ニッピ株主総会

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ニッピ(7932)の定時株主総会に出席しました。


緑に囲まれた本社
バブリンの気ままな投資・グルメ生活

総会前会場の風景
バブリンの気ままな投資・グルメ生活

昨年に引続き2度目の総会出席です。

少しは変わったかなぁと期待しましたが・・・全く変わっていないですね。


旧大倉財閥グループの毛並みの良さなのでしょうか、とにかくのんびりとした社風のようです。

ご覧の通り小さな会場で参加者は多くありませんが、相変わらず最前列を初めグループ会社社員と思われる準社内株主が一般の株主を包囲。

なぜグループ会社社員ってわかるの?・・・そりゃースーツ姿の人たちが会場内のあちこちで挨拶しまくって談笑してれば誰でもわかるでしょう。

どう見ても気心の知れた間柄の皆さん、詰めの甘い会社です。

大体午前10時に出席できる株主はスーツなど着て来ないのです。

この光景は他の総会では見られないニッピだけで見られる光景です。


さて、肝心の総会の方ですが・・・。

議長である社長さんはとにかく早く終わらせたいモード、昨年同様挨拶もそこそこに、さっそくスライドと音声任せの前期業績を報告。

そして決議の前に質疑タイム。

今回はグループ社員のしょーもない質問だけで終わらず、ある個人株主の方が声を震わせながらも頑張って経営陣に対して大いに苦言。


内容を要約すると・・・利益が前期の3倍以上まで膨らんだにも関わらず、全く増配がなかったのはあまりに酷い。(ちなみに1株当たりの当期利益193円に対し配当はたった7円に据え置き、配当性向3.6%)

配当だけでなくその他、同社の株主軽視は甚だしいが経営陣は一体どのように考えているか・・・というもの。(個人的にも全く同感、今期増配しなかったら一体いつするの?)

その他個人株主からも『その通り!』と声が上がりましたが、周りのグループ社員たちから『議事進行!』の連呼でこれ以上質問はさせないという雰囲気に。昨年もそうでしたが、一体いつの時代の株主総会でしょうか?

株主との対話など全く望めそうもない雰囲気は相変わらずです。


ところで2年連続でニッピの株主総会に出席してわかりましたが・・・。

どうやらこの会社は経営陣の資質に疑問がありますね。

この日も個人株主のある本当にシンプルな質問に対し、社長に『それは担当の役員から説明します』と振られた不動産担当の常務さん。

何と、『すみません聞いてませんでした、もう一度お願いします』・・・って大事な総会で株主の質問を聞いていない・・・こんなの初めて見ましたし思わず吹き出しそうになりました。

そもそも社長が担当役員に振るほどの質問?部外者の私でさえも簡単に答えられる内容なんですよ。


そして個人攻撃のようで大変心苦しいのですが、私から見た最大の懸念はやはりこの社長。

この総会での振る舞いを見る限り、この社長、ニッピの社長でありながら、実はニッピのことをほとんど知らないお飾り社長と確信できます。

常に発言は文書の棒読み、何と国会で官僚が国会議員にするように、必要に応じて後ろに控えた幹部がやたらメモを社長に渡すのですが、それもただ棒読み、株主からの質問や苦言に対してもまともに答えられず、渡されたメモを棒読みなのでピント外れで全く回答にならず・・・まるで国会中継の田中前防衛相を見ているようでした。


たぶんこの方は旧大倉グループの親族か重鎮の1人で、決して経営力や指導力が買われたというのではなく、あくまで大倉グループの象徴、名誉職として送り込まれた人物では?

それに社長がいくらグループ会社とはいえ、ニッピ以外にも11社もの役員を兼任、これではニッピの経営に専念できませんよね。

不可解な配当政策やその他の株主還元、前近代的な社員株主による一般株主包囲、更に社長や一部役員の緊張感や誠実さのない振る舞い・・・株主をここまで舐めている会社も珍しいです。

株主を大切にしないばかりか、やることといえば敵対的な買収対応策の強化ばかり。

まぁ膨大な資産を抱えているので仕方ないのかもしれませんが。


ただトップは別として、ニッピ自体はとても潜在能力のある会社。

膨大な不動産資産を現在再開発中、主力のケーシングは世界的な品薄、コラーゲン・ゼラチンも健康ブーム、海外食材部門も円高がプラス・・・とほぼ各事業部門で追い風が吹いてまさに業績は絶好調。

確かに競争も厳しくなっているようですが、それでもこの波にうまく乗れているのは、やはり同社のトップではなく現場スタッフが優秀だからでしょう。

この経済状況でスタッフの方々は本当に頑張ったと思います。


あくまで個人的な結論として、現状のニッピは企業としての潜在能力の高さと、トップの潜在能力の低さがコラボした不思議な企業。

今後同社のトップ初め経営陣の世代交代が行われ、会社の成長モードを掲げる若い世代が経営陣になった時、この会社はきっと大変貌を遂げると期待しています。


実は個人的にニッピ株は保有銘柄でも最も期待している投資先。

同社の株主として、そしてニッピコラーゲン100の継続愛飲者として、まぁ現状株主軽視の傾向だとしても、今後もしっかりニッピを応援していきたいと思っています。


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