一時期の110円を超えるレベルで推移していたドル円だが、円高傾向が最近顕著で105円台で推移しており、106円台に少し戻ったというのが現状のようだ。
日本株というのはやはり円高だと上がりづらい環境があるようで、円安を求めている人も多いと思う。少々気が早いと思われるが「円高が業績に寄与する銘柄」という特集が組まれたりしている。
でもなんで円高傾向なのかというところについては一般的には世界が不安定になると、「円は安全な資産として買われるから」というような話がある一方で、アメリカの金利が上がると普通はドル高円安になるはずなのに、なぜかその前提が崩れているようにも思われる。
この関係を少し考えてみる。
長期金利がなぜ上下するか
今のアメリカの長期金利(10年国債を指す)は2.8-2.9%程度で推移しているが、どうして変動するのか。
前にも調べたけど、政府は基本的に長期金利を決めることはできず、政策金利という金利をいじっている。長期金利はこの政策金利に期待されるインフレ率や経済の成長率などを加えて受給できまる。
ざっくり考えると、長期金利といっている10年国債は市場で売り買いされているもので需給できまっている。アメリカの国債を買いたい人が増えれば国債の価格が上がるので金利は下がる。買いたい人が減ればたくさん利子をつけないと売れないので、国債の価格は下がって金利が上がるという仕組みだ。
国債の価格は短期金利に色々なものが加えられてできている
そのアメリカの長期国債の金利が2.9%から3%に届くと、国債が投資として魅力的な利子率(利回り)になるから国債に資金が流れて、株式市場からお金がなくなるから株式市場は暴落する。
そういう記事を読んだことがある。理にかなっているが、国債の利回りを考える時にはインフレについても加味する必要があると感じる。
長期金利(10年の国債利回り)というのは、政府が決める政策金利(短期金利)に対して、期待されるインフレ率、経済成長率、リスク代などを加味して需要と供給で決まるといわれている。
例えば、期待されるインフレ率(消費者物価指数と呼んでも良いと思う)が将来これくらいインフレしていく(物価が上がっていく)ということが予想される度合でその期待値が短期金利にプラスされて決まっている。
リスク代とは投資家がリスクをとるうえで払うリスク代(最低限これくらいは取りたい)というものも加算される。だから不安定になるとリスク資産になるため国債の利回りが上がるという構造だ。
じゃあ何が影響していて最近の動きになっているか
冒頭の疑問に戻るけど、アメリカの国債の%が上がっているのに、何でドル安なのか、普通はドル高になるから円安になるんじゃないの?円安にならないと日本株が上がらないから困るんだけど・・・という点に戻ってみる。
多分要因は色々あって妄想してみる(初心者の妄想です)
1)トランプ政策のせい
減税などは経済にとっては追い風だし、株価にとっても追い風である反面、アメリカの財政を見ると、結構国債を発行して借金で財政を賄っているのに、税収を減らすような減税してどうするんだという心配がある。そうするとドルを買って、アメリカの国債を買おうという人が減ってドルが買われなくなってドル安になる。
2)インフレスピード
インフレしていくスピードが早いと通貨の価値は下がっていく。アメリカのインフレ(消費者物価指数)がどんどん上がるとアメリカドルの価値が下がってドル安になっていっている。
3)あとは円が買われている
アメリカの国債とは関係ないところでリスクオフ資産として円が買われている。最近の北朝鮮の状況が和らいだりして少し円安に戻っている感じはあるが、日本というのは対外的に世界最大の債権国であり安全資産として円が買われているというアメリカとは切り離した理由がある。
4)あとは誰かが国債を売っている。
アメリカの国債を誰が一番もっているか。それは中国と日本。この両国なのか、それ以外の国なのか分からないが、アメリカの国債を売っていることで金利が上がっている。
まあ俺にはどれが理由かよくわからないが、だいたい上記のようなことが影響しているって考えている。
色々な政局が影響して為替って動いてる
円安に進むニュースや出来事もあるし、円高に進むニュースもある。
だから天秤のようなもので、アメリカドルと日本円、そしてユーロ。上記ではドル円しか見ていないが、この3つの三大通貨が天秤にのっていて需給で変動している。
円安に振れる最近のニュースとしては例えばドイツのメルケルさんの政局の安定化とかも影響していた。
日銀の黒田総裁が出口戦略について話して円高に振れたあと、その後過剰に彼のスピーチをメディアが取り上げたということや、副総裁がガンガンインフレ目指して緩和していくといったら円安にまた戻ったり。
他にもアメリカと北朝鮮の状況が楽観的になったら円安に振れたり。
逆に円高に振れるようなニュースでいったら、アメリカが保護主義に向かって鉄鋼・アルミの関税を上げるという発言があったり、コーン米国家経済会議の委員長が辞任したりして、ドルが売られて円が高くなったりもした。