トランプ氏、関税削減をEUに要請-EUは「いじめ」に抵抗すると約束

  • ロス米商務長官が関税に関してEU当局者らと協議へ
  • EUの関税は米国の生産者にとって「公平でない」-トランプ氏

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のマルムストロ-ム委員(通商担当)は、輸入自動車に関税を課すことを辞さないとするトランプ米大統領の警告を一蹴、「弱い者いじめに立ち向かう」と約束した。保護貿易主義を巡る欧米の対立拡大が全面的な貿易戦争にエスカレートする可能性が新たに示唆された。

  トランプ大統領は12日、「EUが米国に課している大規模な関税と障壁をなくすことについて、ロス商務長官がEUの代表らと協議する」とツイート。「米国の農家や製造業にとって公平さを欠いている」と続けた。

  マルムストロ-ム委員は、欧州を「脅かし、おじけづかせるために」貿易を利用しているとしてトランプ米政権を非難。「しかし、われわれは恐れず、そうした弱い者いじめに立ち向かう」と述べ、貿易が「責任転嫁」に利用されてきたと付け加えた。

  トランプ大統領は鉄鋼・アルミ関税を発表後、先週末には集会で支持者らにEU諸国は「米国を貿易でこき下ろすために」団結していると演説し、欧州産自動車に関税をかける可能性があるとの考えをあらためて示した。欧米は気候変動から中東政策に至る各分野で対立しており、世界で最も緊密な政治・軍事同盟にひずみが生じている。

  ブリュッセルで11日開かれたマルムストロ-ム氏とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との会談は突破口を見いだせずに終了した。EUは金属関税の適用を除外されるとの確証を得られなかった。

原題:Trump Pushes EU to Cut Tariffs as Bloc Vows to Resist ‘Bullies’(抜粋)

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