会計検査とは?
会計検査院とは?
私たちの税金や国債の発行によって国が集めたお金は、各府省などで国の仕事をするために使われます。国のお金ですから、適正に、また、ムダがないように、有効に使われなければなりません。会計検査院は、この国のお金が正しく、また、ムダなく有効に使われているかどうかをチェックする機関です。
会計検査院は、このような重要な仕事を他から制約を受けることなく厳正に果たせるよう、国会、内閣、裁判所いずれの機関からも独立しています。
どんなところを検査しているの?
会計検査院が検査する対象は、国のすべての会計のほか、国が出資している政府関係機関、独立行政法人などの法人や、国が補助金、貸付金その他の財政援助を与えている都道府県、市町村、各種団体などです。
どんなふうに検査するの?
(1)検査の方法
検査には、主に「書面検査」と「実地検査」の二つの方法があります。
書面検査は庁舎内で、検査対象から提出された計算書や証拠書類を検査するもので、実地検査は、検査対象機関の事務所や事業が実際に行われている現場に出張して行う検査です。
(2)検査の観点
- 「正確性」の観点
- 検査対象機関の決算の表示が予算執行など財務の状況を正確に表現しているかという観点です。
- 「合規性」の観点
- 検査対象機関の会計経理が予算や法律、政令等に従って適正に処理されているかという観点です。
- 「経済性」の観点
- 検査対象機関の事務・事業の遂行及び予算の執行がより少ない費用で実施できないかという観点です。
- 「効率性」の観点
- 検査対象機関の業務の実施に際し、同じ費用でより大きな成果が得られないか、あるいは費用との対比で最大限の成果を得ているかという観点です。
- 「有効性」の観点
- 検査対象機関の事務・事業の遂行及び予算の執行の結果が、所期の目的を達成しているか、また、効果を上げているかという観点です。
(3)検査の観点の多角化
会計検査院では、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性等などの観点から検査を行っています。これらのうち、有効性の観点からの検査に取り組むようになったのは昭和40年頃になってからですが、伝統的に合規性の観点からの検査が比較的大きい比重を占めてきました。
しかし、近年、行政改革等による効率的な行財政の執行が強く求められていることから、経済性、効率性さらには有効性の観点からの業績の検査の充実拡大に努めています。経済性、効率性及び有効性の検査は、それぞれの英語の頭文字が「E」(Economy、Efficiency、Effectiveness)であることから、「3E検査」と呼ばれています。
平成9年12月に会計検査院法が改正され、前記5つの観点のほか、会計検査に必要な観点から検査を行うことが明記されました。正確性、合規性はもとより、広く事業や施策の評価が求められる中で、3E検査の根拠を明確化し、事後評価を担う会計検査の機能の拡充を期したものです。会計検査院は、その期待にこたえ、3E検査、中でも特に事業や施策の効果を問う有効性の検査の拡充強化に努めることにしており、検査報告にその成果を多数掲記しています。