揺れで「気持ち悪くなる」振り子式あずさ引退

16日午後8時新宿発松本行きがラストランに

16日で引退する「E351系」(2日、山梨県北杜市で)

鉄道ファンの間で「振り子式特急」として親しまれたJR中央線の特急「スーパーあずさ」に使われた車両「E351系」がほぼ四半世紀にわたる役目を終え、17日のダイヤ改正に伴い引退する。

カーブの多い中央線をスピードを落とさずに走るのが特徴だったが、揺れが大きいことから乗客の不満も多く、揺れの小さな新型車両に代わることになった。16日午後8時新宿発松本行きが、ラストランになる。

E351系は、カーブで車体を内側に最大5度傾け、バランスを取ることでスピードを維持する「制御付き自然振り子式構造」で、JR東日本が1993年12月に導入した。重心を低くするために車体上部の幅を狭めたため、正面からは卵形に見えた。同社によると、新宿―松本間は16分短くなり、現在は最短2時間25分で結んでいる。

ただ、カーブ通過時の車体の揺れが大きく、乗客から「気持ち悪くなる」という声が上がっていたうえ、車両の老朽化も進んでいた。

E351系を運転した甲府運輸区助役の村松一人(かずひと)さん(59)は「カーブで5度傾くだけでも相当な傾きに感じて驚いた」と振り返り、「今年で定年退職する。試運転から関わったE351系の最後を見送ることができて幸せです」と話した。

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