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【政治】

自民改憲案、集約先送り 「9条2項維持・自衛隊」に異論

自民党憲法改正推進本部の全体会合であいさつする細田博之本部長(奥中央)=15日、東京・永田町の党本部で

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 自民党憲法改正推進本部(細田博之本部長)は十五日の全体会合で、自衛隊の存在を明記する九条改憲について議論した。執行部は七通りの条文案を提示。安倍晋三首相の意向に沿って、戦力不保持を定める二項を維持して「自衛隊」を明記する案を念頭に一任取り付けを狙ったが、異論も出て、この日の意見集約を見送った。(生島章弘)

 会合で示された条文案は「二項維持・自衛隊明記」が三案、「二項維持・自衛権明記」が二案、「二項削除」が二案。執行部はそのうち、二項を維持して「九条の二」を新設した上で、「必要最小限度の実力組織」として「内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持」するとした案への一本化を目指した。

 賛成意見が出る一方、「必要最小限度」という表現を憲法に書くと防衛力を過度に制約しかねないなどとする反対意見も相次いだ。自衛隊ではなく自衛権の明記を求める声も出たほか、石破茂元幹事長は「なぜ自衛隊に制限を課すのか」として二項削除を主張した。

 細田氏はこれらの意見に配慮し、この日の決着を断念。締めくくりのあいさつで「自衛隊に憲法上、しっかりした地位を与えることが最大の目的だ」と意見集約への協力を求めた。二十日の次回会合で一任取り付けを図る。

 石破氏は会合後、記者団に「論点はいっぱい残っていて、誰も責任を持って答弁する人がいない。そういう状況で何かを決めるのは民主主義のルールに反する」と語り、結論を急ぐ執行部の姿勢を批判した。

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