公取がアマゾンに立ち入り検査、値引き分の補填要求か
ネット通販大手の「アマゾン」にある疑惑が持ち上がりました。商品を値引きし、その値引き分の補填を出品したメーカーに求めている疑いがあります。15日、公正取引委員会が立ち入り検査を行いました。
日用品から食品まで幅広い品揃えを誇るアマゾンジャパンの倉庫。バナナ1つをとっても20種類もそろっています。効率化を徹底したという倉庫内では出荷作業をロボットが担う場面も。迅速な配達に低価格路線。こうした戦略のもと、アマゾンジャパンは急成長し、売上高1兆円を超える巨大ネット通販業者となりました。
Q.アマゾンはよく使いますか?
「はい、使います」(女性)
Q.値段は?
「安いです」(女性)
Q.値段は?
「全体的に安いかなと思います」(男性)
「高いなと思うときもあるが、でもしっくりくることが多い」(男性)
その一大旋風を巻き起こしているアマゾンに、ある疑いが生じたのです。公正取引委員会は15日、アマゾンジャパンが商品を仕入れている日用品や食品などのメーカーや卸売業者に対して、値引きして販売した商品の値引き分を補填するよう要求していた疑いがあるとして立ち入り検査を行いました。
「去年の秋ごろアマゾンから 『値引き分の負担をしてほしい』と言われた」(大手食品メーカー)
ある大手食品メーカーの関係者によりますと、アマゾンでは他のショッピングサイトで同じ商品がより安く売られていた場合、その価格になるよう値引きして販売されることがあるといいます。そして、アマゾンは、この値引き分をメーカー側が補填するよう、要求していたというのです。実際に求めに応じて、値引き分を補填した業者もいると話します。
「利益率の高い商品を扱う取引業者は、要求に応じる余地があるのかもしれないが、我々みたいに薄利の食品を扱うメーカーにとっては厳しい」 (大手食品メーカー)
「厳しい」と言いながらも一部の取引業者が要求に応じた理由、それは・・・
「大口の顧客を失うのではないかという危機感があり要求をのんだ。選別され、サイトに表示されなくなるなど、フィルターをかけられる恐れもあった」(大手食品メーカー)
公正取引委員会は、こうした要求が、取引先よりも優位な立場にあることを利用して、相手に金銭など経済上の利益を不当に提供させることを禁じた独占禁止法に違反する可能性があるとみています。
JNNの取材に対し、アマゾンジャパンは「審査には全面的に協力しております」とコメントしています。