僕はそれなりにネット歴が長いので、ネットバトル的なものも経験してきています。
『はてな』の世界では、「お前、俺を批判する記事をブックマークしただろ!」と怒鳴り込んでくる人もいたし、ブックマークコメントにデマを撒き散らす人もいたし、Aさんを批判するBさんのコメントに「はてなスター」をつけましたよね、と言う人もいました。
あれは『はてな』の濃密な人間関係というか、相互監視文化みたいなものだよなあ。
そこまで追跡されているのか……という怖さとともに、そういうめんどくさい事態を引き起こすような脇の甘い行動には注意しなければ、と今は思っているのです。
僕への罵詈雑言コメントにスターをつけた人とか、やっぱり気にならないといえば噓になるのですが、確認しても憂鬱になるばかりなので、頑張ってスルーしています。自分のエントリに対するブックマークコメントもなるべく読まないようにしているし。
わざわざ、「自分のことを嫌いな人」を探しに行っても、気が滅入るばかりです。
コメント欄も、直接僕を批判するのは致し方ないのだけれど、僕を擁護してくれた人が叩かれる、というような事態だと、どうしていいのかわからなくなるので、長年使っていません。
エントリの内容とは関係ない、自分の主張を延々と書きこみ続ける人とかもいて。
ほんと、個人ブログでコメント欄を開放している人って、減りましたよね
これを読んで僕が感じたのは、よくも悪くも、日本を代表するマスメディアである『朝日新聞』のネット版『朝日新聞デジタル』が、こんなことを記事にする時代になったのか、ということでした。
僕は昭恵さんを支持しているわけではありませんが、「いいね!」を押すのって、ここまで重い行為になってしまっているのか、と驚いたのです。
「いいね!」って、全面的な賛意として使われるとは限らない。
書き込んでくれてありがとう、というような軽いお礼のつもりで使う人もいるし、書き込んだ人のなかには「自分の投稿には『いいね!』がついていない」と機嫌を損ねる人もいる。
Facebookには「部分的にはいいね!」とか「ちょっと反応に困ります」というボタンがあるわけじゃないですし。
経緯はどうあれ、自分のことを励ましてくれていると感じたので、「いいね!」を押したのかもしれないし、書き込みが多くなると、いちいちコメントの内容は確認せずに「いいね!」を返信代わりに押す人もいます。
『はてなブックマーク』で、ブックマークした記事のすべてに「同意」しているわけではないのと同じだと思うのだけど。
この記事に反応している人たちは、みんな、そこまで「いいね!」を押すときに、細心の注意を払っているのだろうか。
有名人だから、公人だから気をつけるべきだ、というのは理解できるのだけれど、朝日新聞という大メディアであればなおさら、こういう記事で誰かを批判することには慎重になるべきです。
この記事のタイトルは、【「昭恵氏、「野党のバカげた質問ばかり」に「いいね!」】なのですが、詳しく読んでみると、
投稿があったのは11日夜。この投稿主は「野党のバカげた質問」と記すと同時に、「与党とか野党とかそんなケチなことを言わず、これからは皆のために、物の本質を見た政策、制度をどんどん実現すべき」とも書き込み、学費や医療費の無料化などに取り組むべきだと主張していた。
とあるんですよね。
「野党云々」ではなくて、こちらの部分に対して、「いいね!」だった可能性もありそうです。
そういえば、こんな炎上騒ぎもありましたよね。
matome.naver.jp
自ら炎上するようなことを書かなくても、他者の投稿に「いいね」をつけたり、リツイートしただけで、責任を問われる時代がやってきているのです。
朝日新聞は、こういう事例こそ、ちゃんと取材をして、昭恵さん側の見解を確認すべきじゃないの? これ、無記名記事だし。
自分たちにとって都合の良い部分だけをピックアップして、相手の言い分も聞かずに「吊るし上げ」する大メディアと、その尻馬に乗って「叩けるものを叩くだけ」の人々が「世論」をつくるのって、怖くないですか?
インターネットには、いろんな人の多面性が「可視化」されたというメリットがあるのは間違いありません。
誤解に対して、自分の言葉で直接説明する機会もできたことを考えると、プラスの面も大きい。
この記事に対しても、日頃、上司のエントリに義理で「いいね!」をつけている人たちは、「有名人って、こんなことでも叩かれるのか……」と少し同情しているのではなかろうか。
そういう人たちの多くは、あえてコメントを書くことはないだろうけど。
個人的には、朝日新聞って、ここまで酷くなっているのか……と呆れました。
『はてな』のネットウォッチャーたちのほうが、よっぽど良い仕事してるよ、本当に。
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