あなたの知らないかもしれない世界の話です。
オカルト、ラテン語で「隠されたもの」を語源とする幽霊やUFOなど正体不明で不気味なものを総称してそう呼ぶ。
子どもの頃は、テレビ番組や本などで様々な特集が連日のように取り上げられていたのだが、今ではあまり見ることがない。 僕らの好きだったオカルトは今ではどうなっているのか。昔と比べながら聞いてみた。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。
前の記事:「止まらない汗「北極ラーメン」との戦い」 人気記事:「8番らーめんの魅力を確認しに行ってきた」 オカルト本の古書店で聞く今回、話を聞くのは横浜市にある「ナインブリックス」さんである。脱サラして好きだったオカルトの古書店を2014年に開いた。
店主の橋本さん。
余談ではあるが、橋本さんはデイリーポータルZライター加藤さんの大学の後輩とのこと。そんなことは知らず取材をお願いし、当日聞いてびっくりした。縁ってあるんですね。
オカルト本の古書店ということで、店内にはUFOや霊やらの文字がどこを向いてもある素敵な空間だ。 UFO入門や霊感術入門に心おどる。
雑誌断片詰め放題もやっている。
どれもこれも目移りするほど魅力的な本ばかりだ。
右からライター西村さん、編集部安藤さん、筆者。興奮して本を買った。
2人とも「面白くて1日いられる」とずっと言っていた。その気持ちはわかるし、できるならずっといたいが話を聞こうではないか。
まず、オカルトが生まれた背景を聞いた。 注:今回の伺った話は諸説あるうちの1つです。色々な説があった方が素敵じゃないですか。 オカルトブームが生まれた背景とインターネット橋本さん「元々、中世ヨーロッパで科学から枝分かれしていったのがオカルトです。今だと科学とオカルトは対立するものとしてありますが、昔の有名な学者も学問を問い続けるうちにオカルト的な考えに発展することもあったので、全くの別物ではないと思ってます。」
――日本ではどうですか? 橋本さん「日本では70年代にオカルトブームが起こりました。テレビでは、ユリ・ゲラー(スプーン曲げで有名な超能力者)などの超能力者がテレビで取り上げられ、そのブームは後に社会学や文化史において分析もされました」 色々と分析がされたが根本としてはブームになったのは「面白い」という理由がある。 橋本さん「高度経済成長で物質的に豊かなになっていく中で、今度は精神的な満足を得たい人たちが未知のものに対する好奇心を求めた結果、ブームになったのだと思います」 新興宗教もこの頃増えてきたそうだ。
――今だとそんなにオカルトの話って出ないじゃないですか。
橋本さん「インターネットに移ったのかもしれません。遠くの人とでもコミュニケーションができ、好きな人たちで盛り上がったりするのにインターネットは適しているので」 確かにNASAが発表した情報もインターネットで盛り上がることがある。速報性や共有のしやすさなどオカルトの情報たちはインターネットに移ってきているのだろう。 今の子どもたちを取り巻くオカルトブームとなったのは70~90年代である。かつての子どもたちは熱狂していたが、今の子どもたちのオカルト事情はどうなのか。
安藤さん「僕らが子どもの頃はピラミッドパワーやスプーン曲げに熱狂してましたが、今の子どもたちってどうなんですか?」 橋本さん「そういうオカルト文化は今の子どもたちにはないですね。ブームだった頃は少年誌などで特集が組まれていたり、漫画になっていたり、テレビで放送されていたりと触れる機会が多かったですが、今は見ないです」 安藤さん「MMR(マガジンミステリー調査班)とかよく見てましたよ」 西村さん「子どもたちがオカルトの本を買いに来たりしますか?」 橋本さん「あまり来ないですね…」 安藤さん「僕らが子どもだったら毎日来ていたのに…」 大人になった今でも毎日来たい。
橋本さん「今だと自然に触れる機会がないのと、オカルトに触れられるメディアがネットなどに限定されてしまっているので知る機会が少ないです。学校の怪談みたいなのは今でもあるみたいですが」
――内容も変わってきたりしているのでしょうか。 橋本さん「昔からある話が多いですね。例えばトイレは今でもあるじゃないですか。舞台があまり変わらないので大きな変化はないように感じます。ただ、小道具としてスマホが出てきたり、友人から亡くなった時間に電話が来ていたという話がメールやLINEになったりと細かくは変化しているようです」 もしかしたら将来、AI怖い話やフォトショップ怖い話が生まれるかもしれない。フォトショップ怖い話は見たい。
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