森友学園への国有地売却に関する決裁文書をめぐる疑惑で、財務省が3月12日、文書の書き換えがあったことを認める調査結果を、与野党に報告した。
【これまでの経緯はこちら】《3分でわかる》森友学園、財務省の文書「書き換え」疑惑をイチから振り返ってみました
ハフポスト日本版は、この報告書を入手。報告書で財務省は複数の決裁文書について「書き換えがあった」と認めた。
その上で、国有地の借地契約や売買契約に関する決裁文書について「書き換え前」と「書き換え後」を比較するかたちで作成された。
このうち、「特例承認の決裁文書(1)『普通財産の貸付けに係る承認申請について』」(平成27年2月4日)では、近畿財務局と森友学園との打ち合わせについて言及した部分を削除。そこには、安倍昭恵氏の名前があった。
以下に、削除された部分を紹介する。
H26.4.28
近畿財務局から森友学園に対し、資料提出を速やかに行うよう要請したところ、森友学園から(1)当初計画していた本年7月の大阪府立審議会への諮問を本年12月に変更したいので、その前提で対応してほしいとの要望とともに、(2)豊中市との開発協議を急ぐ必要があるため、大阪府が小学校新設に係る設置計画書を受理した段階で、近畿財務局から豊中市に「森友学園との本財産の契約を締結することを証する」旨の文書を提出してもらいたいとの要望あり。
なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が並んで写っている写真を提示。)
■公文書は「民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」
公文書の扱いについては、公文書管理法で定められている。
同法では公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」と位置づけている。
その上で、「経緯も含めた意思決定に至る過程」を「合理的に跡付け、又は検証」するために、行政機関に公文書の作成を義務づけている。
同法に基づく「行政文書管理規則」では、今回の土地取引のような国有財産(不動産)の処分に関する決裁文書の保存期間は「30年」と定められている。