ゲームの決戦「eスポーツ」、若者が熱狂のワケ

本場韓国の専用施設で大会を観戦してみた

PCゲーム大手ネクソンが韓国・ソウルに設けたeスポーツ専用施設。迫力の大画面で対戦を見ながら、観客は盛り上がる(記者撮影)

Jリーグ、サイバーエージェント、吉本興業――。日本でもここ最近、さまざまな企業や団体が参入を発表しているのが、「eスポーツ」だ。ゲーム対戦をスポーツ競技として行う際に使われる名称のことで、野球やサッカーといった他のスポーツと同じように、トップ選手のプレイを観戦して楽しむ文化が広がってきている。

海外ではすでに人気競技として定着しつつある。eスポーツ調査会社newzooによると、2017年における世界のeスポーツファンの数は約1億6500万人に上るという。大会規模も年々大型化しており、優勝賞金1億円を超える大会も出てきている。

韓国のeスポーツ施設は満員御礼

そのeスポーツで”強豪国”として注目を集めているのが、韓国だ。月間ユーザー数1億人ともいわれるeスポーツ最有力タイトルの1つで、米ライオットゲームズが手掛ける対戦ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」の世界大会では、韓国勢が5連覇中だ。公開情報を基にeスポーツ大会の賞金をまとめたサイト「e-Sports Earnings」によると、出身国別の賞金獲得ランキングでは中国や米国に次ぐ3位につけている。

現地はどれほど盛り上がっているのか。PCゲーム大手のネクソンが韓国・ソウルで運営する、同国最大級のeスポーツ専用施設「ネクソンアリーナ」を訪れた。

ネクソンアリーナはゲーム競技の観戦が主目的。施設内やネット上の観客、テレビの視聴者が皆楽しめるよう、最新鋭の放送設備を備える(記者撮影)

ネクソンアリーナがあるのは、ソウル市内でも有数の繁華街である江南(カンナム)。大通りから1本奥の通りにあるビルの1階に入口があり、地下へ降りると試合会場が見えてくる。会場の正面には、横幅19メートル、縦6メートルのスクリーンが3つ。ここに選手のプレイするゲーム画面が表示され、それを囲む形で観戦者席が配置されていた。

2フロアで計437席ある観戦席は全席有料で、チケット価格は1000~4000ウォン(100~400円)ほど。以前は立ち見も可能だったが、「ある大会で1000人以上の観客が押し寄せて大混雑になったため廃止した」(ネクソンのキム・セファン・eスポーツチームマネージャー)。また、施設内には放送設備も完備されており、試合内容はネット上のほか、eスポーツ専門放送チャンネル「SPOTVゲームズ」でテレビ放送もされる。

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  • NO NAME0c4f92091d5a
    もう何年も前から「ゲーム実況」の生放送や有料ライブイベントが、一部の層にではあるが熱狂的に指示されてきたのを知っている方なら、そんなに驚きはしないと思う。

    流行に乗って稼げた者は良いが、それを目指した者がたどり着いた頃には廃れているというのはよくある話。

    up6
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    2018/3/13 09:45
  • NO NAME768c90e5d469
    ゲームも運動してるよ
    結局は認知の問題
    自分が認めてるかどうかが大事
    up3
    down1
    2018/3/13 10:44
  • NO NAMEcaf9f673b7ec
    日本で今一般に流行ってるゲームって、戦略や技量に関わる実力以外にお金や運や掛けた時間が勝敗に影響するものが多いと思う。
    そういう対戦相手同士の公平性がないゲームはe-sportsとしては落第だし、反対にe-sportsのゲームはスポーツとしての公平性を維持するために常に開発がゲームバランスを調整している。
    両者を「ゲーム」と一括りにするのをまず止めないといけないんじゃないかな?
    up1
    down0
    2018/3/13 16:32
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