家庭の雑務管理にExcelが向いているワケ
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私は最初に入った会社で、Excelスプレッドシートを溺愛している上司の下につきました。彼女は、あらゆるものは「ボックスと行」に入れることができると考えている人で、私も一年が経つころにはすっかりExcel教の信者となっていました。
整理することが大好きな私にとって、スプレッドシートはまさに自分のためのツールであり、その秩序と明快さにすっかり心を奪われてしまったのです。イベントの企画? スプレッドシートを使います。部長の航空券とホテルの予約? スプレッドシートです。新年度の目標? もちろん、スプレッドシート。
その会社を離れてかれこれ10年近く経ちますが、そこで学んだスプレッドシートのパワーについては片時も忘れることはありません。私には3人の子どもがいて、そのうち2人はホームスクールで、私はフリーランスライターとしてパートタイムで働いています。もしスプレッドシートがなかったら、母親業と仕事を正気のままでやりきることはできなかったでしょう。
もしあなたが、多忙な日常生活にExcelを導入していないとしたら、人生を損しているといっても過言ではありません。今回はそんなあなたに、スプレッドシートのすばらしさを教えてあげようと思います(いつの日かストレスから解放されたあなたは、私に心から感謝するでしょう)。
予算計画だけではない
Excelを使って月、年の予算計画を立てられます。ボックス内に数式を打ち込めば、データを自動で計算させることができて便利です。とはいえ、Excelは基本的に、ボックスが縦横にずらっと並んだものと考えることもできます。それだけでも十分に便利です。
私は、フリーランスの仕事に関する情報と、子どもたちのホームスクールの計画をすべてスプレッドシートで管理しています。とくに忙しい週を迎えるときは、専用のスプレッドシートを1つ作って、一日ごとのToDoタスクを書き出します。そうすることで、効率的な時間管理ができるのです。
「サマーキャンプのスケジュール」「毎月の学費の支払い」「子どもの大学の願書」「クリスマスのギフトと予算計画」「車の相乗りのシフトとPTAの募金活動」などはすべて、スプレッドシートで管理できます。3人のこどもが毎シーズン別の会場で試合をする? まさにスプレッドシートの出番です。
とにかく使いやすい
スプレッドシートが持つシンプルな形式のおかげで、頭が混乱しがちな人でも、すっきりと情報をまとめることができます。どの情報をどのボックスに入れるかを決めたら、あとはデータをそのとおりに流し込むだけです。このやり方は、あらゆるものに応用できます。私はかつてブレットジャーナリングを試したことがありますが、すぐに、紙にインクで書かれた情報の永続性にストレスを感じるようになりました。1度書いたものを削除したり、変更するには、ページを余計な線で汚すか、ページを破るかのどちらかしかありません。
また、ジャーナリングのために、物理的なノートを文字通りどこへでも持っていく必要もありました。携帯性で言えば、スプレッドシートのほうがずっと優れています。Gmailアカウントを持っていれば、Googleドライブのなかで、Excelのスプレッドシートを新規に作成したり、ファイルをアップロードすることができます。つまり「デスクトップ」「ノートパソコン」「スマートフォン」「タブレット」、どこからでもいつでも好きなときにスプレッドシートにアクセスできるということです(もちろん、ExcelだけでなくGoogleスプレッドシートを使うこともできる)。
Excelのシンプルなレイアウトのおかげで(TrelloやOneNoteと違って)、さまざまな応用が可能です。少し古臭い感じがするかもしれませんが、逆に言えば、テクノロジーにうとい人でも使えるということ。Excelを習得するハードルは決して高くありません。
情報管理アプリは無数にありますが、そのほとんどは1種類の情報(Remember the MilkはToDoリスト、Coziはファミリーカレンダー、Mintは予算)を管理するためにつくられています。Excelを使えば、1つの場所で、さまざまなタイプの情報を統合的に管理できますので、複数のアプリを行ったり来たりする必要もありません。
流動的な情報を管理する
いくらスプレッドシートを愛していると言っても、Excelよりもシンプルなノートアプリやメールのほうが向いていることもあります。子どもが図書館で借りた本の返却期限などは、わざわざExcelを使わなくても、そこらへんにメモしておくだけで十分です。
スプレッドシートが最も効果を発揮するのは、複雑な情報を管理するときです(流動的な情報が1つ以上ある場合)。スーパーの買い物リストは紙にメモできますが、週の献立を考えるときには、スプレッドシートのほうが向いています。曜日ごとに行を作り、献立を書き入れ、必要な食材をリストし、オンラインレシピへのリンクをつけて、注意書きをメモしておきます(翌日使う肉を今晩中に冷凍庫から出して解凍しておく、など)。
別の例で言えば、家族で行く休暇旅行の行き先をブレインストーミングするのにExcelは向いていませんが、候補地それぞれのメリット、デメリット。どんなアトラクションがあるか、想定される観光費、滞在費などを書き出すのには間違いなく向いているということです。
あなたにもできる
私程度にはExcelを使いこなせるようになるための、簡単なヒントを紹介しておきます。
- タブを使う。私はフリーランスの仕事を管理するために、Excelファイルを1つしか使っていません。1つのファイルに8個のタブを作成して、それで仕事関係の情報をすべて管理しています。開かなければならないファイルはたった1つで、なおかつ、うまく整理されているので、必要な情報がすぐに見つかるようになっています。
- 見出しを太字にする。個人的な美的センスの問題なのかもしれませんが、カテゴリーの見出しを太字にする(列、行、あるいは両方)と、必要な情報を見つけやすくなります。
- ボックスに詰め込みすぎない。スプレッドシートの素晴らしさの1つは、その見やすさにあります。まっすぐな線が目で追いやすく、データをすばやく見渡せることが特徴。1つのボックスにテキストを詰め込みすぎると、見やすさが失われてしまいますので、1つのボックスには1口サイズのデータを入れるようにしましょう。
Image: Lifehacker US
Sarah Bradley - Lifehacker US[原文]
訳:伊藤貴之