ゲーマー日日新聞

ゲームという文化を、レビュー、攻略、考察、オピニオン、産業論、海外記事の翻訳など、複数の視点で考えるブログ。

今本当に問題なのはゲハブログより企業型ゲーム攻略サイト

 

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最近だとSNSに、「JINとかはちまをブロックしよう!アレ読んでるのはアホだけ!」みたいな言説をよく見る。正直私もそう思うし、何度か無断転載された上に言ってもない事を言ったことにされた経験が5回ぐらいあるので、心底排除されることを願っている。

けど今、こいつらより遥かに目障りなサイトがネットの海に溢れている。それが会社がライターに二束三文で記事を書かせるタイプの「企業運営型ゲーム攻略サイト」だ。正直はちまJINよりも、個人的には不快度が高い。

具体的に何が迷惑なのか、いくつかの理由に分けて説明する。

 

 

問題点1. 空白のページによる検索妨害

例えば、今私がプレイしている『モンスターハンターワールド』というタイトルの情報を検索するために、Googleに「MHW 攻略」と検索してみたとする。すると

(以下、画像はMHW発売から1週間~2週間後のもの)

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見慣れた光景が出てくる。

一番上に出てくる「モンハンワールド攻略レシピ」を除いて、全部企業運営のサイト(ゲームエイトは株式会社ゲームエイト、アルテマは株式会社エヌリンクス、GAMYはCyberZ、GameWithは株式会社GameWith)。

しかも中身を見ると殆どこんな状態。

 

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「最強武器」を決めるのに「???」とは一体?何故決めてもいないのにページだけ用意しているのだろうか。(Gamewith)

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このサイトは殆どが「調査中」で埋められている。(GAMY)

 

 

今、こんな北朝鮮のハリボテマンションのような攻略サイトが、検索エンジンでは常にトップに来るのだから、はた迷惑なことこの上ない。

少し情報を調べる度にこれらのサイトが引っかかり、エロサイト並に貼られた広告を掻い潜り、やっと読んだら「調査中」だった、という経験が一度や二度ある人は多いのではないだろうか。

ページだけ作り中身は書かずに放置する上に、こうしたハリボテページが検索エンジンのトップに来て、その下には真面目に更新しているサイトが埋まっている事が多々ある。ハリボテページは中身がないだけでなく、まともなサイトを探すユーザーに対する検索妨害になっている。

 

問題点2. 画像及び文章の組織的な剽窃

また、数日前には以下のように、無断転載が大きく問題視される事件があった。

togetter.com

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因みに元サイト

エデン - 北斗が如く 攻略Wiki : ヘイグ

【北斗が如く】エデンのマップとショップ・施設 - GameWith

(今は差し替え済み? Twitter等におけるこの件についての公式のアナウンスは見つからなかった)

 

 

当然というか、私が真面目に攻略記事書いてた時もフリー素材並にパクられてるのは知ってたので、それ自体は「いつものゲーム攻略サイトだな」って話なんだけど。

驚いたのは、ここでまとめられてる菱沼祐作という方は、「ヘイグ」という、これまたゲーム攻略サイトを管理されている方で。要するに、大手ゲーム攻略サイトが、似たような形のサイトから画像なり文章なり無断転載した上に、自分のものだとふんぞり返ってるらしい。

 

因みに同類の事件はいくらでも存在していて

Ga◯e8の場合

【悪質】Game8のライターにゲーム攻略ブログエントリと画像をパクられた | Lancork

など。

 

で、先程の問題と同様に、当然馬鹿みたいにSEOが強くて、平気でパクリ元より上にGoogle検索で出てくる。

パクられただけで腹立つが、パクリ元よりも上位に検索される上に、閲覧者も当然その事に気付かない。下手すりゃこっちがパクったことにされかねないわけで。正に「真面目な奴が損をする」事態になっている。

「単なるパクリ」で済ませられる問題でなく、これを意図的に企業ぐるみで行い、かつそれで利益を得られるモデルを確立している、ということの方が問題だと思われる。

 

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問題点3. 誤謬満ちた情報及び無責任な体制

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一度こうした企業ぐるみのゲーム攻略サイトを読んだ方なら知ってるだろうけど、大変質が悪い。誤謬に満ちた攻略記事はいくらでもある。

「2.」で挙げたGame◯ithは特段コミュニティでも評判が悪く、気になったのなら「エアプウィズ」とでも調べれば良い。主に『シャドバ』『DQR』『遊戯王DL』辺りの対人要素の強いアプリでは相当コミュニティの反感を買っている。

 

企業運営型ゲーム攻略サイトの問題点

「空白ページの検索妨害」「無断転載」「誤謬のある記事」、そしてこれらを雲霞の如くウェブに放流し、まともに情報を探すだけで手間取らせる人海戦術。

どれもサイトとしての評価を著しく下げる汚点だが、そもそも何故このような記事を量産するメディアが存在しているのだろうか。

 

基本的なサイト運営として、企業運営のゲーム攻略サイトは、安価で大量のライターを雇い、書いた分量やPV数に応じて報酬を払うという形式を取っている。

即ち、安価なライターを用いた人海戦術こそ、「企業型」最大の強みだ。ライターに支払われる報酬は、先述したとおり「分量orPV数」で基本的に決まるため、記事はとにかく「早く」「多く」という点のみ追求される。

一方、GoogleのSEO(最適化)及び、クローラーの精度にはサイトの信頼性も当然含まれており、「空白」も「パクリ」も「誤謬」といった弊害はもちろん信頼性を下げる理由になるのだが、それを補って余りある質量によって、こうした問題を誤魔化している。

 

そして、攻略でもなんでもない内容を投稿することで、500円もらえる仕組みになっています。

誰でも1記事500円もらえる仕組みだったのが、PV(ページビュー)を上げないと報酬がもらえない仕組みに変更されます。

クラウドワークスで1件あたり300円~400円のゲーム記事の執筆依頼はたくさんあるので、そっちで働くより、GAMYで登録してテキトーな記事を書くほうが、手数料を取られないで500円そのままもらえるので、効率よく稼ぐことが可能かもしれません。

アメーバ的改悪~GAMY編集部|ありす in Underground

 

ここが、根本的に個々人がボランティアで記事を書くゲーム攻略wikiや、個人が自己責任で記事を書くブログと異なる点だ。匿名性を生かして会社的な体型を作ることで、合理的なウェブメディア工場を作り、当然出てくる転載だの誤謬だのは、「工場の排水」としてネットの海に垂れ流している。

要は、無断転載にしろ誤謬記事にしろどのサイトでもありうるが、それら一般サイトがうっかり起こす「事故」でなく、企業型サイトは副次的に「公害」として常にに垂れ流すからこそ、こうしたサイトは問題だと私は考えている。

 

ところで、こうしたメディアが問題視された事件を覚えているだろうか。そう、DeNAが運営していたヘルスケア情報キュレーションメディア「WELQ」が信頼性に欠いた記事を何度も書いたことで、全国メディアで問題視された事件である。

www.yomiuri.co.jp

●クラウドソーシングで専門ではないライターに「大量生産」させていた

●「プラットフォーム提供」でごまかして記事の責任をあいまいに

●「広告至上主義」で検索サイト上位表示=SEOだけを重視

●キーワードや内容で広告自動配信。単価が高いキーワードを狙う結果

 

この読売新聞が指摘した問題点は、外部ソースありきのキュレーションメディアとライター制作という違いはあれど、大部分がゲーム攻略サイトにも当てはまっている。

逆に言うと、もう1年以上前にしょっぴかれた古臭い悪党商法が、未だゲームという領域にのさばっていることが末恐ろしい。ゲーマーは舐められたものだなぁと思う。

 

あと、ゲーム攻略サイトの大きな問題点として、検索エンジンをメインに絞り(SNSのような批評の場には立たず)、更に登録制ユーザーにより一種の囲いを作ってしまうことで、客観的な評価から免れている(=自浄作用がない)ことが、ますますサイト運営が悪質なものにしていると考えられる。*1

 

具体的に我々はどうすべきか

他のゲーム系迷惑サイトと同じで、「利用しない」「拡散しない」に限る。

私の知る限り、家庭用ゲームであれソーシャルゲームであれ、こうしたサイトより優れた、信頼に足るゲーム攻略サイトはいくつでもある。私は主にユーザー参加型で制作されたwiki、或いは自分と意見の合う個人ブログの意見を利用している。

例えば、人気ソーシャルゲーム『Fate/Grand Order』に関しても、例によって企業型ゲーム攻略サイトがうんざりするほど存在するが、

トップページ - Fate/Grand Order @wiki 【FGO】 - アットウィキ

のように、それなりに中立的な立場を取りながらユーザーの意見を尊重するサイトも数多く存在する。冒頭で述べた『MHW』なら

【MHW】モンハンワールド攻略レシピ

がよく出来ていると思う。

あと直接攻略しているわけでないが、ユーザー主体のサイトとして

モンスターハンター大辞典 Wiki*

はモンハン愛に溢れたユーザーが丹念に築き上げた素晴らしいサイトだと思う。

 

まぁ、攻略情報なんて、サクッと調べれば良いし、迷惑サイトだろうが利用するもしないも個人の自由だと言う人がいるのも理解できる。

ただ、そもそも企業型ゲーム攻略サイトは、基本的に検索エンジンのトップに来るだけで、まともな情報は載ってない、他のサイトでも同じことが載っている、広告特化のレイアウトで読みにくい、一々リンク踏ませてくると、純粋に利用する価値がない。

「とりあえず、検索エンジンのtopにあるからという理由で、何でもかんでも信頼しない」(=検索エンジンの順序がサイトの価値ではない)というのは、当然ではあるのだが、今後ネットで情報を探す上で一層重視すべきだろう。

そして、気になる情報があるならすぐ検索で調べるより、予め信頼に足るサイトを見つけるなり、こうした悪質なサイトを回避すれば、結果的により一層「便利に」ネットで情報を探すことが出来るだろう。

これはユーザーの倫理的な問題というより、単純に利便性の観点での、私なりの提案だ。

 

私たちユーザーは、検索サイトでの表示結果は信用できないもの、と考えておきたい。現状の検索サイトは、残念ながらテクニックだけで上位表示できてしまうためだ。検索サイトでの検索表示位置よりも、サイト全体の信頼度で情報を探すようにしたほうがいいだろう。

DeNA「WELQ(ウェルク)」休止…まとめサイトの問題点と背景は : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

最後に、企業運営型のサイトが全て悪いとは思わない。むしろ昨今では、ニュースサイトを中心に外部からの参入も加わり、大幅にビジネスとウェブメディアは接近しており、それによりサービスが改善されていると感じる。

ゲーム攻略サイトは今でこそ大半が無法地帯だが、ユーザーが「改善すべき」と考えれば改善されるだろうし、今でも十分良質な情報を提供するサイトは存在する。(先程述べた「攻略レシピ」のように)

とにかく、ネットにおける記事は需要があって供給されるもの。ユーザーが全記事に目を光らせるべきとか、誤謬や剽窃は全て炎上させるべきと言わないけど、とりあえず検索エンジンの真上にあるサイトだけ読んで満足するのは、人生の攻略にしろゲームの攻略にしろ非効率だと思う。

 

 

*1:これはゲハブログも同じ