「下ネタと安全帯が当然」の建設現場は嫌だ!24歳女性現場監督の告白
2017.05.26
株式会社トラフィックブレインの社長・太田恒平さん
土木学会若手パワーアップ小委員会の連載企画「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」。第3回目は、株式会社トラフィックブレインの社長・太田恒平さんです。
太田恒平さんは東京大学工学部社会基盤学科卒業、東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻修了。ナビタイムジャパンに入社し、ナビタイムの経路探索・交通ビッグデータ分析・交通制御・交通広告を担当したのち、2017年6月に株式会社トラフィックブレインを設立しました。
土木業界のどこに問題があるのか、太田さんに辛口コメントを頂戴しました。土木業界人は必読です。
――土木に興味を持ったきっかけは?
太田 もともとめちゃくちゃ土木が好きっていうより、交通が好きで。中学2年生の時にはアクアラインをテーマに自由研究をしました。で、交通ってどうも土木らしいぞと。それで東京大学工学部の社会基盤学科に進み、学部では家田仁先生の研究室に所属しました。学部時代は不良学生で論文発表も論文投稿もしたことがなくて。大学院は新領域創成科学研究科、空間情報科学研究センターというところで地図の研究をしました。
――もう大学院の時点で、土木からは離れていたんですね?
太田 学部の時点で、土木を続けるってイメージが全然なかったんですね。卒論は「交通事業者はなぜ復旧見込みを出し惜しんだのか」でした。でも、土木の権威主義的なところが自分には合わなくて。家田先生がそうって話では全然ないんですけど、土木って重いなあと。
皆スーツで、「何とか先生!」って感じのパッケージ全体が無理でしたね。そういうのも必要なんだと思いますけど、もっとソフトに出来る話も重い方に引きずられているというか。
――大学で学んだ土木はどうでしたか?
太田 ITは社会人になってもいつからでも学べますけど、土木は大学に入らないと学ばなかっただろうなと思います。世界を知らないままにいたかと。
――確かに、土木の世界はクローズドですね。本来ならどんな業界にも絡んでいけるはずなのに。
太田 最初に土木に行ったのは、たまたまだったですけど、いい経験になったと思うんですよね。そう思わないと、あの権威主義的な場所でじんましんが出ちゃう。
――新領域創成科学研究科は、いわゆる土木工学とは違いました?
太田 そうですね。新しいところなので緩いです。キャンパスも柏ですし。首都圏の中の柏の立ち位置ですよね。その柏ヒラエルキーの中でもメインじゃない場所で(笑)。本郷のあのどっしりとした感じがね、合わなかったんですね。
――修了後、ナビタイムに就職されたわけですが、ナビタイムを選ばれたのは?
太田 交通とITが好きだったからですね。機械いじりとかも昔から好きでしたし。好きなもので大学まできしたので。嫌いなことじゃ頑張れないですからね。
ナビタイムは競合他社の中でも、一番先進的でした。技術開発を一番自分の言葉で話していた会社でしたね。社長、副社長とも技術者なので、研究テーマをそのまま仕事にしていて、特許も出していて。ナビタイム以外の乗換案内サービスは「駅」がベースなんですが、ナビタイムはカーナビがあるのでもっと広い分野が対象なんです。
――ナビタイムには、太田さん以外の土木出身者はいましたか?
太田 それが他にいなかったんですよね。当時社員が300人くらいで、鉄道オタク、バスオタクみたいな趣味の人とITの人はいたんですけど、交通工学の人はいなかったですね。
それでも意外とカーナビって出来ちゃうんですね。だからカーナビ担当の人に「時間価値」の話をしても通じないんですよ。だからエクストラのナントカ…なんて話にいかなくても、時間価値の考え方だけでもう新しくて。大学での知識は活かされましたね。
――ナビタイムでは、交通工学自体が馴染みのないものでしたか?
太田 そうですね、あまり認識されていませんでしたね。線形和でコストを積み上げるってところから輸入しました。もう世界や文化が違うので、本当に輸入してきたって状態でしたね。
2011年から2012年にかけて、カーナビシステムの置き換えをやったんです。テーマは交通でしたけど、ずっとプログラミングばかりやっていました。社内にひきこもって、もう創業以来くらいの規模で、社長の作ったソースコードを毎日C言語でゴリゴリと。入社2年目ですけど、まあやればできますって啖呵を切って(笑)、良い経路を突き詰めるモジュールを作ったんです。
――2年目からすごいですね。会社自体がそんな雰囲気でしたか?
太田 入社2年目でも創業当時からの、屋台骨であるシステムを任せてもらえるっていうのはITのスピード感ですよね。そもそも新しい領域だと、自分が一番詳しいので、ドンピシャで偉い先生がいない分、好き勝手やれます。先生より私の方がデータ持ってますし、「先生、やったことあります?」って言えるんですよね。
――確かにナビタイムって変な経路が出ないんですよね。走りやすさはどう決めているんですか?
太田 新しいシステムの目玉は、時間と費用と走りやすさの一般化費用を導入したことですね。それまでは時間優先、距離優先で、時間や距離の単一コストモデルだったんです。でも同じ道なら太い方が安心だし、なるべく曲がる回数は少なくしたいですよね。というのを全部コスト化して、総合評価が一番良い経路を決めるんです。その重みのバランスを、無料優先と高速優先で係数が違うようにして、私が「えいやっ!」と決めました。
――そうなんですか!?カーナビの中には、交通工学で学んだ難しい式がたくさん入っていると思っていました。
太田 大学の交通工学って難しいじゃないですか。数式をいっぱい使って、難しい理論を突き詰めて。その頃からもっと簡単に決められるはずだと思っていました。カーナビを作る場合、過去何十年の時間価値の調査なんてしないですね。重み付けは、ほぼ私のフィーリングです。これくらいかなって。決めるのはユーザーさんの声と、自分の体感に沿っているかですね。
――この新しいナビには、業界的にもざわつきましたか?
太田 どうでしょうね。カーナビの中って見えるわけじゃないので。でも、その後、ナビタイムの社内で交通コンサルティングチームを立ち上げたのですが、この経験が交通コンサルティングには非常に役に立ちましたね。経路の出し方で、某道路会社さんは出ないようにも出来ちゃうわけですから。
――交通コンサルティングチームでのお仕事はいつからですか?
太田 交通コンサルティングチームを立ち上げたのは2012年ですね。最初の案件は、広島県のバスの乗継改善の仕事でした。ナビタイムで時刻表を整理すれば、何か見えてくるんじゃないかと広島県の方が考えられて、ナビタイムを含めて検索各社に話がきました。ナビタイムでも社内で誰が出来るの?って話になって、私が「はい」って手を挙げたんですね。それが交通コンサルティングの最初です。事業を立ち上げるより前に案件があったって状態です。
――その後の展開は?
太田 2012年頃のビックデータブームに乗ろうと思いまして。そこで注目したのが「プルーブデータ」という車の移動のデータですね。これを売るべく色々な分析パターンを考えたりして。その時のお客さんは国道事務所とか建設コンサルタントさん、あとは高速道路会社さんでした。国総研からも提供できませんかって話があって、つくばに行ったり。部署としては私が辞める時点で10人くらいのグループになりました。売り上げも前年比で倍々の状態でしたね。
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