Microsoftは2018年3月7日(米国時間)、Windowsの次期メジャーアップデートで、ディープラーニングモデルのオープン標準フォーマット「Open Neural Network Exchange(ONNX)」に基づく人工知能(AI)モデルが「ハードウェアアクセラレーションを使ってネイティブに実行可能になる」と発表した。
ONNXは、「Apache MXNet」「Caffe2」「Microsoft Cognitive Toolkit」「PyTorch」といったディープラーニングフレームワーク間の相互運用性を実現する、ディープラーニングモデルのオープン標準フォーマット。異なるフレームワーク間のディープラーニングモデルの移行を可能にすることで、こうしたモデルを本番環境で利用しやすくする。例えば、ONNXを活用することで、開発者はPyTorchを使ってコンピュータビジョンモデルを作成し、Microsoft Cognitive ToolkitやApache MXNetを使って推論を実行できる。
Microsoftは、「(今回のアップデートにより)1億台のWindowsデバイス(IoTエッジデバイス、HoloLens、2-in-1、デスクトップPCなど)がONNXのエコシステムに加わる」としている。新たなAIモデルを大規模なユーザーベースに届けるチャンスを探すデータサイエンティストや開発者にとっては朗報だ。「Windows 10」向けアプリケーションを作成する全ての開発者は、AIモデルを利用できる。
同社は、2017年9月にFacebookと共同でONNXを発表。多くの企業から支持を獲得し、同12月にFacebookおよびAmazon Web Servicesと共同で「ONNX 1.0」をリリースした。「ONNXフォーマットは、開発者による個々の作業に最適なフレームワークの選択や作業の効率化を可能にする」とMicrosoftは述べている。
ONNXに含まれる「ONNX-ML」プロファイルによって、Windowsは機械学習(ML)とディープラーニングの両方をサポートし、多様なAIモデルやシナリオの作成を可能にする。
開発者がONNXモデルを入手し、アプリケーションに取り入れる方法は以下の通り。
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