
室蘭市教育委員会主催の男女共生セミナーが28日、東町の胆振地方男女平等参画センターで行われた。アイヌ民族博物館(白老町)で学芸係長を務める八幡巴絵さんが「アイヌ民族の歴史と文化」をテーマに講演。「アイヌ文化はたくさんの人が創り上げた、その土地で暮らす人たちの知恵が多く含まれている」と伝えた。
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34人が参加した。八幡さんは自身が経験したフィンランドの先住民族との交流の様子のほか、アイヌ民族の生活様式や道内のアイヌ語地名を映像などを通して紹介。「特にアイヌ語は興味を持ってもらいやすい」と呼び掛けた。
アイヌ文化普及・啓発をはかる「アイヌ文化振興法」施行(1997年7月)や国立アイヌ民族博物館を中心とする「民族共生象徴空間」開設を踏まえ、アイヌ民族に対するイメージが「近年良くなっている」と強調した。(1)生活安定(2)差別解消(3)文化振興における法律の壁―の「解決されていない問題」について触れ、「多くの人に受け入れられるように博物館施設づくりを進め、訪れる人と話す機会を設け、ライフワークとして私の先祖を伝えていきたい」と語った。
この後、6班に分かれ、「アイヌ民族を知っていますか?」と題してグループトークを実施した。
(粟田純樹)
【写真=アイヌ民族の歴史と文化を伝える八幡さん】
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