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2018年03月11日

「資料発掘と利活用 : アーカイブサミット2017in京都へのリプライ」の司会側メモ

 デジタルアーカイブ学会第2回研究大会にて、「資料発掘と利活用 : アーカイブサミット2017in京都へのリプライ」というお題の短い企画パネルがおこなわれ、その司会をしてきましたので、その若干のメモです。

 デジタルアーカイブ学会第2回研究大会@東京大学(2018.3.9-10)
 http://digitalarchivejapan.org/kenkyutaikai/2nd_program

 アーカイブサミット2017京都については、がっつりたっぷりの下記の記録群をご参照ください。
 http://archivesj.net/summit2017archive/

 今回の企画パネルでは、↑このアーカイブサミット2017京都で何が話しあわれたかをまずざっくりレビューする、そのあとでいくつかの論点についてフロア全体でディスカッションする、というわけで、つまりは”アンサーパネル”であり、ていうかまだその話するかという”焼き直し”でありながら、出汁をとり尽くしてかっすかすになった昆布と鰹節を醤油と山椒で煮詰めたらいい飯の友になった、みたいな感じのやつです。
 なお、このメモは司会目線の主に進行等に関することに触れており、いつもながら司会しながら内容のことも追うなんて器用なことできてやしませんので、議論の内容については下記の、有能な記録者2名によるツイートまとめをご参照ください(助かりました、ありがとうm(_ _)m)。

 「資料発掘と利活用:アーカイブサミット2017in京都へのリプライ」@デジタルアーカイブ研究大会(20180310) - Togetter
 https://togetter.com/li/1207275

・時間は75分。パネルと言いつつ実態は、司会1名とメインコメンテーター1名。あとはフロアに積極的にふっていくという形で議論の場をつくっていこう、たぶんサミット参加者や各分野キーパーソンが来てるだろうから、というのが全体の目論見。
・当日実際のタイムラインはこんな感じ。
 (前半:レビュー)
 -サミット全体のレビューを時系列に沿って、おおまかに。
 -各セッション・シンポについて、フロアにいたサミット参加者にコメントしてもらう。
 (後半:ディスカッション)
 -これから議論する論点をいくつかピックアップする。
 -論点について、フロアへの使命や挙手で議論。
・正直、想定していたよりもフロア来場者が少なかったため、これフロアが暖まるのにちょっと時間かかりそうだな、という感じだったので、フロア暖め目的半分と時間稼ぎ半分とで、「各セッション・シンポについてのレビュー」を丁寧めにする方向に途中から切り替えた感じ。幸いなことに、フロアを見渡すと当日各セッション・各シンポのキーパーソンがわりと揃っていらっしゃったし、しかも話し上手の方揃いだったので、後半ディスカッションの地固めをしていただけた感じになったかなと。
・という意味では、前半でフロアのあちこちにいる方々に長めではあってもコメントしてもらえたことが、結果として、論点のわかりやすさと、視点の多様さと、フロアからもこんなにしゃべっていいんだ(しゃべらされるんだ)的空気の醸成とにつながった、という感じだと思います。後半ディスカッションがやっぱり結果的に時間足りなめにはなりましたが、前半の粘りがなかったら後半に時間足りなめと思えるくらいのコメント多出は難しかったろう、と。
・とはいえ、司会からの根回しも前触れもない無茶ぶりを、それでも受け止めてしゃべってくださったフロアのみなさんに、心より感謝(とお詫び)申し上げます。
・そう、ここまで来てお気づきの通り、この企画パネルはフロアのみなさんからのコメントで成り立っています。それはちょうど、この番組はみなさんからのお便りで成り立っていますというラジオ番組のように。壇上にパネラーが上がってないわけです、パネラーはフロアにいらっしゃるみなさん全員ですから。よく「会場全体で議論を」とは言いつつもまあまあメインの話者がメインでしゃべってプラスアルファでフロア、くらいの感じじゃないですか。違います、もうマジでフロアにおんぶにだっこです。
・配付資料は、「サミット当日配布のプログラム(大枠を示す)」「セッション6つのグラフィックレコード全て(論点とキーワードを視覚で示す)」「カレントアウェアネスの報告記事(企画意図・姿勢を示す)」の3種類。どれも、サミット参加者には記憶を呼び覚ましてもらい、非参加者には理解の補助としてもらうためのものとなったと思うのですが、3点目のカレントアウェアネス報告記事については、その場でじっくり文章を読むなんてことをする人はまあそうそういないと思うので、口頭で少し丁寧めに語っておいてもよかったかなと。
・論点整理としてピックアップされたのは6つ。
・正直、司会の自分が論点を言う係だとは思ってなかったので何も考えてなかったのですが、計画当初に用意していた論点をとっさにひっぱり出してきて、前半レビューに出てきたキーワードでアレンジして、保険として多めに4つ(①資料発掘、②利活用と民主化、③ジャパンサーチ、④人材と社会還元)。
・思いつきでなんとなくフロアに「論点ありませんか」と問うと、2つも出たので、この瞬間に、あ、このパネル、少なくとも失敗にはならずに済んだな、とホッとしましたよね。
・出してもらえたからにはと、⑤現在資料を先にディスカッション始めたところ、最初は司会や壇上から関係論者をまたも指名(無茶ぶり)する感じで、それもさぐりさぐりのスロースタートではあったのですが、一ツ橋のCiNii先生が手を挙げてこちらに合図を送ってくれはった辺りから、潮の流れが変わり始め、あと堰を切ったように我も我もと挙手発言が続くようになり、この時点で、6つあった論点のうち4つは切り捨てる決断で、流れに任せてしゃべりたい人に全部しゃべってもらう方針にシフトした、ていう感じ。そうでしょう、ほんとはみなさん、しゃべりたかったんでしょう?と壇上から見てましたよね。これが、「⑤現在資料ディスカッションのここがスゴかった!」その1。
・「⑤現在資料ディスカッションのここがスゴかった!」その2。現在資料のアーカイブという切り口で、公文書の話をするべき人が公文書の話をし、アニメマンガの話をするべき人がアニメマンガの話をし、レコードマネジメントの、オープンサイエンスの、情報技術の、それぞれの話をするべき人がするという具合で、え、なんですか、ここっていつの間にインターディシプリナリーのパラダイスになったんですか(注:たぶん元からこの学会がそう)、と、司会が壇上で一人勝手に幸せな気持ちになってる、という状態でしたよね。
「⑤現在資料ディスカッションのここがスゴかった!」その3。現在資料というテーマであったものの、事実上①資料発掘の話であり、④人材の話も確か出てたので、まあ安心して、他のトピックをカットすることができましたよねっていう。このあたり、ディスカッションにあたっての論点の出し方に考慮が必要だったんだろうな、と思いました。論点というのは、個々に粒立っているようなものではなく、ワンプレート上で絡まり合ってるものなんだ、と念頭に置く必要があるなと。
・以上のスゴかった!論点⑤を提言してくださった日下さんには、マジ感謝です。
・最後を③ジャパンサーチでしめたのは、個人的関心です、すみません。それも早稲田の事例とともに、②利活用と自己決定につながってよかったです。
・ただ惜しむらくは、もうひとつの個人的関心である⑥グローバリゼーション・インターカルチュラリズムへのデジタルアーカイブの役割、みたいな感じの問題提起です。吉見先生からの発言でした。吉見先生が途中でお帰りになったので聞けなかったのですが、個人的には↓こういうことを聞いてみたかったです。
 それはメディアとしてインターネットが想定されると思うんだけど、いまのようなインターネットの有り様のままでそれが果たして実現できるのかどうか、っていう。
・以上です。ていうか、以上のように書くと、なんか結果としてうまいこと流れていったように見えるものの、実際にはかなりの綱渡りで、準備不足が祟りかねなかったなというところを、祟りを鎮めていただけたのはこれすべてフロアのみなさんの、無茶ぶりを無茶ぶりとも思わない大海のような広い御心のおかげであり、やはりあらためて感謝申し上げるところでございます。あたしも今後どっかで何か聞きに行くときは、いつ当てられてもいいように覚悟しておくことにします。

 なおなお、このアンサーパネルでもグラフィックレコードを作成していただいていました。
 とりあえず簡単な写真ですが、載せておきます。
 かなり拡散した(注:意図的に拡散させた)議論を忍耐強くレコーディングしてくださり、ありがとうございました。
IMG_9110.jpg
IMG_9113.jpg
IMG_9112.jpg

 これで「アーカイブサミット2017京都」関係のイベントは、やっとのことですべて終了。と、思ってますが。どうかな。

posted by egamiday3 at 10:48| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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