「ザ・クラウン」主演のクレア・フォイさん、夫役俳優より出演料低く

「ザ・クラウン」はエリザベス女王の半生を描く Image copyright Netflix
Image caption 「ザ・クラウン」はエリザベス女王の半生を描く

動画配信大手の米ネットフリックスが手がける連続ドラマ「ザ・クラウン」(2016年)で主役の英女王エリザベス2世を演じたクレア・フォイさんの出演料が、エリザベス女王の夫、エジンバラ公フィリップ殿下を演じたマット・スミスさんより低かったことが明らかになった。映画・テレビドラマ業界での新たな男女賃金格差が発覚した格好だ。

クレアさんはこの役でゴールデングローブ賞のテレビドラマ部門女優賞(ドラマ部門)を受賞している。しかし、米エンターテインメント専門誌バラエティーによると、「ザ・クラウン」のプロデューサーはスミスさんの出演料については、BBCドラマ「ドクター・フー」での主演実績が決定打だったと話した。

フォイさんは同作品の第1シリーズと第2シリーズで、1950年代と60年代のエリザベス女王を演じた。フォイさんの出演料は1シリーズにつき4万ドルと報じられている。一方、スミスさんの出演料は明らかになっていない。

フォイさんはBBCドラマ「ウルフ・ホール」(2015年)にも出演している。

クレア・フォイさん(左)とマット・スミスさん(右) Image copyright Reuters
Image caption クレア・フォイさん(左)とマット・スミスさん(右)

1970年代を描く第3シーズンでは、エリザベス女王役がオリビア・コールマンさんに代わる予定。フィリップ殿下役も交代するという。

「ザ・クラウン」の共同プロデューサー、スザンヌ・マッキーさんはエルサレムで行われたテレビ業界の集まりで、賃金格差は今後、是正されることになると語った。

バラエティ誌によると、マッキーさんは「これ以降、女王より多く稼ぐ人はいなくなります」と述べたという。

「ザ・クラウン」の制作費は第1シーズンだけでも1億3000万ドルに上り、制作費が特に高いテレビ番組のひとつとなっている。

「ゲティ家の身代金」の撮り直しでウォールバーグさん(左)は150万ドルを支払われたが、ウィリアムズさんの出演料は1日当たり80ドルだった Image copyright Getty Images
Image caption 「ゲティ家の身代金」の撮り直しでウォールバーグさん(左)は150万ドルを支払われたが、ウィリアムズさんの出演料は1日当たり80ドルだった

エンターテインメント業界の男女賃金格差は、米誌フォーブスが毎年発表している長者番付にも反映されている。

2017年の長者番付で女優部門の1位となったエマ・ストーンさんの年間出演料は2600万ドルだったが、男性俳優部門首位のマーク・ウォールバーグさんは6800万ドルだった。

ウォールバーグさんは、ケヴィン・スペイシー氏降板によって撮り直しが急きょが決まった「ゲティ家の身代金(原題 All The Money In The World)」で、撮り直し分について150万ドルを支払われたが、共演のミシェル・ウィリアムズさんの出演料は1000ドルだった。

ウォールバーグさんはその後、セクハラ被害者向け法的支援の基金「Time's Up(もう時間切れ)」に出演料の全額を寄付している

(英語記事 The Crown's Claire Foy paid less than Matt Smith

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