、悲しい気持ちでもいい。嫌な役をやっていたら『この人嫌い』、何か悲しい役をやったら『かわいそう』。自分のお芝居で人の心が、どんな形でもいいから動いてくれるとうれしいなと思います」
公開中の映画『去年の冬、きみと別れ』では、物語で重要な鍵を握る主人公の婚約者を演じる。一見、典型的な役に見せながらも、実は違う、難しい役だ。
「瀧本(智行)監督からは目線や指先まで細かくチェックがあり、1つのシーンにじっくり時間をかけて撮影ができました。自分が考えることと違う、私には想像もできない表現を指示してくださったので、これまでと違ったお芝居、新しい山本美月が見せられたのではと思います」
今月末からはTVドラマ初主演作となるNHK『真夜中のスーパーカー』もスタートする。山本が演じるのはスポーツカー制作を夢見るカーデザイナーで、ファンタジーも織り交ぜながら、自動車開発の関わる人々の葛藤と軌跡を描く
脚本は大好きなアニメ『鋼の錬金術師』を手がけた會川昇。そこも嬉しいという。
4月スタートのフジテレビ系ドラマ『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』でもヒロイン役と、出演作は後を切らないが、一方で、役者としてのジレンマも感じている。
「いつまでたっても『桐島、部活やめるってよ』を超えられない。今でも『あれよかった』って言われると、『まだか...』と思っちゃうんです。ちゃんとあれを超える作品と出会わなきゃなと思います」
役者以外にやりたいこととして挙げたのが、オシャレな人へのアニメへの啓蒙活動だ。
「アニメ雑誌ではなく、ファッション誌などでちゃんと『面白いアニメがあるよ』と紹介する連載ができればと思っています。オシャレな人のオタクへの勘違いを直したい。私だからできることをちゃんとやりたいです。アニメの中にもオシャレなものはいっぱいある。偏見がある人は『LUPIN the Third -峰不二子という女』を見て!と言いたいです」
一方で、アニメファンにもファッションについて、こう提案する。
「アドバイスみたいな大それた事は言えませんが、あまり着る服を気にしない人には、自分の大好きなキャラクターが現実にいることをイメージして、そのキャラクターに好きになってもらえることをしたらどうかなと思うんです」
「私はしっかり仕事をして、自立して、ちゃんと綺麗にしている方が、エドにも好きになってもらえるかなと思っています。まだまだどれも努力が足りないけれど、外見だけでなく、内面もちゃんとするように心がけていきたいです」
かつて興味がなかったファッションにも、演技にも、アニメにも思いはまっすぐ。取材の帰り際、おもむろにスマホを取り出して「これ見てください」と見せてくれたのは、どこにも公開していない自作のアニメーション。やっぱり、淀みがない。
取材前、ヘアメイクさんに「すごくサバサバしている人ですよ」と聞いて、『CanCam』の看板モデルだった可愛らしさと結びつかず、不思議に思った。でも会ってみたらなるほど。山本美月のイメージは180度変わった。
モデルを経て、現在は女優として活躍中。公開中の映画『去年の冬、きみと別れ』さらに加え、主演ドラマ『真夜中のスーパーカー』(3月28日、BSプレミアム)『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(4月19日、フジテレビ系)が控える。
そんな彼女に聞きたかったのがアニメとファッションについて。「モデルよりオタクをやっている方が長いですね、確実に」と語るように、トップモデルでありながら、大のアニメファンという異色の人物だからだ。
(取材:BuzzFeed Japan 徳重辰典)
新人モデルの憂鬱
2007年、高校1年の時に地元の福岡でスカウトされた後、女性ファッション誌が合同で主催する「東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリに輝き、『CanCam』専属モデルとしてデビューした。
高校時代は絵画部や演劇部に所属。「自分を表現することが好きなので、モデルの仕事は楽しかった」というが、いきなり人気ファッション誌の専属モデル。当初はポージングがうまくできず、ロケバスで泣いたこともあった。
さらにファッション自体にも苦しめられたという。
「『CanCam』に入るまでオシャレに興味がなかったんです。中学、高校と自分で洋服を買うという習慣がなくて、親が可愛いと言った服を着るような感じ。自分がどんなオシャレが好きか分からなかった。だからモデルの私服紹介のページはすごく困りました。頑張って展示会に行ったり、なんとか女の子らしい可愛い服を着て、大学に通ったり。茶髪にするのも抵抗感がありました」
「結果、その頃着ていた服は自分の身の丈には合っていなかったことがわかりました。でも、雑誌だけでなく、色々なお仕事を経験させていただき、スタイリストの黒崎彩さんやいろんな素敵な人と出会って、いろんな洋服を着せてもらっているうちに、自分の好きなファッションが分かってきた。そこからはオシャレが好きになりました。20歳をすぎたころだと思います」
自分の好きなファッションが分かり始めた2012年は、山本にとってターニングポイントと言える年だった。この年の8月、映画デビュー作となる『桐島、部活やめるってよ』が公開された。
もともと芸能界入りを決めたのは、女優になりたいとの思いがあったから。「桐島」ではワークショップ形式のオーディションを経て、1か月のリハーサル。本番の撮影では1か月間、高知に泊まり込み、同世代のキャストに刺激を受けた。
演じたのは桐島の彼女であり、学校一の人気をもつ飯田梨紗。吉田大八監督からは撮影中、もっと可愛く、もっと可愛くと何度も要求され、山本自身も梨紗になりきった。
「あれが最初で、スポンジ状態だったので、全部吸収しました。周りのみんなも、私より役者の先輩なので、特に芝居に対する姿勢、こんなに真面目にちゃんと取り組むのかと、みんなのおかげで学べたと思います」
映画は大ヒットし、日本アカデミー賞で3冠に輝いた。山本や橋本愛、松岡茉優、神木隆之介、東出昌大など現在まで活躍する役者を輩出し、伝説的な映画となっている。
「桐島」に出演したことはモデルの仕事にも好影響を与えた。当時『CanCam』での出番も少なくなり、周りのモデルに置いていかれた気分も感じていたが、映画が大ヒットすると、認知も上がり、どんどんと呼ばれるようになった。
もう一つの大きな変化はオタクであることを公言できるようになったことだ。
今でこそアニメ好きとして知られているが、2012年『CanCam』での声優の福原香織と共演した紙面企画で初めてオタクであることを明かした。反響は大きく、翌月号では好きな漫画やアニメのほか、『フレッシュプリキュア!』や『魔法少女まどかマギカ』のコスプレ写真を掲載した特集記事が掲載された。
「その前まではアニメを好きなことを言っちゃだめだった。だから取材で趣味を聞かれたとき、何を言ったら分からなかったです。だからオタクなことを公開して、気が楽になりました」
以後、『CanCam』では山本の趣味を活かした特集が何度も組まれ、昨年7月に発売された卒業号でも『少女革命ウテナ』のコスプレや中野まんだらけでの撮影でも、らしさを見せた。
8年間の専属モデル期間中、表紙を飾ったのは37回。ファッション、趣味と自分らしさを出せたことが成功に繋がっていった。
ノーアニメ・ノーライフ
幼い頃からのアニメ好き。中学時代、周りの友人はアイドルにハマっていたが「私は全く。アイドルにハマったことがない」と、アニメキャラにハマった。
結婚したいと初めて思ったのは『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックで「雑誌とかも全部切り抜きして、ファイリングしていました」。テレビ番組で漫画原作者の荒川弘からイラスト色紙をプレゼントされた時には「死ねる」と号泣したことがあった。
「私、本当にでも、あんなに泣くとは思わなくて、何か吹っ切れたと思っていたんですよ。終わった恋だと思っていたら、終わっていなかったんです。だからもう好きじゃなく、神としてランク付けしました。今も不動の神です」
好きなアニメのことを語ると自然と熱がこもる。
現在もアニメ好きは変わらずで「去年一番良かったのはメイドインアビス」と最新アニメも楽しむ。時間があるとつい見すぎてしまうため、撮影の最中は体力温存のために我慢することもあるそうだ。
アニメにも強いこだわりがある。例えば魔法少女ものや女性ものアニメで好きになるのは主人公キャラ。サイドのキャラを好きなアニメファンが多い中では、珍しいが「『私は主人公をやりたい』と言える自分でありたいです」との思いからだという。
作品だけでなく、脚本家や制作スタジオもチェックする。好きな制作会社はTRIGGER。『天元突破グレンラガン』をきっかけに知り、以後のアニメをずっと追っている。「ちゃんと線が、絵が動いている」のが良いという。
好きな漫画家は志村貴子、市川春子。中学生の頃にはオリジナル漫画を描いており、現在もイラストが趣味。Instagramにはアニメのイラストを投稿するが、本人が描いたと思われないことがよくあるそうだ。
最近元気をもらったアニメを聞くと、出てきたタイトルは『アイカツ!』だった。トップスターを目指す少女たちのアイドル活動を描いた作品で、短時間で180話を見たという。
「『アイカツ!』って、悪いことを考える人が1人もいない。敵がいないんですよ。邪悪な心に支配されて、悪役に変わるような作品もあるじゃないですか。それも好きなんですが、『アイカツ!』はそれがない。みんないい人なんですよ」
「ひたむきな主人公の星宮いちごちゃんを見て、私って何て悪い子なんだろうって思います。いちごちゃんみたいに芸能活動を頑張れていたら、すごいファンの人も集まるだろうし(笑)。もう素晴らしいなあと思って。癒されます」
いちごへの「あふれ出す愛をどうしたらいいのか分からなくなって」しまい、マネージャーと一緒に劇中のダンスを踊る「アイカツごっこ」もしているという。アニメ愛は本物だ。
山本美月に大切なこと
自分が漫画やアニメから影響を受けるように、役者としても、影響を与えられるようになりたいと思っている。
「元気じゃなくても、悲しい気持ちでもいい。嫌な役をやっていたら『この人嫌い』、何か悲しい役をやったら『かわいそう』。自分のお芝居で人の心が、どんな形でもいいから動いてくれるとうれしいなと思います」
公開中の映画『去年の冬、きみと別れ』では、物語で重要な鍵を握る主人公の婚約者を演じる。一見、典型的な役に見せながらも、実は違う、難しい役だ。
「瀧本(智行)監督からは目線や指先まで細かくチェックがあり、1つのシーンにじっくり時間をかけて撮影ができました。自分が考えることと違う、私には想像もできない表現を指示してくださったので、これまでと違ったお芝居、新しい山本美月が見せられたのではと思います」
今月末からはTVドラマ初主演作となるNHK『真夜中のスーパーカー』もスタートする。山本が演じるのはスポーツカー制作を夢見るカーデザイナーで、ファンタジーも織り交ぜながら、自動車開発の関わる人々の葛藤と軌跡を描く
脚本は大好きなアニメ『鋼の錬金術師』を手がけた會川昇。そこも嬉しいという。
4月スタートのフジテレビ系ドラマ『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』でもヒロイン役と、出演作は後を切らないが、一方で、役者としてのジレンマも感じている。
「いつまでたっても『桐島、部活やめるってよ』を超えられない。今でも『あれよかった』って言われると、『まだか...』と思っちゃうんです。ちゃんとあれを超える作品と出会わなきゃなと思います」
役者以外にやりたいこととして挙げたのが、オシャレな人へのアニメへの啓蒙活動だ。
「アニメ雑誌ではなく、ファッション誌などでちゃんと『面白いアニメがあるよ』と紹介する連載ができればと思っています。オシャレな人のオタクへの勘違いを直したい。私だからできることをちゃんとやりたいです。アニメの中にもオシャレなものはいっぱいある。偏見がある人は『LUPIN the Third -峰不二子という女』を見て!と言いたいです」
一方で、アニメファンにもファッションについて、こう提案する。
「アドバイスみたいな大それた事は言えませんが、あまり着る服を気にしない人には、自分の大好きなキャラクターが現実にいることをイメージして、そのキャラクターに好きになってもらえることをしたらどうかなと思うんです」
「私はしっかり仕事をして、自立して、ちゃんと綺麗にしている方が、エドにも好きになってもらえるかなと思っています。まだまだどれも努力が足りないけれど、外見だけでなく、内面もちゃんとするように心がけていきたいです」
かつて興味がなかったファッションにも、演技にも、アニメにも思いはまっすぐ。取材の帰り際、おもむろにスマホを取り出して「これ見てください」と見せてくれたのは、どこにも公開していない自作のアニメーション。やっぱり、淀みがない。
スタイリスト=黒崎彩
ヘアメイク=藤本希
撮影協力=タワーレコード 新宿店