さて、このサイトを見にきて下さる方は現在理工系・医歯薬系等の大学を目指している方と、
学生時代の事を思い出しながら見て下さっている大人の方が多いです。
(サイトに理系科目解説と書いているので当然ですが(^_^;)
今回は学生・受験生の方には息抜きとして、
大人の方には、久々に少し昔のことを思い出しつつ「教養としての数学」の読み物としてご覧下さい。
(と言いつつ割と現実的に役立つ事も書きましたのでビジネスに繋がるかも?)
e (ネイピア数)って何の役に立つの?
ネイピア数はある日突然極限の時間に現れます!
そして特に何の説明も無く
上の図の定義を与えられて、
授業の本題は微積分へ移り、可哀想なネイピア数はただの「変な数」として入試に臨むこととなります。
しかしながら、この変な数はいくつものユニークな特徴を持っており、ありとあらゆる学問や技術の下支えをしています。
一つはexを微分してもexである事。
森羅万象を司る物理は微分方程式で記述されますが、この微分しても同じという性質により微分方程式を解く際にeは無くてはならない存在です。
又一つの例として確率の問題を挙げてみます
「とあるサッカー選手は、1/n の確率でペナルティーキックを失敗する。この選手がn回連続してPKを成功させる確率を求めよ」
n=1 これは残念ながら100%失敗します したがって0%
n=2 (1-1/2)2 =1/4 したがって25%成功
n=3 (1-1/3)3 =8/27≈30%成功
n=4 81/256≈31.6%成功
n=5 (1-1/5)5 =32.7%成功
n=6,,,疲れてきました。
n=5の時を考えると一回あたりのPK成功率は80%です。これはかなり高い数字ですね。
ではこのままn=100・1000・10000・・・の選手、
即ちほぼ100%成功させる天才キッカーならば連続成功確率は100%に近付くのでしょうか?
文字でおいて計算して見ましょう。
成功確率Pは、 lim(n→∞) (1-1/n)n で計算できます。あれ?この式はどこかで見ましたね?
そうです最初のネイピア数の定義式 lim(n→∞) (1+1/n)n =eとソックリです。
では変形させて見ましょう↓
以上の様に無限回行うと成功確率がほぼ100%の
試行でも1/e≒37%に収束するんです!
この様に成功or失敗の2つの結果しかない試行を
ベルヌーイ試行と言います。
ここで「確かにeは不思議だけれども、所詮現実的に収束するまで何かをする事もないし、
そもそも100%近く成功するサッカー選手もいない。単なる頭の体操に過ぎないんじゃない?」
と思う方もいるかもしれません。しかしながら、この性質は統計学へと発展し、色々な事がらの確率を求めるのに使用されています。
今後もっとも重要になる職業と予想されるデータサイエンティストやAI関連にも不可欠なものです。
興味のある人は、二項分布やポアソンの極限定理、ポアソン分布などを調べてみて下さい。ネイピア数があちこちに姿をあらわします。
(大人の方へ)ビジネスの世界でも、上記のポアソン分布はよく使われています。
恐らく最近の日本でのもっとも有名な応用は、 森岡 毅氏によるUSJの再建です。
氏は統計学的手法と深い洞察/分析によって、瀕死状態だったユニバーサルスタジオジャパンを
入場料を上げながら来客数を激増させるという離れ業を成功させました。
こちらも興味のある方はぜひ氏の本を読んでみて下さい。
、、、記事が長くなって来たので、一旦ここで「教養としての数学」第1回は締めます。
次回は、引き続きネイピア数の特殊性に触れたいと思います!
(テイラー展開と複素数を巻き込んで数学の美の極致であり、至宝とも称されるオイラーの等式へ発展させます。)
お楽しみに!
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モチベーションupします( ´ ▽ ` )
よろしくお願い申し上げます。