1億台のWindowsデバイスがONNXエコシステムに加わる:Windowsの次期アップデートで「ONNX」ベースのAIモデルがネイティブに実行可能に

Microsoftは、Windowsの次期メジャーアップデートで、ディープラーニングモデルのオープン標準フォーマット「ONNX」に基づくAIモデルが、「ハードウェアアクセラレーションを使用してネイティブに実行可能になる」と明らかにした。

» 2018年03月12日 11時00分 公開
[@IT]

 Microsoftは2018年3月7日(米国時間)、Windowsの次期メジャーアップデートで、ディープラーニングモデルのオープン標準フォーマット「Open Neural Network Exchange(ONNX)」に基づく人工知能(AI)モデルが「ハードウェアアクセラレーションを使ってネイティブに実行可能になる」と発表した。

ONNXとは

 ONNXは、「Apache MXNet」「Caffe2」「Microsoft Cognitive Toolkit」「PyTorch」といったディープラーニングフレームワーク間の相互運用性を実現する、ディープラーニングモデルのオープン標準フォーマット。異なるフレームワーク間のディープラーニングモデルの移行を可能にすることで、こうしたモデルを本番環境で利用しやすくする。例えば、ONNXを活用することで、開発者はPyTorchを使ってコンピュータビジョンモデルを作成し、Microsoft Cognitive ToolkitやApache MXNetを使って推論を実行できる。

 Microsoftは、「(今回のアップデートにより)1億台のWindowsデバイス(IoTエッジデバイス、HoloLens、2-in-1、デスクトップPCなど)がONNXのエコシステムに加わる」としている。新たなAIモデルを大規模なユーザーベースに届けるチャンスを探すデータサイエンティストや開発者にとっては朗報だ。「Windows 10」向けアプリケーションを作成する全ての開発者は、AIモデルを利用できる。

画像 (提供:Microsoft)

 同社は、2017年9月にFacebookと共同でONNXを発表。多くの企業から支持を獲得し、同12月にFacebookおよびAmazon Web Servicesと共同で「ONNX 1.0」をリリースした。「ONNXフォーマットは、開発者による個々の作業に最適なフレームワークの選択や作業の効率化を可能にする」とMicrosoftは述べている。

ONNXモデル入手方法

 ONNXに含まれる「ONNX-ML」プロファイルによって、Windowsは機械学習(ML)とディープラーニングの両方をサポートし、多様なAIモデルやシナリオの作成を可能にする。

 開発者がONNXモデルを入手し、アプリケーションに取り入れる方法は以下の通り。

  • ONNXモデルの生成をサポートしている多数のフレームワークのいずれかを使って、ONNXモデルを作成し、訓練する。
  • 「SciKit-Learn」や「CoreML」などさまざまなソースからのモデルを、「ONNXML」ツールを使ってONNXモデルに変換する。
  • 拡大しているONNXモデル集から、訓練済みのモデルを入手する。

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