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元スパイ襲撃、ロシア関与の「可能性大」 英首相
2018年3月13日 3:58 発信地:ロンドン/英国
【3月13日 AFP】(更新)英国で発生したロシア人の元二重スパイ殺害未遂事件について、テリーザ・メイ(Theresa May)首相は12日、ロシアが関与していた可能性が「非常に高い」との見解を表明した。
事件では4日、2010年のスパイ交換で英国に移住したセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏(66)と娘のユリア(Yulia Skripal)さん親子が、イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)の商業施設にあるベンチで意識を失っているところを発見された。
メイ首相は議会で、英軍基地の専門家チームが事件で使用された毒物を分析した結果、ロシアが開発した軍用神経剤「ノビチョク(Novichok)」と特定されたことを明らかにし、「セルゲイとユリア・スクリパリに対する行為の責任はロシアにあった可能性が非常に高い」と表明。
さらに、「これは国家としてのロシアによるわが国に対する直接的行為か、あるいはロシア政府が壊滅的な被害を与えかねないこの神経剤の管理を怠り、他者の手に渡してしまったかのどちらかだ」という見方を示した。
メイ首相は、ロシアには「国家ぐるみの暗殺事件」の前例があるとも指摘した上で、「英国の町で兵器レベルの神経剤を使用したこの殺人未遂事件は、スクリパリ親子に対する犯罪というだけではない。英国に対する無差別で無謀な行為だ」と述べた。
メイ首相はロシア政府に対する報復措置の発表はしなかったものの、同政府に対し13日中にノビチョク開発計画に関する詳細を化学兵器禁止機関(OPCW)に開示するよう求めた。(c)AFP