偉人たちが一同に介したボクシング階級表を作っていく
ボクシングが好きだ。試合も好きだが、あの細かな階級付けがとても好きだ。
辰吉丈一郎がノーガード戦法で躍動したバンタム級、竹原慎二が奇跡の王者戴冠を果たしたミドル級、マイク・タイソンが衝撃の拳をブン回したヘビー級。 これらの階級に、ボクサーじゃない歴史的偉人やあのスターたちもなりふり構わず入れていけば、ホントはありえなかった夢の階級表が作れるのでは。 やってみたら、「なぜこうなった」が出来上がった。
ライター、番組リサーチャー。打率210 本塁打0 打点3ぐらいの人生ですが、いつかはホームランを打ちたい。好きな即席麺はサッポロ一番みそラーメン。そのほか卓球、競馬、ローカルフードが好き。
前の記事:「50年前に2万人の移住で九州文化が大流入! 千葉県君津市はまだ少し九州だった」 人気記事:「50年前に2万人の移住で九州文化が大流入! 千葉県君津市はまだ少し九州だった」 > 個人サイト 文化放想ホームランライター 軽量級から順番にボクシングの17階級に分けるあしたのジョーの舞台となった山谷で何か一点を見つめる、ジョー像
ボクシングには現在17階級がある。いちばん重いのがヘビー級、軽いのがミニマム級と言った具合だ。
階級が違うとパンチ力がまるで違う。2階級上の「ジャブ」は下の「ストレート」と同等とされるほど。
もちろんホントのボクサーは筋肉をつけた上で減量して出場するが、ここでは便宜上そのままのカラダで出てくることにする。
なお、近代になる前の体重などは全て研究者などによる推定であるのであしからず。 また体重・身長にはいくつかの説がある場合も多いが、ここでは一番有力そうな説を判断して扱った。 いきなり激戦、ミニマム級まずはいちばん軽量のミニマム級は、とにかくスピード勝負の階級。食料が乏しかった近代以前はカラダが小さい人が多かったので、ここでは激戦区になる。
非暴力主義の彼がついに拳を握った
・源義経 161cm 47.5kg
・松尾芭蕉 161cm 47kg ・オードリー・ヘップバーン 173m 46kg ・ガンジー 165cm 45kg ・豊臣秀吉 140cm 45kg ・ツィギー 167cm 41kg ・美空ひばり 157cm 40kg ・徳川綱吉 124cm 40kg ・片岡鶴太郎 163cm 43kg ・イエス・キリスト 152cm 45kg ガンジーは165cmあるが、その体重はたったの45kg。適正体重が59.9kgなので、相当な低体重である。
さらに断食時にはその痩せたカラダが39kgまでさらに絞ったというからガンジー、減量が仕事のボクサーにいよいよ向いているのかも知れない。 非暴力・不服従の立場をかなぐり捨てて繰り出される彼の拳が、秀吉の顔面に突き刺さる・・・見てみたい。 さらに徳川綱吉は衝撃の124cm。これはあのメッシと同じ、成長ホルモン分泌異状による低身長症だとされている。 イヌは殺させないが、その殺人パンチでヒトが死ぬ!?
松尾芭蕉も軽量の47kg。おくのほそ道の旅中に追いはぎに襲われたとき、やや不安になる体躯である。
なお普段から持病持ちだったとのことで、ボクサーデビューしても大成は望めなかったであろう。 また、最新の研究によると、あのイエス・キリストは152cm 45kgだったとされる。彼がボクサーであれば、スピードを活かした軽快なボクシングが見られていたかも知れない。 実は小柄だったというキリスト by Juliana Coutinho
ちなみに女子の場合は本来ミニマム級では無く、ミニフライ級(47.62Kg以下)とアトム級(46.26Kg以下)なるものがあるが、ここは都合上すべて一緒くたに扱う。
打って変わって層薄めのライトフライ級・我修院達也 163cm 48kg
・岩下志麻 165cm 48kg あの亀田興毅が最初にタイトルを獲った階級。体格的に東南アジア、中南米の選手層が厚いとされる。ここには我修院達也と岩下志麻というベテラン芸能人が鎮座。
未確認情報だが、「玄制流空手道1級でヌンチャクも使える」という我修院がやはり有利か。 しかし、極妻・岩下志麻による趣味のゴルフと陶芸で鍛えたパンチはアゴにヒットすれば意外に効きそうである。というか岩下さんは相手にとって滅茶苦茶殴りづらすぎる。 紫式部VS武豊! フライ級続いてはフライ級。白井義男が日本初の世界チャンピオンに輝くなど、日本人の活躍者が多い階級である。
一部で不仲説もある清少納言を、怒りを込めてなぎたおす!
・紫式部 145cm 50kg
・武豊 170cm 50kg BMI18のシンデレラ体重がもてはやされる今の基準だと、BMI約24の紫式部のカラダは“ややデブ”扱いをされそうだが、宮中仕えでストレスのたまった鬱憤をその拳にぶつけて欲しい。
競馬界から唯一この無差別拳闘バトルに参戦した武豊の体重は軽く、50kg。見たい、紫式部と武豊の時空と職業を超えた殴り合い。 あの叶姉妹も位置するスーパーフライ級元はガリガリだったが、鍛えに鍛えて3キロ増量を果たした
・日本女子20歳の平均 157.8cm 51.6kg
・池乃めだか 149cm 51kg ・叶美香 170cm 51kg ・叶恭子 168cm 51kg ・三島由紀夫 163cm 51.8kg 叶姉妹の2人は、ほぼ同じ体格。ゴージャスボディの2人がリングに上がり、お互いの美しい顔を血で汚しあう場面を想像してみよう。一度で良いから見てみたい。
ここにはボディビル大好き文豪・三島由紀夫も名を連ねている。 ベンチプレス90kgを持ち上げる三島のストレートパンチを、149cmのめだか師匠がヒラリヒラリとかわしていくシーンは想像するだけで見ものだ。 ちなみに歌手のSuperflyは身長153cmで細身の体型なので、スーパーフライ級では無いだろう。 なぜか近代の文豪だらけ! バンタム級あの辰吉丈一郎や薬師寺保栄らも覇を競い、あしたのジョーでも舞台となったバンタム級。かつては「黄金のバンタム」とも言われ、日本では大人気の階級だ。
モンロー・ウォークで対戦相手を幻惑させる
・森鴎外 161.2cm 52kg
・正岡子規 164cm 52kg ・夏目漱石 158.7cm 52.3kg ・マリリン・モンロー 164cm 53.5kg ・羽生善治 172cm 53kg ・トータス松本 173cm 53kg なぜか近代の文豪たちがここに固まっている。実際には日本人ボクサーが充実している階級なのに、まるで強そうな選手が居ないこちらのバンタム級。
この中では器械体操の名手としてひそかに鳴らしていた夏目漱石が一歩リードか。と思いきや、そんな漱石ですら握力は右40kg、左32kgにすぎなかったそう。 ならば、若い頃は野球の捕手として鳴らした正岡子規か。だが子規は22歳からたいへんに病気がちだったので荷が重い。極めてレベルの低い拳闘になりそうだ。 だがそこは、「ペンは拳よりも強し」という名言を全力で撤回するような無駄に熱い殴り合いを期待したい。 「吾輩はボクサーである」と言う挨拶もそこそこに、殴ってきそうな漱石
なおトータス松本と(若い頃の)羽生善治はほぼ同じ体型。「ガッツだぜ」と大振りなフックを繰り出すトータスと、正確かつ緻密にジャブでポイントを稼ぐ羽生が交錯しそう。
なかなか該当する人がいなかった、スーパーバンタム級・宇野昌磨 159cm 55kg
・アントニオ小猪木 158cm 55kg 正直ここからの3階級は該当する偉人が見つからないため、現代人の方ばかりを出させていただく。
この2人の対戦は想像できない。宇野昌磨の平昌銀メダリスト仕込みのステップと回転ブローを前に、アントニオ小猪木がリングへ「大の字」になる所までしか想像できない。 好対照同士のオンナが激突するフェザー級・橋本マナミ 168cm 56kg
・不動裕理 156cm 58kg フェザー(羽)を意味するこの階級には、対照的すぎる人生を送ってきたような2人の女性が名を連ねた。
12センチの身長差があると言えど、やはり元6年連続賞金女王ゴルファー・不動裕理が有利か。 橋本マナミの美貌が崩壊するほどの、不動の生涯獲得賞金1位・13億超えパンチが炸裂するだろう。 「四角い仁鶴」がやられる? スーパーフェザー級・笑福亭仁鶴 165cm 58kg
・千葉すず 172cm 58kg 世の中の法律トラブルを丸くおさめる、仁鶴師匠と日本水連と色々あった日本水泳界のエース・千葉すずの戦い。
これは、千葉すずがクロール仕込みの強烈なフックで、仁鶴師匠の四角い顔が丸く変形させられての2ラウンドKO劇が目に浮かぶ。 歴史的なリーダーがなぜか多い、ライト級グローブスタイルのまま、あぐらをかく信長
・源頼朝 155cm 60kg
・織田信長 170cm 61kg ・小泉純一郎 169cm 60kg ・江頭2:50 178cm 60kg ・ブリトニー・スピアーズ 163cm 59kg ・宮沢賢治 163cm 60kg 一気に人員が充実してくるのがライト級だ。
鎌倉幕府を開いた頼朝をはじめ、戦国時代で一番はじめに天下統一へと近づいた大武将・織田信長。そして郵政民営化男こと小泉純一郎。いきなり歴史的リーダーが並ぶ階級。 意外とぽっちゃりしているブリトニー・スピアーズ、雨に負けたくない詩人の宮沢賢治、そして江頭2:50が鎮座する、色んな意味で強力布陣となっている。 大久保利通が外国勢を迎え撃つ、スーパーライト級世界的に見ても層が厚く、日本人が苦戦している階級である。こちらの階級表でも3人中2人が外国人となった。
長身から振り下ろされるパンチで西郷の夢を打ちくだく
・大久保利通 178cm 65kg
・ミック・ジャガー 173cm 63.5kg ・ビル・ゲイツ 178cm 63.5kg 同じ薩摩出身の西郷隆盛と比べると、スポーツなどはやや苦手にしていたという大久保利通。武士の出身とは言えど、何かミック・ジャガーの方が強そうに見える。
ビル・ゲイツとミック・ジャガーの、真逆の人生を送ってきた熟年の殴り合いは注目だ。 憎きリンゴを破壊する、ゲイツのWindowsパンチ by DonkeyHote
ゲイツのWindows95パンチか、ミックのサティスファクションアッパーカットが炸裂するか。このカードが実現すればリングサイド席が20万円でも即日完売だろう。
龍馬と欽ちゃんが拳を交える、ウェルター級日本の夜明けをパンチでもたらす
・坂本龍馬 169cm 66kg
・日本男子20歳平均 170.9cm 64.6kg ・萩本欽一 164cm 65kg 坂本龍馬と欽ちゃんと平均的日本男子という、ワケのわからない並びが実現。
ちなみに龍馬の169cmという身長でも、当時の男子の平均身長が157cmなので、かなり高かったと言われる。 剣術で鍛えた力強い龍馬のナックルパートが現代の平均的日本人に炸裂し、欽ちゃんジャンプで逃げ出す欽ちゃんという構図か。 ちなみに龍馬を慕う武田鉄矢は165cm、69kg。次のスーパーウェルター級に入る。 ナポレオンが松木安太郎を討伐、スーパーウェルター級左利きだったというナポレオン。サウスポースタイルで、うるさい松木安太郎の顔面を破壊
・福沢諭吉 173cm 67.5kg
・ナポレオン 167cm 67.8kg ・松木安太郎 168cm 68kg ・ガガーリン 158cm 68kg 「人の上に人を作らず」と言った福沢諭吉と、馬の上に乗っているナポレオン、そして松木安太郎という謎の並びが実現した。
口角泡を飛ばして突進する松木安太郎の顔面に、左利きだったナポレオンのカウンターパンチが入るところを目撃したい。 世界初の宇宙飛行士、ガガーリンもこの階級。地球は青かったが、額から流れる血は赤かった
ただならぬ戦いを山谷の街角でひっそりと見つめる丹下段平
「何が起こっているのだ」とでも言いたげな丹下段平に見守られながら、次のページへ。
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