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原発事故処理について
原発事故の処理はいつまでかかる見通しなの?
すべての廃炉作業を終えるまでには30年から40年かかり、国と東京電力がまとめた工程表には2050年ごろまで続けられるとされています。
いちばん難しい作業は?
最大の難関は溶けた核燃料、いわゆる「デブリ」の取り出しです。
これが、原発の2号機の「デブリ」とみられる堆積物です(2018年1月・映像提供 IRID)
デブリは核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きた1号機から3号機にあり、内部調査の結果をもとに、2019年度に最初に取り出す号機や方法を決め、3年後の2021年に取り出しを始める計画です。
廃炉作業が進む東京電力福島第一原発
(スマートフォンでは左上のメニューボタンを押すと質問の一覧が表示されます)
(それぞれの説明やデータは2018年3月現在のものです)
事故処理はうまく進んでいるの?
安倍総理大臣は事故の2年半後、IOC=国際オリンピック委員会の総会で「状況はコントロールされている」と述べました。
当時、原子炉建屋の地下などには高濃度の汚染水がたまり、地下水と混ざって増え続けていました。
さらに、ここからくみ上げられた汚染水がタンクから漏れ出すといったトラブルも相次ぎ、東京電力の幹部も「今の状態はコントロールできていない」と述べました。こうしたことから、汚染水を巡る状況が大きな問題となりました。
今は順調なの?
現在は多くのタンクが水が漏れにくい構造のものに切り替えられているほか、地下水をくみ上げて汚染水の増加を抑えるなどの対策も進み、トラブルは減っています。
また、多くのエリアで放射線量が下がるなど、廃炉の作業環境も徐々に改善しています。
一方で、メルトダウンが起きた1号機から3号機の建屋内は今も高い放射線量となっているほか、解体したがれきをどう処分するかも決まっておらず、廃炉に向けた作業には多くの課題があります。
メルトダウンした核燃料はどうなったの?
今も各号機の原子炉や、その外側の格納容器の中にあります。
福島第一原発では、1号機から3号機で核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きて、
溶けた核燃料は、構造物などと混じり合って「デブリ」となりました。
これまでデブリの正確な位置は分かっていませんでしたが、格納容器内部の調査で、2号機と3号機でデブリとみられる堆積物が見つかりました。
2号機で溶け落ちた核燃料とみられる堆積物(2018年1月・映像提供 IRID)
場所が分かったら取り出せるの?
内部調査の結果をもとに、2019年度に最初にデブリを取り出す号機や方法を決め、取り出しは3年後の2021年に始まる計画です。
汚染水はどう処理するの?
最終的な処分方法は決まっていません。
福島第一原発では、敷地内にタンクが立ち並んでいて、この中身の多くは汚染水を処理した後のトリチウムという放射性物質を含む水です。
敷地内に立ち並んでいるタンク
セシウムやストロンチウムといった物質は専用の設備を使って取り除いていますが、トリチウムは取り除くことができないのです。
そのまま保管するの?
トリチウムを含む水は法令上、国の基準以下に薄めれば放出することができ、原子力規制委員会の更田委員長も「環境や生態への影響はない」として、東京電力がトリチウムを含む水の取り扱い方法を決めるべきだ、という考えを示しています。
しかし風評被害を助長することが懸念され、漁業者など地元の理解を得るのは簡単ではなく、最終的な処分方法は決まっていません。東京電力は工程表の中で、海への安易な放出は行わないとしています。
原発事故で避難した人達は?
福島県や復興庁のまとめによりますと、震災や原発事故の影響で避難生活を送っている福島県の住民は、2月末時点で5万人を下回り、最も多かった2012年5月の16万4000人余りに比べて3分の1以下になりましたが、今も多くの人たちが避難生活を続けています。
県や復興庁のまとめには、原発事故にともなう避難指示が出た地域の住民で、東京電力から家賃の賠償を受けながら民間の賃貸住宅で避難生活を送る人たちは含まれていません。
このため実際に避難している人の数は多くなりますが、今のところ正確な人数は把握されていません。
避難指示の状況は?
原発事故によって福島第一原発周辺の2市6町3村に出された避難指示は段階的に解除され、現在は、
大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、南相馬市、葛尾村、飯舘村の1市4町2村で避難指示が継続されています。
避難指示の対象の面積は最大時の3分の1程度に、対象の人口も約8万1000人から3分の1以下の約2万4000人になり、
避難指示が解除された区域では、電気や水道、道路などのインフラの整備が進みました。
避難指示が解除された楢葉町で7年ぶりに開かれた運動会(2017年10月)
どれくらいの人が戻っているの?
避難指示が全域または一部で解除された自治体にNHKが取材したところ、避難指示がすでに解除された地域に住民登録している人は4万9000人余り。
これに対して戻ったり、新たに移り住んだりして実際に住んでいると見られる人は7500人余りと、15%程度でした。
復興庁などが去年からことしにかけて7町村を対象に行った住民意向調査では、「戻らないと決めている」や「判断がつかない」と答えた人が、少ない自治体でも40%以上にのぼりました。
戻らない理由として、
「すでに生活基盤ができている」「医療・介護環境への不安」のほか、「放射線量や原発の安全性への不安」も上位にあげられています。
医療機関、福祉施設、商店、飲食店、働く場に加えて、不安の払拭が課題になっています。
福島の食べ物の安全性は?
福島県内でとれた農産物や水産物は、産地ごとに放射性物質の検査が行われています。
このうち、コメは毎年出荷される約1000万袋すべてが検査され、このほかの品目はサンプル検査と言って、一部が抜き出されて検査されています。
検査で基準値を超えた品目は、産地ごとに国の出荷制限を受けたり、県の自粛要請が行われたりして、流通しないようにしています。
検査の結果は?
コメは2015年産以降、過去3年間、1キログラムあたり100ベクレルという国の基準値を超える放射性物質は検出されていません。
このほかの農産物や水産物でも、国の基準値を上回る放射性物質が検出されるケースは、事故直後から大幅に減っていて、2012年度に6万点余りのうち、1.8%にあたる1106点だったのが、2016年度は、2万点余りのうち、0.03%にあたる6点でした。
内訳は川魚のヤマメが4点、コシアブラという山菜が2点。
こうした品目については産地ごとに出荷制限や自粛が行われ流通していません。
海への影響は?
福島県沖では福島第一原発から10キロ以上離れた海域で試験的な漁が行われ、検査が行われた上で出荷されていますが、3年前の4月以降、国の基準値を超える放射性物質は検出されていません。
東京電力が原発から20キロ以内の海域で独自に行っている調査では、港湾内や港湾近くでとれた魚を中心に、基準値を超える放射性物質が検出されることがありますが、これらは流通していません。
一方、「コープふくしま」が事故後、毎年(2011年度~2016年度)行っている福島県内の組合員(100家庭から200家庭)を対象にした、ふだん家族で食べている2日分の食事からは、1キロあたり1ベクレル以上の放射性セシウムは検出されていないということです。
原発事故後、子どもの甲状腺がんの状況は?
まず甲状腺の検査について説明します。
福島県は、原発事故後、子どもたちの甲状腺の検査を行っています。
チェルノブイリ原発事故の際、周辺地域で子どもたちに甲状腺がんが多く見つかり、被ばくが原因と結論づけられたことから、県民健康調査の一環として、実施することにしたものです。
対象は、事故当時福島県にいた18歳以下の子どもたち約38万人で、事故から最初の3年で1巡目、その後2年おきに2巡目、3巡目と検査を繰り返してきました。
検査は現在3巡目で、これまでに190人余りが「がんやがんの疑い」と診断され、このうち150人余りが甲状腺を切除する手術を受けました。
これについて有識者でつくる福島県の県民調査検討委員会は、1巡目の検査をまとめたおととし3月の段階で、被ばく線量が総じて小さいことなどを理由に「放射線の影響とは考えにくい」とし、検査を大規模に実施したことで甲状腺がんが多く見つかっている可能性が高いという見解を示しました。
一方で委員会は、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ、現段階ではまだ完全には否定できず、長期にわたる情報の集積が不可欠だとしています。
そのうえで、「検査を受ける不利益」についても丁寧に説明しながら、甲状腺検査を続けていくべきだという見解を示しています。
「検査を受ける不利益」とは?
甲状腺の検査を大規模に実施すると、生涯、健康に影響を及ぼすことのない「潜在的ながん」が見つかることがあり、結果的に不要な手術を行うおそれがあることです。
がんやがんの疑いと診断された場合、手術するかどうかをはじめ、保護者や子どもに強い不安やストレスを与えることなどを指しています。
こうしたことから、大規模な甲状腺検査を実施することに疑問や反対の意見や立場を示す専門機関や専門家もいます。
このように甲状腺の検査や診断のあり方を巡っては様々な議論が続いています。
原発事故の刑事裁判は、いったい何を争っている?
争点は、「原発を襲った津波を事前に予測することができたか」「対策を取っていれば事故を防ぐことができたか」です。
福島第一原発の事故を巡り、東京電力の元会長と元副社長のあわせて3人が、検察審査会の議決によって強制的に起訴され、刑事裁判で3人は、原発事故を防げず、福島県の入院患者など44人を避難によって死亡させたなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われています。
刑事裁判法廷のスケッチ画像
検察官役の弁護士は、東京電力が事故の3年前に15.7メートルの津波が来て原発が浸水するという想定をまとめ、防潮堤を作る計画をしていたにも関わらずに先送りしたとしています。
これに対して被告の3人は「事故は予測できなかった」として無罪を主張。すぐに対策を取らなかったのは、津波の計算が妥当なものかどうか、専門の学会で検討してもらう必要があると考えたためだと反論しています。
裁判のスケジュールは?
裁判長は、20人を超える証人を法廷に呼び、ことし6月にかけて集中審理を行う方針を示しています。
原発は再稼働するの?してるの?
これまでに5基が再稼働しています(2012年に一時、再稼働した大飯原発3,4号機を除きます)
全国には16原発40基あり、福島第一原発の事故のあと、一時、稼働中の原発はゼロとなりました。
再稼働の条件は?
事故後、原発の規制は厳しくなり、重大事故対策などを求める審査に合格することが、再稼働の条件です。
審査に合格したうえで、立地する自治体が同意すれば、再稼働します。これまで審査の申請がされたのが26基で、合格したのは14基です。
このうち、立地自治体が同意し、すでに再稼働した原発が5基あるほか、立地自治体の同意を得ている4基が、ことし3月以降、再稼働する計画です。
廃炉になる原発は?
莫大な安全対策費などを理由に廃炉が決まった原発は、事故後、福島第一原発を除いて8基にのぼり、今後も廃炉となる原発が出てくる可能性もあります。
国は、全電力のうち原子力の比率を、2030年度には「20%~22%」にするという目標を掲げ、30基程度が稼働すれば達成できると見込んでいます。
ただ、廃炉になる原発が増えていくと、稼働できる原発が30基程度に達するのかという指摘も出ています。
また、「20%~22%という目標が妥当なのか」といった声もあがっています。
原発は必要なの?
石油や石炭といったエネルギー資源のほとんどを輸入に頼る日本にとって、原子力は一定の電力を安定的に供給できるとして、国は「基盤となる電源=ベースロード電源」と位置づけています。
「原発を推進すべき」という主張の背景の一つが、温室効果ガスの問題です。
日本では、水力発電を含む再生可能エネルギーは15%程度で、残る80%以上を火力発電でまかなっています。
国が温室効果ガスの排出を2030年度までに26%削減(2013年度比)するという目標を掲げる中、二酸化炭素をほとんど排出しない原発は必要だという意見があります。
電力は足りないの?
昨年度、全電力のうち原子力の占める割合は2%程度でしたが、電力を供給できない事態にはなっていません。
さらに、福島第一原発の事故で放出された放射性物質のため、多くの人がふるさとを離れざるをえなくなり、生活を再建できずにいます。
国の試算では、賠償や廃炉、除染などの費用は21兆円余りにのぼる見通しで、この額はさらに増えるという試算もあります。
重大事故が起きれば甚大な損害につながる原発が本当に必要なのかという意見もあります。
原発で使い終わった核燃料は?
日本では、使用済みの核燃料を再利用可能な資源と位置づけていて、ここから燃料となるウランやプルトニウムを取り除いたものを高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」と呼ばれることもあります。
どこに処分するの?
強い放射線を出し続けるため、国は、人が生活する環境から隔離した地下300メートルよりも深くに処分する方針ですが、処分場をどこに作るかは決まっていません。
去年7月には、地盤の特性などの条件から調査対象になる可能性がある地域を示した地図が公表されましたが、住民や自治体の安全に対する懸念は根強く、選定作業は難航が予想されています。
また地震と大津波が来たら原発は?
原発事故後に発足した原子力規制委員会は、原発の規制を強化し、電源や冷却設備の多重化、津波対策の強化などを盛り込んだ新たな規制基準に基づいて原発の安全対策を審査しています。
この中では、地震の想定を従来よりも厳しく評価し、仮に福島第一原発の事故のように想定を上回る地震や津波が来ても、多重の対策によって安全は守られるとしています。
一方で、こうした新しい規制基準や電力会社の取り組みが事故の教訓を十分反映していないとして、裁判所が原発の運転差し止めを命じるケースも出ています。
原発事故の処理はいつまでかかる見通しなの?
すべての廃炉作業を終えるまでには30年から40年かかり、国と東京電力がまとめた工程表には2050年ごろまで続けられるとされています。
いちばん難しい作業は?
最大の難関は溶けた核燃料、いわゆる「デブリ」の取り出しです。
デブリは核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きた1号機から3号機にあり、内部調査の結果をもとに、2019年度に最初に取り出す号機や方法を決め、3年後の2021年に取り出しを始める計画です。
(スマートフォンでは左上のメニューボタンを押すと質問の一覧が表示されます)
(それぞれの説明やデータは2018年3月現在のものです)
事故処理はうまく進んでいるの?
安倍総理大臣は事故の2年半後、IOC=国際オリンピック委員会の総会で「状況はコントロールされている」と述べました。
当時、原子炉建屋の地下などには高濃度の汚染水がたまり、地下水と混ざって増え続けていました。
さらに、ここからくみ上げられた汚染水がタンクから漏れ出すといったトラブルも相次ぎ、東京電力の幹部も「今の状態はコントロールできていない」と述べました。こうしたことから、汚染水を巡る状況が大きな問題となりました。
今は順調なの?
現在は多くのタンクが水が漏れにくい構造のものに切り替えられているほか、地下水をくみ上げて汚染水の増加を抑えるなどの対策も進み、トラブルは減っています。
また、多くのエリアで放射線量が下がるなど、廃炉の作業環境も徐々に改善しています。
一方で、メルトダウンが起きた1号機から3号機の建屋内は今も高い放射線量となっているほか、解体したがれきをどう処分するかも決まっておらず、廃炉に向けた作業には多くの課題があります。
メルトダウンした核燃料はどうなったの?
今も各号機の原子炉や、その外側の格納容器の中にあります。
福島第一原発では、1号機から3号機で核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起きて、
溶けた核燃料は、構造物などと混じり合って「デブリ」となりました。
これまでデブリの正確な位置は分かっていませんでしたが、格納容器内部の調査で、2号機と3号機でデブリとみられる堆積物が見つかりました。
場所が分かったら取り出せるの?
内部調査の結果をもとに、2019年度に最初にデブリを取り出す号機や方法を決め、取り出しは3年後の2021年に始まる計画です。
汚染水はどう処理するの?
最終的な処分方法は決まっていません。
福島第一原発では、敷地内にタンクが立ち並んでいて、この中身の多くは汚染水を処理した後のトリチウムという放射性物質を含む水です。
セシウムやストロンチウムといった物質は専用の設備を使って取り除いていますが、トリチウムは取り除くことができないのです。
そのまま保管するの?
トリチウムを含む水は法令上、国の基準以下に薄めれば放出することができ、原子力規制委員会の更田委員長も「環境や生態への影響はない」として、東京電力がトリチウムを含む水の取り扱い方法を決めるべきだ、という考えを示しています。
しかし風評被害を助長することが懸念され、漁業者など地元の理解を得るのは簡単ではなく、最終的な処分方法は決まっていません。東京電力は工程表の中で、海への安易な放出は行わないとしています。
原発事故で避難した人達は?
福島県や復興庁のまとめによりますと、震災や原発事故の影響で避難生活を送っている福島県の住民は、2月末時点で5万人を下回り、最も多かった2012年5月の16万4000人余りに比べて3分の1以下になりましたが、今も多くの人たちが避難生活を続けています。
県や復興庁のまとめには、原発事故にともなう避難指示が出た地域の住民で、東京電力から家賃の賠償を受けながら民間の賃貸住宅で避難生活を送る人たちは含まれていません。
このため実際に避難している人の数は多くなりますが、今のところ正確な人数は把握されていません。
避難指示の状況は?
原発事故によって福島第一原発周辺の2市6町3村に出された避難指示は段階的に解除され、現在は、
大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、南相馬市、葛尾村、飯舘村の1市4町2村で避難指示が継続されています。
避難指示の対象の面積は最大時の3分の1程度に、対象の人口も約8万1000人から3分の1以下の約2万4000人になり、
避難指示が解除された区域では、電気や水道、道路などのインフラの整備が進みました。
どれくらいの人が戻っているの?
避難指示が全域または一部で解除された自治体にNHKが取材したところ、避難指示がすでに解除された地域に住民登録している人は4万9000人余り。
これに対して戻ったり、新たに移り住んだりして実際に住んでいると見られる人は7500人余りと、15%程度でした。
復興庁などが去年からことしにかけて7町村を対象に行った住民意向調査では、「戻らないと決めている」や「判断がつかない」と答えた人が、少ない自治体でも40%以上にのぼりました。
戻らない理由として、
「すでに生活基盤ができている」「医療・介護環境への不安」のほか、「放射線量や原発の安全性への不安」も上位にあげられています。
医療機関、福祉施設、商店、飲食店、働く場に加えて、不安の払拭が課題になっています。
福島の食べ物の安全性は?
福島県内でとれた農産物や水産物は、産地ごとに放射性物質の検査が行われています。
このうち、コメは毎年出荷される約1000万袋すべてが検査され、このほかの品目はサンプル検査と言って、一部が抜き出されて検査されています。
検査で基準値を超えた品目は、産地ごとに国の出荷制限を受けたり、県の自粛要請が行われたりして、流通しないようにしています。
検査の結果は?
コメは2015年産以降、過去3年間、1キログラムあたり100ベクレルという国の基準値を超える放射性物質は検出されていません。
このほかの農産物や水産物でも、国の基準値を上回る放射性物質が検出されるケースは、事故直後から大幅に減っていて、2012年度に6万点余りのうち、1.8%にあたる1106点だったのが、2016年度は、2万点余りのうち、0.03%にあたる6点でした。
内訳は川魚のヤマメが4点、コシアブラという山菜が2点。
こうした品目については産地ごとに出荷制限や自粛が行われ流通していません。
海への影響は?
福島県沖では福島第一原発から10キロ以上離れた海域で試験的な漁が行われ、検査が行われた上で出荷されていますが、3年前の4月以降、国の基準値を超える放射性物質は検出されていません。
東京電力が原発から20キロ以内の海域で独自に行っている調査では、港湾内や港湾近くでとれた魚を中心に、基準値を超える放射性物質が検出されることがありますが、これらは流通していません。
一方、「コープふくしま」が事故後、毎年(2011年度~2016年度)行っている福島県内の組合員(100家庭から200家庭)を対象にした、ふだん家族で食べている2日分の食事からは、1キロあたり1ベクレル以上の放射性セシウムは検出されていないということです。
原発事故後、子どもの甲状腺がんの状況は?
まず甲状腺の検査について説明します。
福島県は、原発事故後、子どもたちの甲状腺の検査を行っています。
チェルノブイリ原発事故の際、周辺地域で子どもたちに甲状腺がんが多く見つかり、被ばくが原因と結論づけられたことから、県民健康調査の一環として、実施することにしたものです。
対象は、事故当時福島県にいた18歳以下の子どもたち約38万人で、事故から最初の3年で1巡目、その後2年おきに2巡目、3巡目と検査を繰り返してきました。
検査の結果は?
検査は現在3巡目で、これまでに190人余りが「がんやがんの疑い」と診断され、このうち150人余りが甲状腺を切除する手術を受けました。
これについて有識者でつくる福島県の県民調査検討委員会は、1巡目の検査をまとめたおととし3月の段階で、被ばく線量が総じて小さいことなどを理由に「放射線の影響とは考えにくい」とし、検査を大規模に実施したことで甲状腺がんが多く見つかっている可能性が高いという見解を示しました。
一方で委員会は、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ、現段階ではまだ完全には否定できず、長期にわたる情報の集積が不可欠だとしています。
そのうえで、「検査を受ける不利益」についても丁寧に説明しながら、甲状腺検査を続けていくべきだという見解を示しています。
「検査を受ける不利益」とは?
甲状腺の検査を大規模に実施すると、生涯、健康に影響を及ぼすことのない「潜在的ながん」が見つかることがあり、結果的に不要な手術を行うおそれがあることです。
がんやがんの疑いと診断された場合、手術するかどうかをはじめ、保護者や子どもに強い不安やストレスを与えることなどを指しています。
こうしたことから、大規模な甲状腺検査を実施することに疑問や反対の意見や立場を示す専門機関や専門家もいます。
このように甲状腺の検査や診断のあり方を巡っては様々な議論が続いています。
原発事故の刑事裁判は、いったい何を争っている?
争点は、「原発を襲った津波を事前に予測することができたか」「対策を取っていれば事故を防ぐことができたか」です。
福島第一原発の事故を巡り、東京電力の元会長と元副社長のあわせて3人が、検察審査会の議決によって強制的に起訴され、刑事裁判で3人は、原発事故を防げず、福島県の入院患者など44人を避難によって死亡させたなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われています。
検察官役の弁護士は、東京電力が事故の3年前に15.7メートルの津波が来て原発が浸水するという想定をまとめ、防潮堤を作る計画をしていたにも関わらずに先送りしたとしています。
これに対して被告の3人は「事故は予測できなかった」として無罪を主張。すぐに対策を取らなかったのは、津波の計算が妥当なものかどうか、専門の学会で検討してもらう必要があると考えたためだと反論しています。
裁判のスケジュールは?
裁判長は、20人を超える証人を法廷に呼び、ことし6月にかけて集中審理を行う方針を示しています。
原発は再稼働するの?してるの?
これまでに5基が再稼働しています(2012年に一時、再稼働した大飯原発3,4号機を除きます)
全国には16原発40基あり、福島第一原発の事故のあと、一時、稼働中の原発はゼロとなりました。
再稼働の条件は?
事故後、原発の規制は厳しくなり、重大事故対策などを求める審査に合格することが、再稼働の条件です。
審査に合格したうえで、立地する自治体が同意すれば、再稼働します。これまで審査の申請がされたのが26基で、合格したのは14基です。
このうち、立地自治体が同意し、すでに再稼働した原発が5基あるほか、立地自治体の同意を得ている4基が、ことし3月以降、再稼働する計画です。
廃炉になる原発は?
莫大な安全対策費などを理由に廃炉が決まった原発は、事故後、福島第一原発を除いて8基にのぼり、今後も廃炉となる原発が出てくる可能性もあります。
国は、全電力のうち原子力の比率を、2030年度には「20%~22%」にするという目標を掲げ、30基程度が稼働すれば達成できると見込んでいます。
ただ、廃炉になる原発が増えていくと、稼働できる原発が30基程度に達するのかという指摘も出ています。
また、「20%~22%という目標が妥当なのか」といった声もあがっています。
原発は必要なの?
石油や石炭といったエネルギー資源のほとんどを輸入に頼る日本にとって、原子力は一定の電力を安定的に供給できるとして、国は「基盤となる電源=ベースロード電源」と位置づけています。
「原発を推進すべき」という主張の背景の一つが、温室効果ガスの問題です。
日本では、水力発電を含む再生可能エネルギーは15%程度で、残る80%以上を火力発電でまかなっています。
国が温室効果ガスの排出を2030年度までに26%削減(2013年度比)するという目標を掲げる中、二酸化炭素をほとんど排出しない原発は必要だという意見があります。
電力は足りないの?
昨年度、全電力のうち原子力の占める割合は2%程度でしたが、電力を供給できない事態にはなっていません。
さらに、福島第一原発の事故で放出された放射性物質のため、多くの人がふるさとを離れざるをえなくなり、生活を再建できずにいます。
国の試算では、賠償や廃炉、除染などの費用は21兆円余りにのぼる見通しで、この額はさらに増えるという試算もあります。
重大事故が起きれば甚大な損害につながる原発が本当に必要なのかという意見もあります。
原発で使い終わった核燃料は?
日本では、使用済みの核燃料を再利用可能な資源と位置づけていて、ここから燃料となるウランやプルトニウムを取り除いたものを高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」と呼ばれることもあります。
どこに処分するの?
強い放射線を出し続けるため、国は、人が生活する環境から隔離した地下300メートルよりも深くに処分する方針ですが、処分場をどこに作るかは決まっていません。
去年7月には、地盤の特性などの条件から調査対象になる可能性がある地域を示した地図が公表されましたが、住民や自治体の安全に対する懸念は根強く、選定作業は難航が予想されています。
また地震と大津波が来たら原発は?
原発事故後に発足した原子力規制委員会は、原発の規制を強化し、電源や冷却設備の多重化、津波対策の強化などを盛り込んだ新たな規制基準に基づいて原発の安全対策を審査しています。
この中では、地震の想定を従来よりも厳しく評価し、仮に福島第一原発の事故のように想定を上回る地震や津波が来ても、多重の対策によって安全は守られるとしています。
一方で、こうした新しい規制基準や電力会社の取り組みが事故の教訓を十分反映していないとして、裁判所が原発の運転差し止めを命じるケースも出ています。