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【政治的発言】創作する者こそ、森友文書改竄問題に声を上げるべきではないだろうか【閲覧注意】 作者:雨読
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1)森友文書改竄問題の原因と、同様の事件への防止策


1)森友文書改竄問題の原因と、同様の事件への防止策

 日本の酒の席で、一般にタブー視される3つの話題がある。
 野球、宗教、そして政治である。
 これは楽しく酒を飲むために、要らない諍いを避ける目的のマナーだと認識している。

 野球は除くが、これらは日常生活においても話題に出ず、タブー視される傾向にある。
 現代日本がそのような文化、風土なのだろう。

 だがその慣習が国民にとって間違いであったことが、今回明らかになった。

 2018年3月、森友文書改竄問題の発覚である。

***

 この事件は、過去・現在・未来の日本の信用を失墜させるものであり、国益や国民の財産への損害は青天井である。

 事件の起こった原因に、国民の安倍総理への(黙認を含めた)信任がある。安倍総理は選挙に強く、党内で逆らう者はほぼいない。彼を暴走させ腐敗させたのは間違いなく私たちの責任である。

 とりあえず事件の首謀者だと名指しすることはしないが、そうであろうと現在(2018.3.15時点)総理らは全容解明に努める気配がまるでない。そもそも1年前の時点(2017年時点)で調査する気があったのなら容易に解明できた問題である。総理らが問題解決を先延ばししていることは明らかだ。延びれば延びるほど、国の信用は貶められていく。総理らが何を考えているかは知らないが、己の面子のためなら、国民の利益なんてどうでもいいように捉えられてもしょうがない。
 そのような統治者として不適格の者を国のトップに据えたのは、強調するが、私たちの信任であり、私たちの責任である。

***

 では、何故私たちが信任するに至ったかは、政治への無関心が起因の一つとして挙げられる。

 安倍政権の個々の政策や成果、そして説明や政治的責任についての評価は、各々の判断に任せたい。だが、私の個人的な意見では、ここまでの選挙結果や支持率を得るまでのものではないとずっと考えていた。
 少なくとも、森友問題について2017年時点で、全く説明責任を果たしていない。それでも選挙で圧勝しているのならば、無関心が総理の支持理由の一つであるのは間違いない。

 そして無関心を生んだのは、政治を話題にすることへのタブー視にあると考える。

 禁忌視の理由は大きく2つのことが考えられる。

 1つは、日本の歴史である。もともと日本は市民による革命を経験しておらず、国民が政治の主体である意識が低い。また、政治を話題にすれば角が立つという風潮もある。そのために話題をすることが避けられるようになり、この風潮は根強く歴史に刻まれたと考える。
 もう1つは、過激な政治的思想の者たちの存在である。彼らの異常な行動により、所謂一般人は彼らを忌避し、必要以上に政治を避けるようになったと考える。

 これら2つの理由の発端は、政治への理解の低さにあると考える。日本の主体は国民であり、総理でもお上でも誰かでもない。また、異常な政治的思想の殆どは、無理解によって生じていると考える。
 理解の低さは政治への無関心を生み、悪循環に至ったと察せられる。

***

 では、政治への理解を深めるのにはどうすべきなのか。個人が知識を深め、議論を重ねるしかないであろう。日常生活で話題にすべきなのだ。

 避けたいという気持ちはよくわかる。
 だが避けたからこそ、公文書改竄事件が起き、私たちは自分で自分の首を絞めたのだ。

***

 そもそも避けたいと思うのは、議論に対する意識の国民性にあると考える。

 日本人は、議論において勝ち負けを重視し過ぎる。どうでもよいマウントをとることに拘り過ぎている。はじめの主張が間違っていても、直せばいいのだ。もっと柔軟でいいのだ。よりよい結論や主張を得るのが議論の目的と考える。間違った主張をそのままにすることこそ間違っているのだ。

 そして、殆どの議論は本来人格が介入する余地はない。はじめの主張が間違っていようと人格が否定される理屈はない。まして議論と無関係な人格攻撃をされる謂れはない。
 一部の人は「お前が言うな」で論破した気になっているだろうが、一度間違いを犯した経験者が同じ間違いに気付き易いことは当然である。1つの意見や情報として受け入れるべきだ。

 知識や情報は数が多ければ単純に良いという話ではないが、現在の日本人におけるそれは余りに少ないと私は思う。もっと活発な議論が必要だと考える。

 なにより今議論しないことは、少なくとも未来の人たちへの無責任な行動であると考えている。




 
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