日本人のソウルフードともいえる「ラーメン」。
みなさんも大好きですよね?
全国のラーメン店総数は35,000軒以上といわれ、まさに「ラーメン天国」な日本。
でも店側にしてみれば、まさに暗闘反目の世界。
売上の伸び悩みに頭を抱える店主も少なくないのでは?
・どうすればもっとお客さんを呼び込めるのか?
・売上アップの法則があれば知りたい!
そんな思いを抱えるラーメン店主や、これから開業したいと思っている方のため、「日本一の売上完全特化型ラーメン店デザイナー・マーコ氏」に、ラーメン店を成功へ導く秘策をとことん聞いてきました!
ところで、マーコ氏って何者なん?
▲日本一の売上完全特化型ラーメン店デザイナーであるマーコ氏
ただ、気になるのが「日本一の売上完全特化型ラーメン店デザイナー」、そして「マーコ」という、なんともうさんくさい肩書とネーミング。
いったい彼が何者なのか、探りを入れてみることに。
── あの……「売上完全特化型ラーメン店デザイナー」って何をするんですか?
ラーメン店の売上アップにつながるデザインを提案しています。外観、内観、ユニフォームからどんぶりに至るまで、トータル的にアドバイスしていますよ。
── 普通のラーメン店デザイナーと何が違うのでしょう?
「売上を上げること」に徹しているんです。仮に、一般的なデザイナーに「NGなデザイン」と言われても、“売れる法則”であればその後1,000回は同じ手法を用いるでしょう。そのくらい「売上を上げること」にしか興味がありません。
── マーコさんご自身は何者なんですか?
もともとはただのラーメン好きです(笑)。ラーメン界を盛り上げたいとの思いで試行錯誤していたら、デザインが売上に影響することに気づいたので、売上完全特化型ラーメン店デザイナーを始めました。ほかにも、神奈川県を日本一のラーメン大国にすべく立ち上げた「神奈川のラーメンを盛り上げよう! 会」の会長もしており、“日本一家系ラーメンを食べている男”でもあります。
▲マーコ氏イチオシの家系ラーメン店「末廣家」 ※注:デザイナー業とは一切関係ありません
これまで150店舗以上のラーメン店のデザインを手掛け、そのすべてで売上アップを達成しているらしい。
その根底には、独自の集客理論があるとのこと。
ネーミングはさておき、ラーメンに懸ける熱量とプロフェッショナル度はかなりのもののようだ。
また、「日本一家系ラーメンを食べている男」という別の顔も持ち合わせているとのこと。
せっかくなので、マーコ氏が「日本一おいしい家系ラーメン店!」と断言する「末廣家」で、売上アップの独自理論を実例とともにうかがうことにした。
売上を上げる「ピアス vs 髪型理論」と「看板活用最強術」
▲末廣家の「ラーメン・並」(680円)
── さっそくですが、確実に売上を上げるという「独自理論」を教えてください。
まず、「ピアス vs 髪型理論」です。丸いピアスを星型に変えたところで気づかれることはほとんどありませんが、髪形を変えた場合は多くの人が気づきますよね。それと同じで、お店で大きな面積を占める部分を変えるとお客さんの目に留まりやすく、訴求力が生まれるんです。変え方によっては3~5倍くらい集客を上げることができますよ。
── 具体的には、どこを変えるのが一番いいのでしょうか?
正面看板です。大きければ大きいほどいいので、駅前立地で横幅5メートル、ロードサイドなら最低8メートルはほしいですね。店舗から探すときはそのくらいの看板が掲げられる物件を優先しますが、既存店で店構え的に難しいときは、可能な範囲で最大限大きく作ります。
── 看板が大きくても集客に手をこまねいているラーメン店は少なくないと思うんですけど……。
おいしそうに見える看板デザインも大切です。そこで私が用いるのが「看板活用最強術」です。看板に使用する色は赤・白・黄の3色が鉄板。色の配分は、家系やみそ系など業態ごとに使い分けます。あとは文字。店名は極太文字を使ったほうが、視認性や「おいしそう感」が生まれます。系統などを小さめの文字で載せて全体的なバランスを取ると、なお集客力が上がります。ちなみに、小さい文字と大きい文字の比率は7:3くらいがベストですね。
【ピアス vs 髪型理論 & 看板活用最強術の実例】
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After
このお店では「ピアス vs 髪型理論」の「大きな面積箇所を変える!」に伴い、10メートル級の看板を3面新設しました。
夜の集客を上げる不夜城風「ギンギラギン術」
── ほかにも独自理論はありますか?
照明の「ギンギラギン術」です。明るいほど安心感やおいしそう感が生まれるため、「不夜城」をコンセプトに夜の集客力を高めます。えげつないくらい明るいほうがいいですね。
── 具体的にはどのくらいの明るさでしょうか?
看板アームライトは1メートル間隔、つり下げ裸電球はLED100ワット相当を40センチ間隔で設置します。色は絶対に電球色。ラーメンに限らず食全般にいえることですが、温かみがあっておいしそうに見える色味なんですよ。
【ギンギラギン術の実例】
夜の集客力を高めるべく、つり下げ裸電球を40センチ間隔で設置。まさに不夜城、そしてハレーションを起こすギンギラギン度に仕上げました。
── 看板のほかに外観で重要なポイントはありますか?
看板にプラスアルファであったほうがいいものは、ラーメンの写真を載せたタペストリーですね。インパクトが出て、よりお客さんの目に留まりやすくなります。立地によっては袖看板やスタンド看板も有効ですが、やっぱり正面看板が最強です。
【外観インパクトアップの実例】
Before
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After
看板リニューアルおよび新設、タペストリー新設、ライティング力強化など総合的に強化した結果、売上げ3倍アップに成功しました。
店内はお祭り騒ぎが最高!? おいしく見せる「ビジュアル8割の法則」
── 店内はどうでしょうか?
内観も、明るく活気に満ちているほどいいですね。店内にも電球色の裸電球をぶら下げ、カウンターの上などには鉄板の3色を用いた看板やメニュー表などを掲げます。お祭り感が満載だと最高です。
【内観の実例】
Before
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After
外観の期待感に負けないよう、内観もお祭り感たっぷりに。お客さんの印象やワクワク感アップを狙います。
── メニューや盛りつけなど、細かな部分での法則はありますか?
「ビジュアル8割の法則」ですね。メニューは写真入り、どんぶりや盛りつけを工夫して、おいしそうなビジュアルにすることも大切です。最近はインスタ映えを意識することもありますよ。人間は「頭で食べる生き物」なので、見た目も味覚に影響するんです。ユニフォームをそろえるとか、オリジナルデザインのどんぶりを使うとか、ワールド感を意識することもおすすめです。
【ビジュアル8割の法則の実例】
▲オリジナルデザインのどんぶり
▲コントラストで、黒一色のどんぶりよりもラーメンが映える
「ビジュアル8割の法則」をさらに強化すべく、どんぶりにデザインを入れることでラーメンをよりおいしく見せます。デザイン次第で口コミも起きます。
デザイン変更だけで売上600%アップは可能なのか!?
「外観や内観を変えるだけで売上を上げる」と豪語するマーコ氏。
ナルホドと思う部分はあるものの、実際どのくらいの効果があるのか?
疑問に感じたことをぶつけてみることに。
── 実際にどのくらい集客を上げることができるのでしょうか?
目標として掲げている集客数は1日200人、1カ月でのべ6,000人です。これまで、1日の来客が30人とか、ひどいと0~1人なんてラーメン店でも、目標近く、もしくは目標以上の集客に成功しましたよ。
── でも、ぶっちゃけ、店の見た目よりも「味」の方が重要じゃないですか?
そのとおりです(笑)。でも、どんなに完成度の高いラーメンでも、お客さんが入らないとその味を知ってもらうことはできませんよね。いわば、見た目を変えることは集客のきっかけづくりなんです。その後にリピーターをつけたり知名度を上げたりできるかは、店主次第ですね。
── では、今までお客さんが少なかったお店が看板だけ変えても、集客は一時的ということですか?
ラーメンの味や接客態度が変わらなければ、そうなりますね。なので、ラーメン自体や接客のアドバイスも一緒にしていますよ。ただ、それを持続できるかどうかは店主によるので、結局は店主のヤル気と根性が大事なんだと感じています。
以前、味から手直しして再建を図ったラーメン店で、「オープン日には300人前は用意して」とお願いしていたにもかかわらず、50人前しか準備してなかった店主がいたんです。午前中で完売し、後から来たお客さんはカンカン。それなのに、翌日も翌々日もなぜか50人前しか準備していなかったので、「お客さんをなめている!」って叱ったこともあります。
── アップした売上を継続できるのはどんな店主でしょうか?
お客さんから見えないところでもきちんとやる、常にお客さん目線で味やビジュアルを考えるなど、日々真面目に取り組んでいる店主ですね。簡単そうで、意外とできていない人が多いんですよ。
── マーコさんのアドバイスを真摯(しんし)に受け止めたら、「売上600%アップ」なんてことも可能ですか?
やり方次第では可能です!
── ちなみに、ここまで手の内をバラして仕事に支障はないですか?
……あっ! しまったぁぁぁ! な〜んつって(笑)。まあ、大丈夫でしょう……。
マーコ氏イチオシの「日本一のラーメン店」は、どこ?
「日本一の売上完全特化型ラーメン店デザイナー」であり、「日本一家系ラーメンを食べている男」でもあるマーコ氏。
ついでなので、ラーメンに関する質問も投げかけてみた。
── マーコさんから見て「日本一」のラーメン店はどこですか?
味噌系なら、札幌の「彩未」です。「すみれ」ののれん分け1号店なのですが、本店よりも味のバランスが取れていて、フィギュアスケートで言うところのノーミスに匹敵する完成度ですね。
醤油系なら、尼崎の「ロックンビリーS1(スーパーワン)」。関東にあった「69’N’ROLL ONE」が移転したのですが、鶏ベースの醤油感たっぷり系スープの走りのようなお店だけあって、レベルがすごく高いです。
── では、「日本一おいしい家系ラーメン店」に「末廣家」を挙げたのはなぜですか?
ここは家系ラーメンの元祖「吉村家」ののれん分け店なのですが、すべてが100点満点の“スーパーサイヤ人家系ラーメン店”だからです。味だけは100点、ビジュアルだけは100点、接客だけは100点という家系ラーメン店は数多く存在しますが、すべてが100点満点という家系ラーメン店は「末廣家」だけです!
▲マーコ氏と、末廣家店主の末廣さん
すべてが100点満点!!!
「日本一家系ラーメンを食べている男」をそこまで言わしめるには、よほどのこだわりがあるに違いない。店主の末廣さんにもお話をうかがってみた。
── ラーメン作りでもっともこだわっているのはどんなところですか?
吉村家さんの味を忠実に継承しつつ、“本物”を提供することです。そのためには、手抜きをしないこと。ほうれん草は国産の生を使用し、ゆでたあと2回冷水で締める、トンコツも国産の生を使い、味がブレないよう常に微調整する、醤油を入れるときも1cc単位で計るなど、1人で仕込みをしていても、常にお客様から見られている意識で取り組んでいます。
また、ライスはできるだけ炊き立てに近いものを口にしていただけるよう、1回1.5升を日に何十回も炊いています。手間はかかりますが、炊いて時間の経ったライスよりおいしいですからね。
── チャーシューのインパクトが大ですが、そちらもこだわりはありますか?
国産の生の豚肉を焼いて作っています。部位や大きさが違っても均等に熱が入るように焼き、完全に熱が入る一歩手前で上げて、スープの熱で完成するようにしています。そうすることで、柔らかさとジューシーさをいかせるんですよ。大きさもできる限り均等になるように、カットを工夫しています。
── 日々心がけているのはどんなことですか?
「食べて喜んでもらうだけでなく、感動をもって帰ってほしい」という思いです。接客はもちろん、スタッフ同士でも店内の雰囲気をギスギスさせないように接したり、お客様からは見えないところも光るまで磨き上げたり、お客様に気持ちよく召し上がっていただける環境づくりも意識しています。
末廣さんのお話を聞いていて、ふと思った。
先ほどマーコ氏が「売上アップを継続できる店主」として挙げた店主像に、ぴったり当てはまるではないか!
思わず足を踏み入れたくなる外観で集客を図り、味も雰囲気も満足ゆくラーメンと接客、内観で「また来たい」と思ってもらえれば、おのずと繁盛店になっていけるのだろう。
言葉で言うほど簡単なことではないだろうけれど、売上アップを望む店主、そして未来の店主たちのヒントになってくれれば幸いである。
売上完全特化型ラーメン店デザイナー マーコ氏のホームページ
マーコの辛口ラーメンチェック 横浜のラーメン、神奈川のラーメン情報サイト
お店情報
末廣家
住所:神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-14-7
電話番号:045-642-3400
営業時間:11:00~21:00
定休日:日曜日