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盤ぶくれが生じている竜飛先進導坑(出所:鉄道・運輸機構)
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 3月13日に開業30周年を迎えた青函トンネルで老朽化対策が課題となるなか、2本の先進導坑では盤ぶくれや断面縮小などの変状が生じている。鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は2017年に北海道側の先進導坑で対策工事に着手。18年度は本州側の先進導坑の工事を実施する予定だ。

■先進導坑の変状の位置図
鉄道・運輸機構の資料に日経コンストラクションが加筆
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 青函トンネルには、北海道新幹線などの列車が通る本坑とは別に、トンネル内の排水や換気のための先進導坑がある。北海道側が吉岡先進導坑、本州側が竜飛先進導坑で、延長はどちらも8.5kmだ。

最大で14cmの隆起

 吉岡先進導坑では14年に、最大で5.2cmの盤ぶくれと4.7cmの内空断面の縮小が見つかった。竜飛先進導坑でも変状が生じていたが、こちらの方が隆起などの進行が速かったので対策を先行させた。延長約80mにわたってトンネルの周りの地盤にロックボルトを打ち込む補修工事を、17年2月に大成建設に発注。今年3月26日に完了する予定だ。

 一方、竜飛先進導坑では南端から約1kmの箇所の底盤に、最大で高さ約14cmの盤ぶくれが生じている。鉄道・運輸機構によると、20年ほど前に変状の定期的な観測を始めた当初から兆候があり、隆起の進行は緩やかで現時点では止まっているという。

 4月以降、竜飛先進導坑で延長約30mにわたってロックボルトなどで盤ぶくれの対策工事を実施する。具体的な工期や施工者などは未定。本坑など、先進導坑以外の箇所の補修や改修は予定していない。

(関連記事:青函トンネル先進導坑に変状、対策工事に着手