株式上昇相場が覆い隠す不都合な真実-投資家はレバレッジを嫌う
Dani Burger-
高レバレッジの米企業で構成する指数、5四半期連続下落へ向かう
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レベルより方向変化に市場は反応する傾向-アクシオマのブラウン氏
ここ1年の株式相場の上昇持続が不都合な真実を覆い隠している。それは一段の金融引き締めが迫る中で投資家が企業の負債を懸念しているということだ。
マーケットニュートラル型のブルームバーグの指数によると、レバレッジの高い米国企業に賭ける集中型ポートフォリオはこのままいくと5四半期連続の下落となり、2009年以来最も長いマイナス局面になる。脆弱(ぜいじゃく)なバランスシートを抱える欧州株も同じような動きで、年初からマイナスを積み上げている。
リサーチ・アフィリエーツのチーフ・エクイティ・アナリスト、ビタリ・カレスニク氏は「10年債と15年債の利回りが上昇すれば、またはそれが30年債であったとしても、企業はより多くの利子を支払わなければならなくなり、借り換えが一層難しくなるだろう」と語った。
1840銘柄で構成されるこの指数は、手元資金が豊富な大型株の押し上げる力によって救われることはない。一方、レバレッジファクターは借り換えコストの上昇を巡る懸念に引きずられている。
リスク管理やポートフォリオ作成ツールを提供するアクシオマの応用リサーチ担当マネジングディレクター、メリッサ・ブラウン氏は「過去12カ月間のレバレッジファクターは異例のマイナスで、3または4標準偏差イベント」と説明した上で、「市場はレベルよりも方向の変化に反応する傾向がある。これこそわれわれが現在目の当たりにしているマイナスリターンの主な要因だと思う」と語った。
他のファクターと比較するとその違いは明らかだ。モメンタムやグロースのようなファクターは過去1年の大半でプラス圏を維持している。ブルームバーグが追跡する10ファクターのうち、2月はレバレッジが最も大きく低下した。
原題:Quant Strategy Shows Investors Hate Leverage Like It’s 2009(抜粋)