転職・独立 2018.3.9

学生に社長職を譲り山田孝之氏をCIOに…!常に我々の想像を超える起業家佐藤俊介氏の考え方に迫る

どうも、でじたりあん編集長横井です。

今回は、起業家の佐藤俊介氏(愛称:さとしゅん)にお話を伺って参りました。

さとしゅんサンといえば、2017年、俳優の山田孝之氏とともにライブコマースサービスを展開するミーアンドスターズ株式会社を設立・代表取締役社長兼CEOに就任したことで注目を集めたのがまだ記憶に新しいですね。

実は弊社(株式会社BLAM)は創業時、そんなさとしゅんサンから出資頂いたり経営についてご指導頂いておりました。

今回は、そんな過去を振り返る対談を行ったのですが、そのお話が非常に勉強になるものだったため記事にさせて頂きました。

<お話を伺った方>
佐藤 俊介氏(記事上部画像 中央)
トランスコスモス株式会社 取締役 上席常務執行役員兼CMO、ミーアンドスターズ株式会社 代表取締役社長兼CEO、株式会社ビーグリー社外取締役、SOCIAL GEAR PTE LTD Founder & CEO、Brand’s Right Hand 代表取締役会長兼CEO、シンガポール在住。ファッションブランド「satisfaction guaranteed」の創立者。

木村 和哉氏(記事上部画像 右)
株式会社BLAM 取締役副社長

<インタビュアー・筆者>
横井 貴明(記事上部画像 左)
お笑い芸人、株式会社BLAMメディア編集長 ※BLAM創業時は非メンバー

 

“方向性”を間違えるな

逆に、それが合っていれば9割上手くいく

横井
まず、創業当初のBLAMメンバー(代表取締役社長:杉生、取締役副社長:木村)は、さとしゅんサンからご覧になってどのような若者でしたか?
さとしゅんサン
杉生がイケメン担当で木村はお笑い担当なんだろうな、と。笑
横井
すごく共感できます。笑 ただそれは見た目というか…第一印象のお話ですよね。
さとしゅんサン
そうだね。笑
そもそもBLAMの社長である杉生とは(BLAM創業以前)会ったことも無かったし、副社長の木村は、私が創業した会社に新卒入社していたのでその繋がりでしたが、彼とも面識がある程度で、ほぼ話したことすら無かったんですよ。
彼の入社時、私は既にシンガポールに行ってしまっていましたので。

ある時、木村が突然Facebookメッセージで「事業についてちょっと相談があります」みたいな感じで連絡してきて…勇気出したと思いますよ笑

木村
そうですね。笑
さとしゅんサン
「まぁ金の相談だろうな」と思いました。それほど面識ないのに連絡してくる時って大抵そんなもんです。笑

ちなみにそのときって何歳だったっけ?

木村
24歳ですね。
さとしゅんサン
若くて元気のある感じだなと思いました。ただ案の定“事業戦略”とか当然全くゼロ。まぁ若くて勢いで起業するとそんなもんですからね。
横井
そうなんですねえ…。具体的には、どういった状況だったのでしょうか?
さとしゅんサン
「前職の広告代理店を辞めて、シェアリングサービスで新しいことやろうぜ!」みたいな雰囲気でしたが、その割にはその業界の知識もお金も無いし経験者もいない。 ただ世の中の流行りに合わせた事をやってみたい、という感じでしたね。

だから私は「そのままでは成功しない」って言いました。“若さ”という素晴らしい要素を持っているのは事実だけど、若さだけでは難しい。“若さ”というのは“推進力”方向性が決まって、勝てる道が見えれば、その推進力は活かされるけど、勝てもしない方向にいくら推進しても意味ないじゃない。
山の頂上に行きたいと思っているのに、気づかずに下山の方向に進んでしまっている可能性があるわけですよ。

横井
なるほど。。その“方向”を間違えないようにするために何か方法などはあるのでしょうか?
さとしゅんサン
成長マーケットと自己分析が必要なんですよね。そういう意味で “経験者の意見を聞いてみる”のは有効だと思います。私も若い時は全然分かってませんでしたよ。沢山痛い目にあって失敗を繰り返す中で、少しずつ軌道修正して今がある感じ。。まぁぶっちゃけ運が良かったんですよね、十分消えててもおかしくなかった。笑
横井
そう簡単にはできることではないんですねえ。
さとしゅんサン
でも起業に関しては、その方向性さえ間違えなければ、ある程度のステージまでは成功すると思います。その確率は9割と言っても過言では無いかと。

 

「今決めろ」

持ち帰って検討します、というのはサラリーマンだけに許された逃げ道

横井
では、お話を戻させて頂きまして、「BLAMの“シェアリングサービス”がそのままでは成功しない」と、さとしゅんサンが仰ったあとのことを教えて頂けますでしょうか?
さとしゅんサン
その場で、私が“ある条件”をつけたんですよ。 「とりあえず、その事業やめろ。」と。笑
横井
!?…どういうことですか?
さとしゅんサン
「成功の為の支援をする。でも、その条件は“今やろうとしている事業をやめること”」と。
横井
な、なるほど…。では事業としてどのような“方向性”が正しかったのでしょうか?
さとしゅんサン
その時点での彼らのやるべきことはすごく簡単で、新卒入社した会社でもともとやっていた“広告のビジネス”を柱とすること。
「今までやってきた土俵で、そしてその若さ(=推進力)があれば、絶対成功する。」と言いました。

なぜなら企業に属しているときは多くの搾取があるわけですが笑、営業成績が良い人は自分の給与の何倍も売り上げるわけじゃないですか。だから起業すればその搾取がなくなる分、絶対利益出せるんですよ。だからとりあえず、それをやれと。それをやるんだったら、すぐ出資するから、どうするか今決めろって言いました。

横井
おおお…“今”ですか。
さとしゅんサン
ただ、2人はその場で決めきれなかったんだけどね。笑 「うう…!いきなりそんなこと言われるとは…!」みたいな。
多分最初は相談して、アドバイスをもらったりとか、「こういう風にしたらいいんじゃないの?」みたいな、ゆる〜い提案をもらいにきたからだったんだろうけど。

で、「考えます」って帰ってから、どれくらいで「やります」って言ってきたんだっけ?

木村
翌日ですね。。

正直、初めましてでそのお話を頂いて、僕たち2人ともあの時は度肝を抜かれてしまいました…。笑

横井
確かに、それは面食らってしまいますね・・・。
さとしゅんサン
まあでもね、「今決めろ」って、とても重要なんです。それくらいの決断力が必要ですよ、経営には。「その決断力をつけろ」という意味も込めて言いました。持ち帰って検討します、というのはサラリーマンだけに許された逃げ道であって、彼らは独立したんだからその道を塞ぎたかった。

で、「やります」って言ったその日にカフェで会って、その場で(お金を)スマホから振り込みました。

横井
本当に「すぐ出資」されたんですねえ。笑
「今決めろ」というお言葉からも感じますが、やはり凄いスピード感ですね。
さとしゅんサン
もちろん契約書を作って条件とかは並べたけどね! まあ「それで問題ない」ってことだったから、サインした直後に振り込みました。

まあ実際、かなりお金には困ってたよね、相談に来た時点で。
すごい生活してたもんね?

木村
もやししか食べてなかったです。笑
その時点で資金が尽きてしまっていたので。
さとしゅんサン
そんな状態でもベクトルを定めて進めばBLAMが急成長するのはあの時点で見えてました。さっきも言ったように、本当に、若くて方向性さえ間違えなければ、ほぼうまく行くんですよ。ただ、もっと上のステージに行けるかどうかは、これからの彼ら次第だけどね。

 

リスクとリターンはバランスする

なんて恩知らずな奴なんだと思いました、正直。笑

さとしゅんサン
それからはキャッシュフロー経営の指導を徹底して3、4ヶ月くらいしたんだけど、そしたら若くて推進力もあるから、どんどん成功して売上も上がってくるんですよ。

そんな感じでやっと経営も安定して調子良くなってきたと思ってたらなんて言ってきたと思う?この人たち。笑

横井
な、なんでしょう?笑
さとしゅんサン
「僕が最初に支援した株式を売ってください」って言ってきたんですよ。笑

 

一同:笑

 

さとしゅんサン
なんて恩知らずな奴なんだと思いました、正直。笑
木村
いやあ。そう…ですよねえ。。
さとしゅんサン
当然ながら人間ってのは、“良い時”もあれば“悪い時”もあるんです。ただ良い時ってのはこのままずっとそれが続くと思うし、悪かった時のことは無かったことにしちゃいたい。嫌なことは精神的に忘れたいしね。でもそんなに現実甘くなくて、リスクとリターンは常にバランスしています。彼らが資本主義の原理原則を学ぶタイミングだな、と思いました。
横井
なるほど。。
さとしゅんサン
ですからそんなの簡単に許してたら、私としてはハイリスク・ノーリターンじゃないですか。笑

全てのエコシステムをぶち壊すような話になってしまうので。 でもまあ、正直色々あるけれども、BLAMの成長のためになるんだったら全面否定はしたくないなと思って、私の持ち分の半分を譲渡したんです。

 

 

義理人情を重んじる

背中押して頂いてお尻叩いてもらったからこそ、超がむしゃらにやった

横井
そういったことがありつつ、経営支援を続けられたのは、何か特別な理由などあるのでしょうか?
さとしゅんサン
いやまあ、なにより株主ですしね。成功してもらわないと困る。それに、私もずっと起業しかしてきてないような人間だから、やっぱり起業家が好きなんです。

あと全く出来なかった事が出来るようになっていったり、純粋に売り上げが上がっていったり、一緒に成長を感じられるって凄く嬉しいじゃないですか。 BLAMが成功して儲かっていくのは最高の喜びです。私は給料1円も貰ってませんが。笑

木村
当時、さとしゅんサンに背中押して頂いて、お尻叩いて貰っていたからこそ、超がむしゃらにやりました
さとしゅんサン
当時は事業も無いし売上もゼロだった。その時に出資してもらったから、やっぱり株主である私に対して説明責任を果たさなきゃいけない、と感じたと思います。でもそれが株式会社というものですよ。一生懸命やってたよね。
横井
素晴らしいお話ですね。。
そういった、義理人情を重んじてパワーに換えていく感覚っていうのは、やはり大切ですね。
(※「義理人情を重んじること」は現在BLAMの採用基準の1つです。)

そして、そういった過去があったからこそ、今のBLAMがあるということなんですね。。

木村
そうですね。現在BLAMはカンパニー制による分社化をしており、一方は我々の“いわば基盤”とも言える広告代理事業を推進しており、もう一方で新規事業を推進しております。
先程さとしゅんサンが仰られていたような“もっと上のステージ”に行けるように、より一層がむしゃらにやっていきたいですね。

 

若い人と仕事がしたいです。いくらでもメッセージください!

私も色々な会社や事業をやっているので、いろんな職を用意しますよ。

横井
お話頂きましたように、BLAMの成長を後援してくださったさとしゅんサンですが、他にもこういった事例はおありですか?
さとしゅんサン
「若手の背中を押す」という意味では、2017年8月に、Brand’s Right Handっていうファッションの会社の社長職を22歳の若者に譲りましたね。
横井
ええっ!?
さとしゅんサン
その子とはSkype面談だけで社長を任命しました。笑 まだ学生で、学校行きながらやってもらって。4月からは晴れて卒業して社会人ですね。

Brand’s Right Hand社は、私と平澤さん(日本コロムビア株式会社などを傘下におさめるフェイス社社長)とで一緒に作った会社です。本人にとってもとても良い経営経験が出来ると思いましたし、何より若い人にやってもらいたかったんです。

横井
聞けば聞く程凄い話ですね…!
さとしゅんサン
彼もBLAMの経営陣同様、今がむしゃらに頑張ってますよ。 若い人たちには本当にチャンスを与えた方がいいよね。
横井
確かにそうですね…!
さとしゅんサン
私も色々な会社や事業をやっているので、いろんな職を用意しますよ。山田孝之くんの取締役CIOも驚いたでしょ。笑
横井
驚きましたね…笑

それにしても、、こういったお話は学生さんや起業家を目指す人にとってもの凄い刺激になるでしょうね。

さとしゅんサン
若い人とどんどん一緒に仕事がしたいです。いくらでもメッセージください!

 

まとめ

いくつもの急成長し続ける事業を手がける佐藤氏から、今回、「人や企業に様々なチャンスを与え、育てていこうとする意志」を感じました。

そして、その理由について「起業家が好き」「一緒に成長を感じられるって凄く嬉しい」などといった言葉を選んで話されていたことは非常に興味深かったです。
「ここに“さとしゅんサンの後ろに人がついてくる理由”が隠れているのかもしれない」と思いました。

上記のような、好奇心にも似た感情から起こる行動だからこそ、“狡さ”がなく、関わる人間に対して精神的に良い影響を与え、行動として返ってくるのかもしれません。

今後、「新しい時代の働き方の一つとして、独立や起業していく人が増えていく」という見方もできますが、そういった起業家を志す人にとって、このような考え方は大切な要素の1つなのかもしれないですね。

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横井貴明

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DIGITALIAN編集長。本職はお笑い芸人です。書道が好きです。

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