ITコンサルティング大手フューチャーアーキテクト(東京)の従業員名簿などの営業秘密が不正に持ち出された事件で、同社の技術者約30人が競合会社のベイカレント・コンサルティング(東京)に移籍していたことが8日、警視庁生活経済課への取材で分かった。
同課はフューチャーアーキテクトの元執行役員、岸本昌平容疑者(39)=不正競争防止法違反容疑で逮捕=が持ち出した名簿が、技術者の引き抜きに使われた可能性があるとみて調べている。
同課によると、岸本容疑者は2016年12月、フューチャーアーキテクトに黙ってベイカレント社と雇用契約を締結。17年2月、フューチャーアーキテクトのサーバーからシステムエンジニアやプログラマーなど技術者約100人の専門分野と役職が記載された名簿を入手したという。
岸本容疑者はベイカレント社から貸与された端末に名簿を保管。フューチャーアーキテクトからベイカレント社に技術者約30人が移籍したのは16年12月以降だった。二重の雇用状態を把握したフューチャーアーキテクトは17年5月に岸本容疑者を解雇した。
ベイカレント社は取材に「(岸本容疑者に)名簿などを持ち出すよう指示したことはない」と説明。同課は今後、ベイカレント社から事情を聴くなどして関連を調べる。