学歴や肩書にこだわる日本人の残念な選別眼

「何者か」よりも「何ができるか」が大事だ

一流大学や一流企業出身だからといって役に立つとは限りません(写真:bee32/iStock)
3月に入り、いよいよ本格的にスタートした就職活動。さまざまな業界で人材不足が問題視され、「超売り手市場」と言われている日本国内の一方、目を海外に向けると、企業側が求める人材像に少なからず存在する「ギャップ」が浮かび上がってきます。
『全米No.1バンカーが教える最強の気くばり』の著者、酒井レオ氏が日本と欧米の間にある「就職で問われる資質の違い」を指摘します。

「What do you do?」か「What are you?」か

欧米のビジネスの場では、初対面の相手に英語で素性を尋ねる際に、「What do you do?」という質問の仕方をよくします。一方、日本では多くの場合、「What are you?」という聞き方をします。

両方とも日本語に訳せば「あなたは何をされているのですか?」になりますが、実際の2つの意味はまったく異なります。

「What do you do?」は「あなたはどんな行動をして、どんなパフォーマンスをあげていますか?」という意味です。つまり、「人にどんな価値を提供できるのか」という可能性を聞いています。

一方の「What are you?」は、肩書を聞いています。「どんな会社のどんな部署で、どんな役職についていますか?」といったニュアンスでしょうか。要は「何者か」というスペックを聞いているわけです。

日本では圧倒的に後者のパターンが多いのですが、私は「これからビジネスの場で結果を残していくためには『What are you?』ではなく『What do you do?』の視点で物事を見る姿勢を大切にしましょう」と、いつも口酸っぱく伝えています。

なぜなら「What are you?」の場合、仮に「私は〇〇会社で役員をやっています」などと答えたとして、相手が〇〇会社を知らなければ、そこで話が終わってしまうからです。

これが「What do you do?」であれば、「銀行で融資案件の新規開拓の営業をして、全米1位の成績をあげました」と答えれば、その先、話がどんどん展開していきます。

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  • NO NAME13484c3022c5
    肩書きよりも何が出来るかが大事、という点は共感します。ですが記事を書くには少々調査不足ではないでしょうか。
    米国と日本では大学受験そのものが異質です。わかりやすく言うと、米国は大学に入った後が大変なのに対し、日本は大学に入るまでが大変です。出身大学にこだわるのは、日本が大学受験に重きを置き過ぎている故だと思います。記者さんは偏差値を軽んじているようにも見受けましたが、偏差値の高い大学に普通に入ろうと思えば大変な努力が必要です。
    大学に入った後からが本番なんだよと言えば済む話ではないのでしょうか?
    わざわざ欧米を引き合いに出すと、欧米大好き!日本嫌い!という偏見が大元にあるように思われてしまいます。
    up98
    down28
    2018/3/14 09:14
  • NO NAMEd6adab7e8aa0
    会社は、高学歴の方が能力が高い「確率」が高いことを知っているから、学歴を「一次的に」見てるだけでは。学歴が高い人に役に立たないことがあるのは当たり前で、その割合がどの程度異なるかの問題。
    「〇〇研究室にいたから、〇〇が得意で会社にメリットがある」という特別職の会社のニーズを満たす場合はともかく、一般的なサラリーマンの仕事である事務的な仕事では、学歴を見た方が「人事コスト」が安いんだから、学歴を大きな考慮要素とするのは、会社にとって合理的。
    up67
    down21
    2018/3/14 09:15
  • NO NAME4fbde0c5a89d
    そういえば、年齢や性別にこだわるのも日本だけだな。

    あ、韓国もか。
    up36
    down3
    2018/3/14 09:09
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