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新たに提供開始する「フルMVNO」サービスは、NTTドコモの3G/LTE網を利用しつつも、「HLR/HSS(加入者管理機能)を自社で持つことにより、独立した移動体通信事業者になることを指す。分かりやすく言えば、基地局以外の設備をすべて我々がコントロールしてサービスを提供するもの」と定義した(写真4)。
従来型のMVNO(ライトMVNO)とフルMVNOの違いについても説明した(写真5)。SIMカードは一般的なプラスチックカードに加え、チップ型やソフトウエア型を独自に製造可能になる。加入者管理機能により独自プランを作ることで、毎月のランニングコストを低減できるという。
さらにライトMVNOは、他の事業者から回線提供元のNTTドコモやKDDI(au)として見えるのに対し、フルMVNOでは国際的な移動体通信の識別子である「MNC(Mobile Network Code)」と「IMSI(International Mobile Subscriber Identity)」を独自に持つことが可能になる。今後は独立した事業者として海外との相互接続を目指していくとした。
法人向けフルMVNOサービスの利用シナリオとしては、メンテナンス用のバックアップ回線や国際閉域ネットワークを挙げた。「これまでコピー機や病院内ネットワークの保守には現地での作業が必要だったが、フルMVNOのSIMがあれば必要なときだけ、リモートから有効化して管理に利用できる」(矢吹氏)とした。
SIMカードの違いとして、事業者ごとにオリジナルデザインが可能になり、一定規模の場合には端末にオリジナルのアンテナピクトを表示できるという。ランニングコストの面では毎月の回線維持費用を軽減できることから、全国のコンビニ店舗にSIMカードの在庫を置くような販売形態も実現しやすくなるとした(写真7)。