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プラスチックカード以外にも、2018年度下期に提供予定の「チップSIM」の仕様を公開した(写真8)。幅広い動作温度により、自動販売機やソーラーパネルなどプラスチックカードでは壊れやすい屋外環境もカバーできるという。
今後のフルMVNOサービスのスケジュールとしては、「法人向けには2018年度上期の早い段階で国際ローミングを提供する。個人向けのIIJmioではフルMVNOサービスを暑くなる前くらいの時期に出したい。同タイミングでOEM向けのタイプI(仮称)サービスも提供する」(矢吹氏)との見通しを示した(写真9)。
今後、検討中のサービスとして「訪日外国人向けサービス」では、海外キャリアと交渉しており、新しい形のサービスの提供を2018年度中をめどに検討している。eSIM(Embedded SIM)も検証を進めているという。ローミングではない海外キャリアとの直接接続や、フルMVNO版のSIMを搭載したサービスモジュールの開発も検討していくとした。
フルMVNOの未来像としては、「スマートデバイスを含め、あらゆる機器がLTEやLPWA(ローパワー・ワイドエリア)、5G(第5世代移動通信システム)を通してネットに接続する時代が到来する。それらをコアネットワークで束ね、シンプルに使っていただけるサービスとして提供していく」(矢吹氏)と語った(写真10)。
不要時はサスペンドして月額費用を削減
新たに提供する法人向けフルMVNOサービスの詳細は、IIJ MVNO事業部 副事業部長の安東宏二氏が説明した。
フルMVNOサービスの特徴としては、SIMを効率的に管理できる「ライフサイクル管理」を挙げた。「ライトMVNOでは一度提供されたSIMは常にアクティブになるのに対し、フルMVNOでは不要な期間にサスペンドできる。紛失や盗難の場合でも不正利用を防げる」(安東氏)とメリットを挙げた。
SIMカードの基本費用は、アクティブ時が月額200円、サスペンド時が月額30円(税別)となっている。アクティブとサスペンドを月内に変更した場合の基本費用は日割り計算になるという。