
象徴空間開設準備のため今年3月末で営業を終了する白老・アイヌ民族博物館は、年度末に向けて記念誌の発行、閉館セレモニー(3月21日)、最後の企画展「ポロトコタン ウパシクマ~ポロトコタンを語り継ぐ」(2月18日~3月31日)を実施、52年間にわたるさまざまな活動を振り返る。
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同博物館は昨年11月に象徴空間の運営主体となるアイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)と合併契約を締結、今年4月1日の統合に向けて準備、手続きを進めている。
企画展は、同博物館の沿革を中心とした内容を取り上げ、ポロト湖畔を拠点に52年間行ってきた有形・無形文化財のアイヌ文化保存・伝承活動、公開事業、民族交流などの軌跡や観光振興、さらに象徴空間について紹介する。併せてシンポジウムやギャラリートーク、特別公演などを実施、アイヌ文化の理解促進や象徴空間の周知を図る。
1月20日には国立アイヌ民族博物館の地鎮祭「チセコテノミ」を実施する。
この6日に同博物館のチセ(伝統的家屋)で行われた儀式・コタンノミ後、野本勝信代表理事は「これまでお客さまとのコミュニケーションを大切にさまざまなニーズに対応できる事業を展開することで、アイヌ文化の持つ文化的価値を向上させることに重点を置き活動してきました。2020年開設される象徴空間においても職員の皆さまのお力をお借りして、将来にわたって一歩先を見据えた価値観の創造に努めたい」とあいさつした。
(富士雄志)
【写真=年度末に向けて3事業を実施するアイヌ民族博物館(6日のコタンノミ)】
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