深圳の1週間はシリコンバレーの1カ月

3年で発明家が「業界」を生む

2018年3月13日(火)

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深圳・南山区の起業支援エリア。高層ビルが建ち並び、さらに新しいビルが建設されている

 ここ1〜2年、中国の深圳が、新しいものが生まれる場所として世界から注目されている。僕は2014年に世界的なDIYのイベント「メイカーフェア」の深圳版が開かれた際に参加し、現地で活躍する、自分の思いついたハードウェアのアイデアを実際に作ってしまう「メイカー」たちに惹かれた。その後、メイカーフェア深圳の運営に中国人たちに混じってコミットするようになり、日本のメイカーを連れて深圳を訪れる「ニコニコ技術部:深圳観察会」を年に数度開催し、ついに2017年の12月、それまで住んでいたシンガポールから、深圳に移り住むことになった。

対照的な深圳と東京のメイカーフェア

 僕はアジアのメイカーフェアについては、世界でいちばん多く参加している。2番目の人でも僕の6〜7割程度のはずだ。どのメイカーフェアもそれぞれのスタイルがあるけど、深圳と東京はとても対照的だ。

 東京でも「メイカーフェア」は行われている。日本のメイカーのアイデアやクオリティは世界でも注目の的で、深圳の運営チームは東京のメイカーたちをとてもリスペクトしている。

 でも、そうした素晴らしいアイデアを社会で見かけるようにはならず、クリエイティブと社会はどうつながっているのか分からない。一方、中国、特に深圳はクリエイティブと社会がとても近いように感じる。僕がよく知る深圳のMakeblockというスタートアップ企業を例に、その実例を紹介したい。

2014年のメイカーフェア深圳で見たMakeblock。

 2014年のメイカーフェア深圳で見かけたMakeblockは、アルミでできたさまざまなパーツを組み合わせて形を作る、レゴのようなオモチャだった。レゴに比べると頑丈でモーターやギヤの品質も高く、ロボット状の動くオモチャを作ることができる。「子供がロボットで遊べるようにしたい。ロボティクスの教育ツールを作りたい」という彼らの考えは、そんな科目を学校で習ったことのない僕には正直ピンと来なかったのだが、彼らはその後ぐんぐん成長した。

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    2018年3月13日

    深圳の1週間はシリコンバレーの1カ月

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「深圳の1週間はシリコンバレーの1カ月」の著者

高須 正和

高須 正和(たかす・まさかず)

メイカーフェア深圳など運営

1974年生まれ。アジアで行われるメイカーフェアに世界一多く参加し、深圳・シンガポールでは運営に携わる。スイッチサイエンス(株)の社員として、現在、中国深圳在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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