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不正・事件・犯罪 週刊現代

20代女性と早朝ゴルフで「暴走ひき殺し」超有名弁護士・78歳の転落

この後、彼は一体どうなるのか

高齢ドライバーによる重大事故が社会問題となっているなかで、超有名弁護士が加害者となった。自分の体力と頭脳によほど自信があったのだろうが、その慢心が人生の晩節を汚すことになった――。

事故直後なのに横柄

「家族3人で2階の部屋で寝ていたところ、震度7の直下型地震が来たかと思うくらいドーンと下から突き上げられた。すぐに妻と子供の上に覆い被さり、次の揺れに備えました。

ところが、次の揺れが来ない。『あれ、おかしいな』と思い、裏口から外に出ました。そこから表通りに回ると、1階にある店舗に車が突っ込んでいたんです」

事故現場となった金物店の店主・佐藤伸弘さんは困惑した表情でそう明かす。2月18日日曜、午前7時すぎ。東京・白金にある北里通り商店街に轟音が響き渡った。

高級車が暴走し、対向車線の歩道を歩いていた建築業の堀内貴之さん(37歳)をはねて、そのまま通り沿いの店に突っ込んだのだ。全身を強く打った堀内さんは死亡。堀内さんは現場近くの病院に入院中で、買い物に行くために外出していた。

 

車を運転していたのは、弁護士の石川達紘氏(78歳)。東京地検特捜部長を務め、かつて「特捜のエース」と呼ばれた法曹界の超大物である。

前出の店主・佐藤さんが続ける。

「凄惨な現場でした。被害者の方は内臓が身体の外に出てしまっていた。加害者は額から血を流していましたが、これほどの事故にしては出血が少ないと感じました。高級車だったからなのでしょうか。

商店街の他の目撃者が彼に声をかけたら、すごく横柄な態度で『早くここ(車内)から出してくれ』と言われたそうです。被害者が亡くなった認識があったのかは不明ですが、その態度はどうかと思いました」

事故を起こす直前、石川氏が運転する車は交差点近くに停車していた。そこで女性と待ち合わせしていたのだ。

石川氏が運転席からトランクを開け、女性が荷物を積み込もうとしたところ、車は急発進。300~400mほどの直線を猛スピードで走行したあげく、ハンドルが右に切られてガードレールを乗り越えて歩道に突っ込んだ。

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路上にブレーキ痕はなく、アクセルをずっと踏んだままだったと思われる。前出の佐藤さんはこう明かす。

「私は加害者と待ち合わせていた女性に話しかけて、事情を聞いたんです。

すると、『ゴルフに行くために、迎えに来てもらったんです。トランクが開いたのでゴルフバッグを積もうとしたら、いきなり車が発進してしまいました。私は追いかけたのですが、車が家に突っ込んでいて……』と声を詰まらせました。

女性は髪が長くて、20代半ばのきれいな人でしたね。

事故の後、加害者と同じ法律事務所の弁護士から電話がありました。『月曜日に保険会社から連絡させます』ということでしたが、私は『保険会社がどうのこうのではなく、人が亡くなっているんだから、まずはあなたが花を手向けに来られないのか』と怒りましたよ」

佐藤さんの自宅兼店舗は、1階部分が全壊状態で柱も損傷し、2階部分が下に落ちてしまっている状態。いまは住むこともできなくなっている。