設備撤去の義務化、設備撤去費用値上げに工事費の分割払い回数の倍増――KDDIの戸建て住宅向け光インターネットサービス「auひかり ホーム」の提供条件変更が、ネット上で物議を醸している。
同サービスは中部・関西・沖縄エリア以外で提供されている。3月1日からは、関東エリアの1都3県の一部で最大10Gbps(理論値)で通信できる「auひかり ホーム 10ギガ」と、最大5Gbps(同)で通信できる「auひかり ホーム 5ギガ」の提供も始まった。
しかし、新サービスの開始日である3月1日、同日以降の新規契約者を対象に冒頭に挙げたサービス「改定」が行われたのだ。
具体的にどのような変更が行われたのか。詳しく見ていこう。
(記事中の費用は全て税別)
引っ越しや乗り換えなどの理由でauひかり ホームを解約すると、宅内への引き込み線や光回線と機器の接続を行う「光コンセント」は基本的に不要となる。
従来、これらの設備の撤去は任意で、撤去を希望する場合の撤去費用は1万円だった。
ところが、3月1日以降の新規契約者が解約する場合、設備の撤去が必須となった上、撤去費用が2万8800円に値上げされた。工事を拒否して撤去しなかった場合は「賠償金」も請求するという。
使わなくなる設備にも維持費はかかるため、撤去を義務化することはある程度理解できる。しかし、撤去費用が一気に2.88倍に値上げされた理由と「賠償金」については合理的な説明が必要だ。
光ファイバーを宅内へ直接引き込むホームタイプのサービスは、工事に手間と費用がかかる。そのため、一般的に工事費を「分割払い」できるようにしている。
auひかり ホームの場合、標準工事費は3万7500円となっている。これを分割払いする場合、従来は「1250円×30回」という設定だったが、3月1日以降の新規契約者は「625円×60回」という設定に変わった。支払い総額は変わらないものの、支払期間が「2年半」から「5年間」に延ばされたのである。
auひかり ホームの契約期間は「なし(標準プラン)」「2年(ギガ得プラン)」「3年(ずっとギガ得プラン)」の3種類が設定されている。契約期間と支払い期間の整合性を確保するために分割回数を調整するならともかく、契約期間と支払い期間の「ズレ」を残したまま、支払い期間だけを延長した理由は知りたいところだ。
※ 5ギガプランと10ギガプランについては、上記の契約期間とは別に12カ月間の「プラン最低利用期間」が設定されている
あくまでも、今回の改定は戸建て住宅向けプランの新規契約者が対象。2月28日までに契約したユーザーや集合住宅向けの「auひかり マンション」の新規契約者は対象外となる。
現在、本件に関連してKDDI広報部に以下の点を問い合わせている。
回答が到着次第、別記事でお伝えする予定だ。
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