IT技術者引き抜き目的か 名簿持ち出しの元幹部

社会
2018/3/9 1:30
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 ITコンサルティング大手フューチャーアーキテクト(東京)の従業員名簿などの営業秘密が不正に持ち出された事件で、同社の技術者約30人が競合会社のベイカレント・コンサルティング(東京)に移籍していたことが8日、警視庁生活経済課への取材で分かった。

 同課はフューチャーアーキテクトの元執行役員、岸本昌平容疑者(39)=不正競争防止法違反容疑で逮捕=が持ち出した名簿が、技術者の引き抜きに使われた可能性があるとみて調べている。

 同課によると、岸本容疑者は2016年12月、フューチャーアーキテクトに黙ってベイカレント社と雇用契約を締結。17年2月、フューチャーアーキテクトのサーバーからシステムエンジニアやプログラマーなど技術者約100人の専門分野と役職が記載された名簿を入手したという。

 岸本容疑者はベイカレント社から貸与された端末に名簿を保管。フューチャーアーキテクトからベイカレント社に技術者約30人が移籍したのは16年12月以降だった。二重の雇用状態を把握したフューチャーアーキテクトは17年5月に岸本容疑者を解雇した。

 ベイカレント社は取材に「(岸本容疑者に)名簿などを持ち出すよう指示したことはない」と説明。同課は今後、ベイカレント社から事情を聴くなどして関連を調べる。

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