受験生不在の英語入試改悪 阿部公彦氏が「格差拡大」警鐘
大学入試真っただ中だが、2020年度からいわゆるセンター試験の英語が大きく変わるのをご存じか。スピーキング(話す力)が重視され、外部委託という形でTOEICや英検のような民間業者の試験の点数が入試で採用されることになるのだ。
しかし、制度変更の背景には業者試験導入ありきの利権が見え隠れする。裕福な家庭の子どもほど有利になり、格差が拡大する恐れもある。受験生不在の英語入試改悪を、英文学者で東大文学部准教授、「史上最悪の英語政策」(ひつじ書房)の著者・阿部公彦氏が断罪――。
■これからは4技能が必須という不可思議
――入試英語が大きく変わる。しかし、あまり知られていませんよね。
そうなんです。子どものいる親御さんどころか、大学の教員でさえ実態を知らない。これから議論が進むのかと思っていたら、するするっと決まってしまいました。2020年度から英語試験は民営化されます。当初4年間は、センター試験と民間業者の試験を並走させ、24年度にはセンター試験を廃止、業者試験のみになります。年に複数回行われる民間試験の得点が入試に反映される形になる方向です。