こんにちは。
Detch UP!!です、こんにちは。
今日は「うみねこのなく頃に(2009)」の真相と解答と魅力を、ご紹介します。
※本編ネタバレ、盛大にあります。
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本編で明言されなかった、真相と解答。
前作「ひぐらしのなく頃に」の大ヒットに続いて、大きな期待と注目の中で発表された本作ですが、難解で複雑な世界観と、ミステリー仕立ての作品であるにも関わらず、結末で明確な解答が示されなかった事が、かなりの批判をされました。
私自身も本編を視聴した後は全く訳が分からず、ネットで色々な一般ユーザーの方のブログなどを見て真相を知ったのですが、「本編を見たけどよく分からなかった」という方に、うみねこのなく頃にの「解答と真相」を、ザックリとネタバラシします。
作者が明示しなかった以上「個人の推理」であることを前置きしておきます。
3分で分かる、うみねこの真相と解答。
六軒島連続殺人事件とは、魔法とかではなくて、全て人間が起こして行った事件です。
事の起こりは戦時中、主人公右代宮戦人の祖父右代宮金蔵が、六軒島で初代ベアトリーチェと出会い、二人の間に娘(二代目ベアトリーチェ)が出来ます。
初代ベアトリーチェは、産後の肥立ちが悪く死亡します。
金蔵は、生まれた二代目ベアトリーチェを死んだ初代ベアトリーチェの生まれ変わりだと信じ、二代目ベアトリーチェとの間にも子供を作ってしまいます。
これが安田紗代(三代目ベアトリーチェ、通称ヤス)です。
二代目ベアトリーチェは、海岸で崖から落ちて死亡してしまいます。
ヤスは多重人格者で、紗音、ベアトリーチェなど複数の人格を持っています。
嘉音も、ヤスの人格の呼び名の一つです。
※これが、「アニメを見ている私達視聴者には複数の人間に見えても、実際には一人の人間」という叙述トリックになっており、一見人間に不可能に見える連続殺人を成立させています。
そして「ベアトリーチェ」という名称で登場する人物が、実際には三人います。
※これは、「アニメを見ている私達視聴者には一人の人間に見えても、実際には複数の人間」という叙述トリックになっており、一見人間に不可能に見える時系列などを読み解く鍵になっています。
※また、人格をカウントする際には、沙音、嘉音などはそれぞれ「1」にカウントされ、ベアトリーチェは魔女であるためにカウントされません。
物語の中で人数が出てくる場合に「人間の肉体の数」をカウントしているのか「人格の数」をカウントしているのかが伏せられており、これも一見不条理に見える数字を読み解く鍵になっています。
ヤスは、金蔵が近親相姦の過ちを繰り返さない為に、出生の秘密を隠して右代宮家に使用人として連れてこられ育ちます。
金蔵は、86年の六軒島連続殺人のかなり前に死んでいますが、死ぬ前に碑文の謎を解いたヤスに右代宮家当主の地位や財産を相続しています。
ヤスは紗音の人格で、戦人に恋をします。
戦人はヤスに、「白馬に乗って迎えに来る」という約束をしますが、翌年から家庭の事情で親族会議に来れなくなります。
紗音人格のヤスは、戦人がいつまでも迎えに来ない事に傷つき、戦人への恋心を自分の別の人格(ベアトリーチェ人格)に預け、別の恋を探します。
ヤスの紗音人格は、譲治と新しい恋をし、交際を進めます。
しかし、86年に数年ぶりに戦人が親族会議に帰って再会した為に、ヤスの中の2つの人格が、紗音は譲治に、ベアトリーチェは戦人に、別々に恋をしている状態になります。
ヤスは自身の恋に決着をつけるべく、
1、戦人と結ばれる。
2、譲治と結ばれる。
3、または誰とも結ばれない。
の三つの結果の可能性がある事件を起こそうとしますが、未遂に終わります。
なぜ未遂になったかというと、ヤスが事件を計画した前日に、戦人の両親ルドルフと霧江が、右代宮家の資産を我がものにせんと、他の親族を次々に殺し始めたからです。
譲治も殺されてしまいます。
ルドルフと霧江は、絵羽に返り討ちに会い死にます。
ヤスは戦人と逃亡しますが、ヤスは自分の恋に決着がつけられなかった事に絶望し、海に飛び込み自殺をしてしまいます。
結局事件の後には、戦人と絵羽の二人だけが生き残りました。
戦人はヤスを助けようとした際に、溺れて記憶と人格を失ってしまいます。
しかしその後、徐々に断片的な事件の記憶を取り戻し、「偽書」を書きます。
この偽書というのは、六軒島連続殺人事件をフィクションとして虚実をない交ぜて「戦人が書いた小説」であり、
【私達視聴者が見ているうみねこの各エピソードは、この「戦人が書いた【偽書】という小説」である】
という事が、「うみねこのなく頃に」の真相であり、解答です。
他、いくつかの出題に対しての解答。
私達視聴者は、偽書に描かれたフィクション世界を見て、
・実際の六軒島連続殺人事件の発端や経緯。犯人など事件の全貌。
(上の通り。)
・この物語における魔法の有無。
(魔法は無い。思想や概念としてはともかく、事象としては無い。)
・黄金卿のありか。
(九羽鳥庵という、六軒島内の隠し施設。
台湾の地理を知らないと、碑文の謎は全く解けない様になっています。)
・ベアトリーチェの最後のクイズ
「この島から戦人以外誰も人間がいなくなっても戦人を殺す、わたしはだあれ?」
(予め六軒島にセットされた時限爆弾)
を推理する、というものでした。
視聴者に色々推理させておいて、まさかの解答発表無し‼
しかしこの作品には解答編パートが無く、
「視聴者のたどり着いた答えが真実」
というミステリーとしては掟やぶり(マナー違反と言ってもよいでしょう)な結末が、多くの非難を集めました。
私もこの作品の見せ方に、アンチの感想の視聴者です。
例えばもう少しシンプルな構造の物語であれば、「解答編無し」なども受け入れられたと思います。
ですが、この作品ではあまりに様々な要素や沢山の登場人物をゴチャゴチャに絡み合わせた上で、視聴者に謎かけをし続ける口調で物語が進み、継続的に興味を惹かせ続けた上での結末であり、解答編パートは無ければならなかったと思っています。
ですが、それでも「うみねこのなく頃に」が好きです。
二周目をもう一度見たのは真相を知った後ですが、改めて見返してとてもおもしろい作品だと思います。
まず舞台のロケーションが好きです。
「本土と断絶した孤島で、天候という不確定要素により発生した密室」というシチュエーションと、その意味の持たせ方は凄いですね。
またキャラクターも魅力的です。
ヒロインの大部分が「子持ちの人妻」というのは、かなりの目新しさでした。
登場キャラクターでは、戦人と楼座と絵羽が、好きでした。
難解なストーリーの中で比較的裏表の無い性格のキャラクターなので、感情移入しやすかったからだと思います。
各エピソードのトリックも、面白いですね。
叙述トリックというのは、文字だけのミステリー小説などでは前例もある古典的なものですが、アニメ版では小説でも実写でもないアニメという表現方法の中で、上手く見せてくれています。
また、「登場人物のほぼ全員共犯」なども、やはり古典的ミステリーで前例があるのですが、大好きです。
アガサ・クリスティの名作「そして誰もいなくなった」のオマージュと思われる部分なども、大好きです。
物語の枝葉の部分で、回収されきれてない伏線などもかなりありますが、、、。
なにより、これだけミステリーにも造詣の深い作者が、なぜミステリーとしての見方で作品を楽しんできた視聴者を満足させられる内容の結末を作らなかったのか?
今もって最大の謎ですね。
使ってみよう!!名セリフ!!
「わたしは、だあれ‼」
【用法】
・自分が誰か分からなくなったとき。
・爆発してしまいそうなとき。
など
OP「片翼の鳥」を、演奏してみた。
「海鳴りの調べに、黒雲は空へ集う~」
作詞:波乃渉/作曲、歌:志方あきこ
演奏してみた感想
「今までに演奏してみたアニメ楽曲の中で、トップクラスに難しかった1曲です。
うみねこのなく頃にという作品自体が、難解な物語でしたし、OPがこういう音楽的に難しい曲だったのは、個人的にはむしろ嬉しかったですね。
特に、メロディの最後の音の解決感の無さは、うみねこにぴったりだと感じました。
(演奏は、弾くだけでいっぱいいっぱいになっちゃいましたが!!)
志方先生の作曲カラーがあふれる、美しい曲です。」
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