さすがみかん県というべきか
ガイドブックに頼らずに、地元の人にお薦めの場所を聞いて周る旅はたのしい。
どんなところにたどりつくか分からないドキドキと、地元の人しか知らないような情報が得られて嬉しいからだ。 今回やってきたのは、みかんと夏目漱石の小説「坊ちゃん」の舞台で有名な愛媛県松山市。 いったいどんな旅になるのだろうか。 ※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。 愛知編:名鉄のナナちゃん人形の股を覗いてはいけない 鳥取編:まさか鳥取でうどんを食べるとは 滋賀編:彦根の心霊スポットが本気で怖い 宮城編:冷やし中華の元祖店では具を自分で乗せる 神奈川編:小田原にはトリックアートみたいな不思議な景色がある 佐賀編:佐賀には深夜23時から開く甘味処がある 静岡編:浜松で一番人気なのは小さな絵本屋さんだった 福岡編:福岡では70歳のおじいちゃんが作るハンバーガーを食べるべし 石川編:金沢ではニンニクたっぷりのステーキに気をつけろ!
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好物は酸っぱいもの全般とイクラ。ペットは犬2匹と睡魔。土日で40時間寝てしまったりするので日々の目標は「あまり寝過ぎない」
前の記事:「福岡で知名度No.1のラブホ「チャペルココナッツ」のメニューが凄い!」 人気記事:「「コーラと同じ量の砂糖が入った水は飲めたもんじゃない」は本当か」 > 個人サイト twitter レンタルバイク屋さんからスタート松山にやってきた。いつもは主要な駅から旅を始めるのだけど、今回は原付を借りたバイク屋さんからスタートすることにした。
2月中旬だけど着こめば原付でも気持ちいい気候
バイクハウス阿部さんで受付をしてくれた女性に、さっそくお薦めを聞いてみる。すると、「すごく近所でもいいの?」と近くのコンビニに連れて行ってくれた。
お薦めスポット1:デイリーヤマザキの焼きたてパン説明で分かる距離なのだけど一緒に行ってくれた。優しい
なんでもここの松山松江町店さんでは、お店で焼いたパンを並べているそうだ。確かに入ってみると一角がパン屋さんのようになっている。
地元の人に好評らしく、近くのホームセンターや松山空港でも販売しているそうだ。 中でもお薦めのメロンパンと塩パン。コーヒーはバイク屋さんがサービスしてくれた。
衣がサクサクで中がしっとりと甘いメロンパンに、フンワリとしていて塩味がきいた塩パン。めちゃくちゃ相性がいい。そういえば塩パンのブーム発祥は愛媛だ。さっそく地元の味にありつけてラッキーである。
お薦めスポット2:創作餅菓子工房「もち平」の苺大福次に向かったのは、アイテムえひめという会場で毎年行われている「農林水産まつり」。そこで松山で有名な苺大福が売られているという。
松山の美味しいものが集まる、年に一回のお祭り。
LLサイズの苺が入った白あん大福(200円)をゲット。
いつもは松山市中央卸売市場で売られている人気の苺大福が出張しにきているのだ。ちょうど手のひらを丸めた位の大きさでズッシリしている。これは旅のお供にピッタリだ!
そしてやっぱりみかんに目がいく。品種改良が盛んでいろんな種類があるのだ。
野菜やカマボコなど色んなお店が出ていたけど、やはりみかんを売っているコーナーはひと際華やかで目がとまった。試食もあるし、東京で買うより断然安い。
ちょっと面白い品種のみかん(6個200円)があったので買ってみる。ついでにお兄さんから情報ゲット。
苺大福1粒とみかん一袋が同じ値段ということに驚きながら次の場所へ向かった。それは海沿いにある「梅津寺(ばいしんじ)」という駅である。
最初、間違えて梅津寺というお寺に行ったが、目的のものは駅にあることが判明。
愛媛には海沿いに駅が多くあるのだけど、梅津寺駅もそのひとつ。みかんを彷彿とさせる色の伊予鉄道の電車が青い美しい海に映えて、景観がものすごくいい。
お薦めスポット3:恋のプラットフォームホームに目的のものがあった!
ここは、90年代に流行ったドラマ「東京ラブストーリー」のロケ地だった所だ。織田裕二演じるカンチの地元が愛媛県で、そこにやってきていた鈴木保奈美演じるリカが別れの目印にハンカチを結ぶ切ないシーンの現場である。
薄くて読みにくいが「バイバイ カンチ」と書かれている。
当時は同じようにハンカチがたくさん結わってあり「恋のプラットホーム」とも呼ばれていたそうだ。風にたなびく姿が切なくていい。
恋の余韻に浸る私。
ウォーキング大会で近くを歩いていた方に声をかける。すぐ近くの公民館の館長さんだそうだ。
そのまま海沿いを北上。優しい青のグラデーションをなす海、島、空を眺めながらバイクを走らすのは最高に気持ちがいい。
また調子に乗ってたら行き過ぎて、戻る。
バイクごとフェリーに乗って島に渡る。
次の目的地は、興居島(ごごしま)という有人島だ。梅津寺駅の次の高浜駅からすぐ近くにフェリー乗り場があり、徒歩でも車でも乗船できる。
私はバイクごと船に乗るというのが初体験でキョロキョロした。船の端っこに停めて、肌寒いけれど甲板に座り、きれいな瀬戸内海を眺めた。 なんてきれいなんだ!
瀬戸内海には数えきれないほどの島が浮かんでいる。そのうえ岩礁(海水中に隠れている岩)もたくさんあり、干満による高低差で見える数が違う。そのため船の操縦は地形に詳しくないととても危険なのだそうだ。
フェリーで働くお兄さんにも教えてもらう。
さて、興居島についたら必ず訪れるべき所があるようだ。
お薦めスポット4:恋人岬からの眺めシンプルな目印がいい。
その名前から、最近あちこちにある浮かれたスポットかと思ったら、一度見逃してしまったほどシンプルな、木でできた目印があるのみだった。
そこからの松山の中心地への眺めは、バイク屋の女性と旦那さん、そしてフェリー乗り場のお兄さんお薦めの場所なのである。 ロマンティックです!
小腹がすいたので苺大福と、「ひめルビー」という不思議な色のみかんを食べる。最高!
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