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愛知新城の読書会、17年かけ源氏物語読破 20日に講座最終回
新城市内の女性たちでつくる「新城たんぽぽ読書会」は二十日、源氏物語を読み解く自主講座の最終回を迎える。原文を収録した全十巻の文庫版を十七年かけて読み終えることになる。会長の今泉幸子さん(77)は「長くて難解な作品でしたけど、講師の先生と仲間がいたから続けられました」と充実感をにじませている。 四十五年の歴史がある読書会が源氏物語を扱いだしたのは二〇〇一年から。高校で国語を教えた元教諭たちを講師に招き、第二、四火曜に一時間半、新城文化会館で講座を開いてきた。 「学校の授業のように文法を丁寧に学ぶのではなく、先生に文章の意味を教えてもらうのが中心です」と今泉さん。「最初は『十巻あるから十年で読もう』と呼び掛けていましたが、話が途中で脱線することも多くて、十七年になってしまいました」と笑う。 現在の会員は六十~七十代の十三人で、自主講座を初回から受講するのは六人。そのうちの一人でもある今泉さんは「みんな、本が好きですし、気軽に学べる空気も良かったと思います」と語る。 源氏物語に描かれるのは、嫉妬や不倫などを含めた複雑な恋愛模様だ。「年を取るにつれ、受け止め方が変わるんだと実感したし、現代に通じるものもあると分かりました。読み始めた頃から十七も年を取ってしまったので、どう生かすかが問題ですが」 自主講座の最終回に先駆け、これまでの歩みなどを題材にした冊子をまとめた。十三日には記念の公開講座を開き、豊橋市出身で京都市在住の能面師、北沢美白さん(31)の講演「能にえがかれた源氏物語」に百十人が耳を傾けた。 一週間後に節目を迎えた後には、松尾芭蕉の門人で新城出身の俳人、太田白雪が編集した俳句集「三河小町」の講座を始める。今泉さんは「源氏物語が世界に誇る長編小説なら、三河小町は新城が県外に自慢できる作品。今度は足元をしっかり固める意識で読んでいきたいですね」と話している。 (榊原崇仁) 今、あなたにオススメ
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