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名鉄の電子警笛、特許庁が「音の商標」登録却下 

 ♪ミド#ラー、ミド#ラー、ミド#ミラー-。名古屋鉄道が電車の駅接近時などに鳴らす電子警笛「ミュージックホーン」を「音の商標」として登録申請したものの、特許庁に却下されたことが分かった。

 音の商標は新しいタイプの商標として2015年に導入された。名鉄は16年1月に申請して審査が進められたが、特許庁は昨年3月、却下を意味する「拒絶」の方針を示した。名鉄側には意見陳述の機会が与えられたが、今年2月8日、却下が正式に決まった。

 ミュージックホーンは1961年導入のパノラマカーに採用以来、半世紀以上使われており、名鉄沿線ではなじみ深いメロディー。特許庁によると、審査では▽提出された音源と楽譜の音程が一致しなかった▽歌詞がなく他者との差別化が難しい-などが影響した。

 商標制度に詳しいコスモス特許事務所(名古屋市中区)の富沢正弁理士は「商標の役割は商品やサービスを他者と区別すること。音や色彩は誰しもが使う可能性がある」と審査の厳しさを指摘している。再申請も可能だが、名鉄は「これ以上の対応は検討していない」としている。

 <音の商標> 企業の多様なブランド戦略を保護するため、2015年4月から、音が商標登録の対象に加えられた。特許庁によると、2月末現在で216件が登録されている。東海地方の企業では、めいらくグループ(名古屋市)の「スジャータ」、セイノーホールディングス(岐阜県大垣市)の「カンガルーのセイノー」などがある。

(中日新聞)

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