■ 郷土文化研究の山本さん、「戦争と苫小牧」出版
【2013年3月1日(金)朝刊】


 苫小牧郷土文化研究会の山本融定会長(75)=苫小牧市在住=はこのほど、自らの調査内容をまとめた「戦争と苫小牧」を出版した。苫小牧の戦争の歴史を伝える数少ない資料として注目される。

 元教員の山本さんは平成10年、苫小牧南高校を退職。同校では、郷土研究部の顧問を務め、30年ほど前には部員たちと「望郷の地 樺太からの引き揚げについて」などの調査をまとめている。今回は顧問時代の調査内容のほかに、これまで戦争体験者や遺族から聴き取った内容も紹介している。

 昭和20年7月14日、錦多峰駅(現錦岡駅)で空襲に遭い、知人から兄の死を知らされた女性の聴き取りなどを掲載。勇払空襲で、大日本再生製紙(山陽国策パルプの前身)の上空を飛ぶ米軍機の写真(複写)もある。

 また、現在市議会に保存されている昭和15~20年の戦没者町葬(苫小牧町)の議決書から、231人の名前も掲載した。

 山本会長は「苫小牧の戦争に関する記録は少ない。戦争で亡くなった苫小牧の人の名前を記録として残しておきたかったし、市内に残る戦争の記憶も後世に伝えていけたら」と話している。

 A4判の73ページ。非売品。苫小牧市立中央図書館や市博物館、道立図書館に寄贈され、閲覧できる。
(高橋昭博)




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