「車いすの物理学者」として知られる英国の理論物理学者スティーブン・ホーキング博士が76歳で亡くなったと、英BBCなどが3月14日に報じた。
ホーキング博士はブラックホールの理論的研究で有名で、現代の宇宙論分野を形成した第一人者だった。
21歳の時に筋肉の萎縮と筋力低下を来たす神経変性疾患である「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)を発症し、車いすでの生活を送っていた。
ホーキング博士は英国オックスフォードで1942年に生まれた。オックスフォード大学卒業後、1962年にケンブリッジ大学大学院応用数学・理論物理学科に入学。翌年1963年にALSと診断された。1965年に「Properties of Expanding Universes」(拡張する宇宙の性質)と題した論文で博士号を取得。「Singularities and the Geometry of Space-time」(特異点と時空の幾何学)の執筆で1966年にアダムス賞を受賞した。
「時空はビックバンで始まり、ブラックホールで終わりを迎える」ことをアインシュタインの一般相対性理論が示唆するということを、ロジャー・ペンローズとともに1970年に示した。この結果から一般相対性理論と量子論を統一する必要性を見いだし、その1つの成果として1974年には「ブラックホールは完全な黒ではなく、“ある”放射線を発しており、結果としてブラックホールは蒸発し消滅する」という「ブラックホールの蒸発理論」を発表した。この放射は本人の名前を取り「ホーキング放射」と名付けられている。
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