<個人情報>患者2961人分紛失 名大と大垣市民病院

3月13日(火)21時29分 毎日新聞


 名古屋大は13日、医学部付属病院の男性研究生(33)が東京都内でカバンを盗まれ、中のノートパソコンやUSBメモリーに入れていた同病院と以前勤務した岐阜県の大垣市民病院の患者計2961人分の個人情報を紛失したと発表した。今のところ不正利用の報告はないという。


 同大によると、研究生は先月25日、都内で勉強会に出席後、ゲームセンターで遊んでいて足元に置いたカバンを盗まれたという。研究生は同日、警察に被害届を出した。


 研究生は昨年3月まで大垣市民病院に常勤医として勤務し、現在は週2日、名大病院で診療もしていた。紛失した個人情報は大垣で主治医を務めた心臓病患者など1422人分と、名大でカテーテル治療を受けた不整脈患者など1539人分。いずれも氏名や生年月日、病歴、血液検査結果、手術後の経過などのデータを含むという。


 両病院によると、研究生は専門医の試験や論文執筆のため、データを管理する医師の許可を得てコピーした。その際、氏名などを消す匿名化をしていなかった。名大は学外持ち出しや私用パソコンへのコピー禁止、大垣でも指定USB以外の使用を禁じる内規があったが、研究生はこれにも従わず、USBメモリーにはパスワードの設定もされていなかった。同大の調査に対し「軽率だった」と話しているという。


 名大病院では今年1月にも、医師が患者3人の個人情報が書かれた書類を紛失したばかり。石黒直樹病院長は「申し開きの余地はない。組織をかけて意識改革していく」と陳謝した。【太田敦子】

毎日新聞

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