日本からの生魚密輸に警察犬出動、バンコク空港で摘発現場目撃 

2018年3月12日(月) 21時17分(タイ時間)
さかな犬が臭いを嗅ぎつけた瞬間。の画像
さかな犬が臭いを嗅ぎつけた瞬間。
写真提供、ターンテーブルに居合わせた日本人旅客
慌てて手元に引き寄せるスーツケースの持ち主。の画像
慌てて手元に引き寄せるスーツケースの持ち主。
写真提供、ターンテーブルに居合わせた日本人旅客
 日本にもタイにも警察犬がいる。

 タイから日本への帰国の際、空港の手荷物受取のターンテーブルで警察犬を見かけても違和感はない。昨今の薬物持ち込みの多さを考えれば、麻薬犬が警戒していて当然だ。

 ほかにも、手荷物品としての持ち込みが制限されているフルーツを隠し持つ日本人が急増し、麻薬犬ならぬフルーツ犬が登場して久しい。

 タイでも多くの警察犬が活躍している。空港もしかり。日本同様、警察犬が手荷物受取のターンテーブルで荷物を見張っている。

 しかし、日本からの便の到着時刻に合わせて出動して荷物を警戒している姿には、少々違和感がある。日本からタイに薬物を持ち込むケースがそんなにあるのだろうか? 不思議に思って居合わせた警官に尋ねてみたところ、周囲に聞こえないようにそっと一言、「魚」と答えた。

 あまり話したがらない警官にしつこく尋ねたところ、検疫や税関を通さない販売用の生魚がこっそり持ち込まれるケースが多いのだという。立派な「密輸」だ。何の魚かさらに質問するとタイ語で、「サーシーミッ」。刺身用の魚だという。

 日本食レストラン、特にその日の魚をその日のうちに、と活きの良いネタを振る舞う高級店向けなのだろう。考えてみれば、午後の遅くない時間に到着する便。手荷物で持ち込んで空港から店に直行すれば、夜の開店に間に合う。

 麻薬犬、フルーツ犬ならぬ「さかな犬」だ。しばらく様子を見る。荷物を乗せて流れるターンテーブルを、さも人間がランニングマシーンを使ってジョギングするように、トコトコ歩いている。注意すべきは大きめのスーツケースやダンボール箱のようだ。

 しばらくして、さかな犬が一吠えして、大きめのスーツケースに噛みついた。持ち主らしい日本人が慌ててスーツケースを持ち去ろうとする。もちろん逃げられるわけはない。スーツケースは警官が確保、日本人はそのままどこかに連れて行かれた。検閲所だろうか、税関だろうか。スーツケースの中身は何だろう、どうしてもマグロをイメージしてしまう。

 魚の持ち込みは申告が必要であるうえ、販売目的のため関税の支払いも発生する。今回目撃した騒ぎに関わらず、申告もしないまま持ち込む日本人が多いことから、さかな犬が水際作戦に臨んでいるのだという。在タイ日本人の中には、タイ人と比較して優秀と自己評価する輩が多いが、その真偽はともかく、何食わぬ顔して罪を犯している同胞がいるのも事実だ。

* この記事は日本からの便でバンコク郊外のスワンナプーム国際空港に到着した日本人が空港で目撃した取り締まりの一部始終を元に書かれています。
《newsclip》

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