結成3年でチアダンス全米初制覇の奇跡が銀幕に—。福井県立福井商業高校チアリーダー部「JETS」が2009年に全米チアダンス選手権大会を初制覇するまでを描いた映画が制作される。5日、福井市内で開かれたチアダンスイベントに出演した部員が発表。主演は女優広瀬すずさんで、17年に全国公開される。部員は「チアダンスを知ってもらえるいいきっかけになる。元気や勇気を与えられる映画になってほしい」と喜んでいる。
映画タイトルは「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」。「憧れの男子生徒を応援したい」という軽い気持ちでチアダンス部に入部した主人公・友永ひかりが「恋愛禁止、おでこ出し絶対」という厳しい指導の中、成長していく青春ストーリー。
JETSは「全米優勝」を合言葉に2006年結成。09年に全米選手権チームパフォーマンス部門で総合優勝を果たした。11年にも優勝、13年からは4連覇している。
昨年3月、同部の五十嵐裕子顧問(48)に映画化の話が舞い込んだ。「マイナーなチアダンスを知ってもらえる。世話になった人への恩返しになる」と思い承諾したという。「初心者ばかりでまさに奇跡だった。少しでも元気とか勇気を与えることができれば」と話す。
福井市のJR福井駅西口再開発ビル「ハピリン」で開かれた「チア☆フェスタ」で現役部員が発表した。同フェスタにはOGでつくる「Venus」も参加し、互いに映画化を喜び合った。初代部員で当時の副部長、山田亜梨紗さん(25)=福井市=は「きらきらした3年間が、どんな風に描かれるのかどきどきする」と期待を寄せる。「チアダンスへの高校生の熱い思いが伝わるような映画になってほしい」と話していた。
現役部員で3年リーダー水越麻実さんは「チアダンスがもっと有名になってほしい。私たちは今年4連覇したけど、5連覇を目指す」と気持ちを新たにしていた。3年副リーダーの酒井美佑さんは「先輩たちの努力があったからこそ、今のチームがある。初心者でも大きな夢をつかめることが伝わってほしい」と話していた。
映画の公式ホームページによると、広瀬さんは、当時JETSを指導した前田千代・日本チアダンス協会長から指南を受け、猛特訓中。当時の部員のようにダンス未経験で、長い日だと1日6時間ほど練習しているという。「ドラマや映画のような話が本当にあって、それを演じることができるのがうれしい」とコメントを寄せている。